『平清盛』 第2話「無頼の高平太」

さっそく、女性主人公時の通称“スイーツ”に比して、“少年マンガ大河”とか“ジャンプ大河”とか呼ばれているこの『平清盛』ですが。

確かにザルっぽいところは散見されるんですよ。アポなし来客って、家来レベルで追い返されないの?(伝えにきた家臣って、平家の御曹司であることを最初に奏上しなかったよね?)とか、いかに都が荒れていようと法皇様の御所に武者丸はおろか鱸丸までノコノコ入り込んじゃってるのはどうよ?(セキュリティ面)とか、途中から豹変する舞のシーンはいわゆる「剣舞」を意識して作ったんだろうけど、カッコ良かったか?とか・・・

『坂の上』とか『カーネーション』のように、非の打ちどころなく寸分の隙なく構築された世界に、指くわえて陶酔するのは当然幸せ。だけど、こういう、ちっちゃなアラを探して「ありえねーw」「マンガかよヲイww」と指さして笑いながら見るのも結構好き。

何より、そういうアラが“瑣末事”に見えるってことが大事なのだー! 清盛まわりは、彼がまだ少年ということもあって非常に少年少年した展開なんだけど、その分、勢いがある。御所まわりは魑魅魍魎どころか物の怪・怪物がうようよしてて限りなく面妖。血はつながらずとも同じ屈折をもつ親子。彼らをハラハライライラしながら見守っている家族。などなど、それぞれの世界が既に生き生きと立ち上がっている。

で、松ケンがステキだ〜! 45分の中でもいろんな顔を見せてくれる。シーンによって、線が太いようにも細いようにも、不器量なようにもきれいなようにも見える。しっかりした芝居をしてるんだけどどこかつかみどころがなくて、それが魅力的。稀有な役者だなーと思った。

怪物=白河法皇がさっそく亡くなったのにはちょっと驚きで残念でもあるが、これからどんどこやってかなきゃいけないあんなことやこんなことを思うと納得、というか、むしろ楽しみになってきた。今回、阿部サダヲ藤本隆宏玉木宏、次回藤木直人と、重要人物が最初から惜しみなく投入されてるのも頼もしい。この分だと松雪さんもすぐ出てきそうだね。オープニングでのキャストクレジットが今もパンパンな感じ。思えば「江」って出てくる人間自体少なかったわ・・・。