サクことば30・ 疑問詞関連 3歳0か月まで

●1歳10か月
指さしが大ブームに。「これ何?」「これなーんだ?」などと指さして尋ねると、「バス」とか「りんご」とか答えるように。


●2歳すぎ 
「なに してるの?」「どしたの?」 (家事など私の作業を見ると何かにつけて言っていた)
「これ なに?」


●2歳3か月

  • 絵などを指さして「アンパンマン、何してる?」と聞くと、「にっこり してる」 「ごはん たべてる」など絵の動作を正しく答えるように。


●2歳4か月

  • 「え? なーに?」 と、私の言葉をよく聞き返す。


●2歳半ごろ 

  • 「どこ いく?」 (お出かけの準備中に) (→ はじめこう言っていたが「なに いく?」の誤用に移行。後述)
  • 「どっち が すき?」 (両手におもちゃをもって。はじめはフレーズを丸覚えしていた感じだった)
  • 「なに みる?」 (DVDに録画している番組の中から)
  • 誤用 「なに いく?」 (どこに行くの? の意)
  • 誤用 「なに いる?」 (だれがいる? の意)
  • 誤用 「なに すき?」 (どっちが好き? の意) → やがて消えて「どっちがすき?」に移行
  • 誤用 「どこ ないた?」 (どうして泣いたの? の意)→ このパターンの誤用はすぐに消えた


☆「なに」をほかの疑問詞(どこ、だれ)に過拡張する誤用は3歳0ヶ月の現在も続いている。「なに」が疑問詞の中で上位のものという感覚があるらしい。

☆「どっち」はマスターしやすかったようで誤用が消えた。「どこ」は「サクの しんかんせん どこ いっちゃった?」のように非常に正しく使う場合もあるが、誤用「なに」と並行中。

☆「いつ」という疑問詞は現在もまだ口にしない。「いつ」の代用として他の語彙を使うこともなく、そういう質問自体が出てこない。語彙の問題というより時間の感覚がまだ未熟な気がする。= 子どもは、”今このとき” を生きている!

☆「だれ」は現在もほとんどすべて「なに」で代用されている。
 

●2歳7か月

  • 「なんでイヤなの?」と聞くと「だって・・・」という語で受けるように。たいていが、「だって、イヤなんだもん」など、こちらの質問をオウム返しにして答える。


●2歳8か月

  • 誤用「これ なに くれた?」大ブーム。 誰がくれたの? の意。新しく登場したグッズ、衣類等について問い始めたのだが、やがて、従来から身の回りにあるものなどについても、やたらめったらこう聞くように。


●2歳9か月、10か月

  • 「みてみてー、○○ なに してる?」 大ブームの始まり。おもちゃの電車や飛行機を走らせたり飛ばせたり、変なところに置いたりして、その状況描写を親にさせる。今も続いてる。
  • 「なんで泣いたの?」と聞くと「だって、しんかんせん(のおもちゃ)が・・・」など、一部のみだが理由を口にすることもある。


☆理由を尋ねる、ということを始める。非常に的確に尋ねることに驚く。

  • 「ママ、なんで ないてるの?」 (ドラマ見て泣いてる私に)
  • 「なんで なか はいらないの?」 (レストランの順番待ち中に)


●2歳11か月

  • 「どうして ○○なの〜?」 理由を聞かれても困るようなことをさかんに聞く。

(例) 「どうして こんな しんかんせん あかいの〜?」 文法もおかしいが、そもそも何を聞きたいのかわかんない。自然、「さあ、なんでだろうね〜」とか「“つばめ”新幹線は赤いんだよ〜」とか適当に答えるしかないが、「えー?」とか言ってあまり満足げではない。

  • 「どうやったら ○○?」パターンの質問、多し。誤用含む。

(例) 誤用「どうやったら はくの?」 「どのパンツ穿いたらいいの?」 の意。急な着替えのとき。

(例)誤用「これ どうやったら おるの?」 「どうやって折るの?」又は「どうやったら折れるの?」の意。折り紙しながら。

☆まんま「どうやったら」の意で“方法”を尋ねているときもあれば、質問意図は「どこから」「どの」などである場合も。

  • 「これ なんて かいてある?」 絵本(図鑑)や看板等の文字を指さしてさかんに尋ねる。「名前」また「固有名詞」について尋ねることが多い。絵本の物語の文章を指さすことはない。


●3歳0か月 ←イマココ
☆わけのわからない問い、絶好調。

  • 「これ なんの くるま?」 「これなんのタイヤ?」 いつものおもちゃを手にもって。質問意図、不明。


☆わけのわからない問いは数パターンを駆使しつつ、えんえんと続けられる。

(例)新しい新幹線のおもちゃを手にもって
「これ、なに(誰が) かってくれた?」 ← パパが買ってくれたことは本人も知っているのに、尋ねる。
私「パパが買ってくれたね」。
サク 「なんでかってくれたの?」 ←わかってるくせに何度も尋ねる 
私「サクちゃんのたんじょうびだったからだよ」 
サク 「へぇー、これ、なんのしんかんせん?」 ←知ってるくせに、たずねる。
私 「“つばめ”だね(九州新幹線の名前)」。
サク 「つばめってなに?」 
私「新幹線のなまえだよ」 
サク 「しんかんせんってなに?」 
私「新幹線は新幹線だよ」←この“負けた”感・・・・。

こういう時期がくる、とは聞いていたものの、実際、すごいパワー。しかも3歳になった途端に、何かのタガが外れたかのように、機関銃のように問い続けるようになった。

言語能力が未熟なため、本当に尋ねたいことをうまく言語化できなくて、意味不明な質問になっているのか?

そういうときもあるだろうが、大半は、尋ねている本人も、なんとなく惰性で質問し続けているというか、すごく知りたいことがあるわけじゃなく、言葉のキャッチボールを続けるのが楽しかったり、かまってほしいだけだったりのような感じもある。
子どもの多くが通る道だということは、無意識の筋トレのようなものなのかも。こうやって、しつこくしつこく、しっつこく繰り返すことで、何かしらの文法や会話のルールを身につけていくのだろう。


☆疑問詞に限らないが、「正しい語彙・用法が出現」→ 「誤用が出現」 → 「誤用と正用の併用」 →「正しい用法に収束」 というパターンが多い。
誤用が出現するか否か? 併用時期の誤用と正用の各割合は? 併用時期の長さは? などは、いろいろ。


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