神無月の十五

●10月某日: 朝、寝てるサクに向かって夫が「サクー、今日、新幹線乗るよ」と声をかけると、サク、「なんのしんかんせん のるの?」「しんかんせんにのったあとは、なににのるの? どこにいくの?」と寝ぼけ声ながらハッキリと立て続けに質問を浴びせ、目をこすって開いてヨイショッと起き上がった。新幹線パワーすげー。今日は博多南で毎年恒例の「しんかんせん祭り」(というのが正式名称なのかは知らん)がある。私は引き続き風邪具合があまりよくないので人ごみは遠慮します・・・グシュグシュ。それでも行く気満々の夫(と、もちろんサク)。いってらっしゃーい。
のろのろと掃除や洗濯、少しインタビュー原稿やって、昼過ぎ、博多駅で祭り帰りの2人と合流。昨年行った「西鉄 電車祭り」の3倍は人が多かったそうだ。おえー。私としちゃ、そこまで人が多いところで4才の幼児が見学を楽しめるか非常に疑問に思う(基本的に、あまりひどい人ごみって子どもが楽しめる環境じゃないと思っている)が、JR博多シティ9F「くうてん」(食堂フロア)で落ち合うと、サク、ニッコリご機嫌な笑顔でまだまだシャンシャン歩き、昼食の店に入っても、大変元気に祭りの様子を話したり、戦利品(スタンプラリーの台紙や、買ってもらったミニタオルなど)を誇らしげに披露したりだった。夫によると、祭りの殺人的人ごみの中では、やはり圧倒されている様子もあったようだが。ところで昼食はインドカレー。うまー! それほど頻食はしないけれど、スパイスが好きな人間だと思う。辛さ(自分で選べる)もちょうどよかった。夜は鉄腕DASHのあと、なにげなくつけたNHKスペシャルに目を奪われた。


色のついた学徒出陣の映像・・・といっても、雨空に軍服だから暗い暗い色彩なのである。それと、青空のもと笑顔で手を振る五輪の日本選手団とを交互に映す演出は、がつんとくるものがあった。そして、作家・杉本苑子の文章が読み上げられる。彼女は、同じ場所で行われた学徒出陣と1964東京五輪開会式とを、両方ともに現場で見た人間だった。