幼児に文字は教えたくない その2

・・・が!! 私の意に反して、息子は、3才の誕生日を迎えたころには、すでに「これ、なんて読むの?」星人に。

彼は電車や新幹線が大好きで(そのこと自体、両親の影響はまったくないので不思議なのですが)、来る日も来る日もそういう絵本や写真絵本をいつも見ております。始めは、車体の色や形から、覚えるわけです、名前を。しかし、新幹線や電車ときたら、「のぞみ」だの「さくら」だの「つばめ」だの、平仮名しかも短い名前が多いですね。子どもに、「さあ、ひらがなを勉強してごらん」といってるようなもんです、ぷんぷん。

息子も、日々、新幹線の写真とともに、横に添えてある名前を見るうちに、「ひらがな=1文字1音の法則」に気づき、「この、文字というものは、他のところにも書いてある! 応用できる!」と気づいたらしく。やがて、身の回りにあふれている文字をみて「さくたろう」(←自分の名前)とか「せんろ」とか「みいつけた」とか読むようになってしまいました。それどころか、自分でも書こうとする!てか、書く!

がーん。

ってことで、家庭訪問の機会に、担任の先生に聞いてみました。

「私は、なんとなく、幼稚園時代には文字を教えたくないんですけど、子どもが、文字大好きなんです。どうしたらいいでしょう? うちの幼稚園では、文字を教えませんよね。それはどうしてですか?」

ちなみに担任の先生は、なんと幼児教育一筋、60才前後の女性です。

「うーん、そうねえ。それぞれの家庭の考え方でいいと思うけど」としながらも、「どうして文字に興味を持つようになったのかしら? お母さんは、どうして文字を教えたくないんですか?」 逆に聞かれてしまいました。

「新幹線が好きで、絵本を見ているうちに、新幹線の名前から、文字に興味をもったみたいです…。私は、本を読むのが好きで、むしろ活字中毒気味なんですけど、だからこそ、文字のない世界にいられる時期は貴重だから、その自由さをたくさん味わってほしいんです」

的なことを、しどろもどろに、答えると、

「そう! 本当にそうよねー。文字がないって自由よねー」って感じで、いたく共感してもらえたのですが、先生自身の考えを深く聞くことはできませんでした(そして、それなりに緊張しているのでそれ以上聞き出せなかった私)。

その後、懇談会で、先生が「今、子どもたちはこういうことをして遊んでいます。こういう発達の時期にあるので、こういう観点から保育しています」など説明する中で、「なるべく、文字には興味がいかないように気を付けています」とポロリと言ったので、耳をそばだてた私。

先生は、「文字を読めると、文字ばっかり見ちゃうんです。形を見たり、触ってみたり、よく観察するということがどうしても減ってしまうんです」というようなことを言ってました。わ・か・る! 完全同意! この幼稚園に入れてよかったー。

ちなみに、絵本は、園でも読むし、家庭でも推奨されています。しかしそれも「字が読める子もいるかもしれませんが、絵本は、子どもに自分で読ませるのではなく、大人が読んであげましょうー」って言ってましたね、先生。(つづく)