神無月の九

●10月某日: 朝7時からせっせせっせと走る。帰ってシャワーを浴びてドロンとしていると、背後で夫がせっせせっせとお弁当を作っている。今日は幼稚園の運動会。といっても、サクはプレクラス&未就園児対象のプログラム2つに出るだけなので、必要ないんですけど、雰囲気を出すためだそうです。わーい。パパも一緒に幼稚園に行くとあって、大乗り気、大張り切りだったサクだが、ついてみると、保護者や祖父母でみっちみちの園庭や、やんややんやの雰囲気に圧倒されて、「もうかえる」と言い出す。しかし自分の番がきて私と一緒に園庭に出ると、「あ、俺のターン?」て感じで落ち着いて、やや緊張しつつも楽しげにやってた。アウェーの雰囲気がイヤなのよね。

おみやげをもらって出ようとすると、私の勤め人時代の上司夫妻に声をかけられた。彼らの4人の子どもたちはいずれもここに通い、今も下のふたりが在園している。いざ自分の子を幼稚園に、となったとき、独身時代から聞くともなく聞いていたその話から、「ここがいいかも」と思うようになったという・・・。今日ももちろん彼らの姿を探していたのだが、人が多くて見つけきれなかったので声をかけてくれて助かった。会社の様子なども立ち話。最近、人数が減って、ベテラン部員も異動になり、とても忙しいらしい。「そういうわけで、俺が倒れたら、○○さん(私のこと)がサプライズ人事で登場してね。落合GMみたいに。あ、その際、お子さんは我が家で夕方まで預かるから」と相変わらずユーモアたっぷりである。昼下がりから夫の実家へ。さすが篠栗、日が暮れると、すでに晩秋の気配…。呼子で釣ったイカをもらったとかでイカ祭りだった。わーいイカ大好きー! 刺身も煮物もうまーい! ゴマサバならぬゴマアジも爆食。浴槽に浸かっていると、いつも風呂の窓の外側に貼りついているカベチョロ(って地方的言い回しですか?ヤモリね)が飛んできた蛾に狙いを定め、食らいついて胃におさめる一部始終を見てしまった。うーむ。ワイルド。

●10月某日: 午前中、家族3人で南蔵院へ。篠栗四国八十八か所霊場総本山、一番札所として古くから信仰を集めてきた当該寺院だが、宝くじの一等があたったのをきっかけに大改修、1995年に大きな釈迦涅槃像が設置された。さらにその後もやはり宝くじで高額当選して、なんというか、すっかり世俗的な娯楽寺院って感じになってるんだけど、それはそれで心安く楽しい。サクも足が強くなってきて、山中の広い境内を相当歩きまわれるようになった。夫が子どもの頃にはすでにあったという不動明王像や奥ノ院の鳴滝は大迫力。朝の冷え込みから一転、陽が昇るとぐんぐん気温が上がって日差しは強かったが、樹木も多い寺院の中は風がふきわたって涼しい。・・・で、昼下がりに辞去するころにはわたくしの鼻はグズグズに。ちゃんと羽織ものなども持って行ってたし、寒い思いはそれほどしなかったのだが、おそるべし。この冬も、ほぼ月一で帰省するたびに風邪をひいて帰るというルーチンを忠実にこなすことになりそうだ…。