文月の四
●7月某日: 午前中、夫が整体に行っている間に、サクを連れて買い物がてらの散歩に出ようとするも、靴を履こうというところで急に大爆発のサク。そんなものは影も形もないのに「あたらしい くつ はきたい」とゴネて寝転がり、いつもの靴なら行かない、ママにおいて行かれてもいい、留守番してるもん、と言い張る。まあそのすべてが本心というわけではなく、何かしら不機嫌スイッチが入って、なんもかんもイヤになってしまったのだろうが、そのスイッチの在処が今朝は全然わからん。ひとしきりなだめたり代替案を出してみたりしたがてんでダメなので、「じゃあしばらく気が済むように怒ったり泣いたりしてなよ」と私が自分の雑事に入ると、「だっこー だっこしてー!」と泣く。で、しても、全然泣き止まない。なかなか規模の大きい爆発にやや辟易していると、夫が「イヤイヤ対応HP」が満タンの状態で帰ってきた。サクを抱きあげ、慰め、和ませ、ややしてプラレール遊びに誘ってすっかり機嫌良くさせている。こういうときだよね、子どもに対応する人材が複数いるとラクだよな、て思うのは・・・。夜は夜で、「ごはん たべたくない」と言ってきかないサク。ひとまず「ごはんは家族みんなで一緒に食べるんだよ」と叱ると大泣き。ここでも夫が粘り強さを発揮し、頃合いをみて(親はとっくに食べ終わったころ)、サクを巧みに食卓に誘い、膝に座らせてちょこちょこと食べさせ始めたが、ややして「わかった! すべての謎が解けたぞ」と言う。「おまえ、眠いんだな」。はたして、台所に立っていた私が振り返ると、夫の腕の中で脱力し瞼の落ちかけているサクが。寝グズり、てやつだったらしい。そうか昼寝しなかったもんね。まあおかげで今夜は「八重の桜」を静かに見られたが、あまりの鬱展開。子どもにちょこちょこ茶々入れられながら見るぐらいでちょうど良かったかも。夫婦して絶句しちゃって…。
●7月某日: 大雨の日々が終わるやいなや、あづい゛。本日の最高気温は34.1度。関東は数日前からもっとすごい猛暑らしいが…。急に気温が上下した日の常として、普段は盛況な公園に人が、だ、誰もいない…。途中から徐々に集まって、幼稚園でも同じクラスに通っているナオくんと遊ぶことができた。よかったよかった。最近、水筒を買って、初めて持って行ったので(これまではペットボトルに入れてた)、ちょっと休憩しようよ、という誘いにも素直に従う。水筒でお茶を飲むのも遊びの気分。昼ごはん、これまたサクには初めてのほうれん草スープをすすめてみると、警戒して拒絶するかと思いきや、ごっくん、と飲んで「ちょっとにがいけど ちょっとおいしい」。な、なんか的確な感想じゃねーか! 夜、残業で帰りの遅かった夫、よほど空腹だったようで、ガツガツと無言でごはんをかきこんでる。食べ終わってちょっとしてから「今日のごはんどうだった?」と聞いてみると、「おいしかった。あの、ちょっと変わったニラ玉みたいなのね。エミの3番手ぐらいの必殺料理だよね。うん、おいしかった」と適当ながら正確な感想を言われた。得意料理、じゃなく、必殺料理、って言い方が憎い。そこに宿るニュアンスは“やっつけ”。ぐぐぐ否定できない…。