弥生の十
●3月某日: 自転車を買った。30年前は母の後ろに乗せられていた私だが、ママチャリの進化っぷりには仰天だった。まず、すでに11キロを超えているサクでも、母親の前に乗せる。前に乗せると前が重たいし、抱っこして持ち上げての乗せ/降ろしも大変なので、前輪は小さく作ってある(その分、乗せカゴが低い位置になる)。ただし後輪も同じ大きさだとパワーが足りずに前進しにくいので、後輪は大きい。乗せ/降ろし時に危なくないよう、前ハンドルはロックできるようになっている…などなど、ひととおりの講釈を受けて、さあ試乗という段になり、サクのことだから最初はきっと警戒して乗車拒否するんだろうなーと覚悟していたら、予想に反してすんなりとカゴにおさまり、しかも初手から至極楽しそう。帰宅後も「サクちゃん、じてんしゃ のったね〜」「たのしかったね〜」と反芻していたし、意外にすんなりいきそうでホッとした。通勤でも通学でもチャリに親しんで生きてきた私には、久しぶりに自転車乗り業界(?)に復帰できることもうれしい。それにしても、若いころはママチャリなんてダサくて乗ってらんないと思っていたのに、わが子との自転車ライフなら恥ずかしくもなんともないしむしろ今は楽しみ。一方で、抱っこしたりベビーカーに乗せたりする時代がじきに終わっていくことへの寂しさはもとより、このママチャリ時代だってものの数年なんだよな…と既によぎったりして、親になるってすてきでせつないことである。夜、夫が塩サバを焼いて、「さば、ごはん、さば、ごはん、ってリピートしながら食べるのが日本人の喜びだぞ」と言いながらサクに食べさせていた。ワールド女子フリーの結果は午前中の開催時間にネットでチェックしていたので、フジの録画放送は8時に切り上げて「八重の桜」を見る。
●3月某日: 雨と突風で電車が遅れているというので、夫が早々と出勤していく。ちょっとうれしいww 1日中雨で退屈だろうから、こういうときのために取っといた「なりきりおりょうりセット」なる新しいおもちゃをサクに進呈。たちまち夢中になりひとしきり一人でためし遊びしたあと、私を呼びつけて一緒にやれと促すのだが、なんか指示が細かい。彼なりの手順があるらしい。「味見〜」と言って、お鍋の中身のものをパクッてするマネしたら、猛烈に怒られた。「もー! たべたらいかんでしょ?!」と、博多弁まじり。昼間に雨が上がったので、散歩に行く。図書館では、新聞各紙の置き場所が変わっていた。サクはものすごくびっくりした様子で、「しんぶん ないねー。しんぶん どこ いっちゃった?」とかなりしつこく気にする。新しい置き場所に連れて行ったら安心したもよう。