入籍1周年

日曜日、11時半、起床。ちなみにゆうべの就寝時間は深夜2時過ぎ。
夫がいないとついつい夜更かしになるのはなぜだろう。

病院へは14時半、出発。
「その3時間のタイムラグは何なのだ」と夫に不思議がられたが、えーと、だらだらだらだらと家事などやっております。

【タロー、今日の病院食】

  • 朝:ごはん、味噌汁、おきゅうと、海苔、漬物
    (タローコメント 「いつもより少ない・・・・」)
  • 昼:ごはん、味噌汁、漬物、きんぴらごぼう、白身魚のカレー風味揚げ、ヤクルト
    (タローコメント 「きんぴらごぼうがかぶりましたな」)
  • 夜:ごはん、すき焼き風糸こんにゃく厚揚げ、もずく、田楽茄子、杏仁豆腐みたいなもの、漬物
    (タローコメント 「特別メニューで鶏の唐揚ときんぴらごぼういただきました☆)

ということで、特別メニューのきんぴらごぼうは、前日に、私の手製を届けておいたもの。
鶏の唐揚は、「シャバっぽいものが食べたい」という彼の希望に添って、スーパーのお惣菜を差し入れした。
2個ずつわけて、私は「冷えてるし固いし、たいしたことないなー」と思ったが、「うまい・・・」と万感の思いのこもった夫の感想には、涙をそそられるものがありました(嘘)。

15時前に病院に着いて、それから20時までの5時間といえば、見舞いというにはやはり結構な長い時間を過ごしていることになるのだろうが、実際は、あっという間に面会時間の終了はやってくる。

その間というのは、いまだ入浴許可の下りないかわいそうな体を拭いてやったり、夕方、彼の会社の同期がお見舞いに来てくれたり、
昼寝(夕寝)したり、近くの書店で今日発売の文庫本を買ったり、一緒に夕飯をとるために、コンビニで自分の食べる分を仕入れたりなど、まあちょこちょこ動いてもいるものの、単にだらだらしょうもない話をしているだけでも、意外にどんどん過ぎていくのだった。

この、「特に何をしなくても間がもつ」感じ、よく言えば居心地の良さ・・・悪くいえば緊張感のなさ?が、いかにも家族らしいな。や、いいことだと思ってます。

病院では、ついぞ話題になることもなく、「じゃーねー」と別れてから互いに思い出したのだが、今日は私たちの入籍記念日なのだった。

1年前の4月5日は土曜日。
式場となったホテルに所用で出向いた後、中央区役所に寄って、役所の休日なので、通用口の用務員のおじいちゃんに婚姻届を提出した。
既にその2ヶ月前から一緒に住んではいたのだが、その夜、入籍祝いと銘打って(銘打っただけで、一緒に酒を飲むのは早くも週末恒例となっていたが)、高くもないワインなんかを飲んでるうちに、
「あー、これで名実ともに、あたしは彼の妻になったのだな。」
とかなんとかで胸いっぱいになって、酔っぱらいの泣き上戸と化した私だった・・・。

私たちは割と記念日には敏感で、というのも、それを口実に美酒美食を貪りたいという一心で結びついているだけなのだが、ほんの1ヶ月も前には、ふたりして、
「入籍記念日、どうしようか? どっかに食べに行く? 家でパーッとやるか?」
などと楽しい計画に頭を悩ませていたものだ。

この日を迎えてみれば、夫は、居酒屋がずらっと並ぶ通りに面した病室で、酔客が騒ぐ模様を聞きながら豆腐ハンバーグだなんだと異様にローカロリーの食事に終始し、私は、ひとりになると、常よりさらに料理意欲も減退して、適当なつまみと発泡酒でお茶を濁す(お茶じゃないけど)というのが現実で、人生なんて、ほんとにわかんないもんですね。

でも、まあ、ありがたいことに生死をさまようような病状でもないし、今は今なりに平和だし、少なくとも私のほうは、1年前よりももっと夫をかわいく思うことができてるってのは、とても幸せなことなのでしょう。

何をどう解釈されたのかは謎だが、夫は看護婦さんに「奥さんと仲良しなんですねー」と言われたらしく、そんな話を実家の母親にしてみたらば、
「あたりまえやないね。ノリカさんと陣内さんじゃあるまいし、たった1年で仲悪くなっとったら、こっちもたまわんわ。」
と、ばっさり切って捨てられた。

ま、夫婦生活の大先輩からすれば、まだまだオママゴトのようにかわゆい、ヒヨッコの私たちよね。