サクことば17  満2歳5か月 いろいろ

●方言が見られるようになった
ナウな博多弁が流通する環境で生育中のサク。ひと月ほど前に、初博多弁が。今まで出たのは3つ。「しらん(知らない)」、「おった(居た)」、「いらん(いらない)」。いずれも、not方言が先に発語されてからの、方言。

●抽象的な語彙の増加
しばらく前から言っていた「おもしろい」 「たのしい」に比べ、 「あぶない」 「むずかしい」 「こわい」 「びっくり」を言うようになった。「しってる」 「おぼえてる」とかも。その概念の理解は多少拙いものかもしれないけれど、不自然な場面では言わないんですよね。

●熟語の使用
今に始まったことでもないんですが、これまであんまり書いてなかった気がするので、まとめて。「しっぱい」 「ざんねん」 「せいかい」 「かんせい」 「しゅっぱつ」 など、場面に即して、言う。

●最近の誤用
1.「まだ」の誤用について以前書いた。http://d.hatena.ne.jp/emitemit/20121110#1352553496 
少々飲み残しのある状態で、「ヤクルトおいしかった?」と聞くと「まだ はいって ない」と答えた、というのが以前の誤用(この場合、自然な返答は「まだ はいってる」または「まだ のみおわってない」)。このパターンはもう見られなくなった。

最近は?というと、夜、ふとんで1日の出来事を振り返る会話をするときに、「サクちゃん、今日、お魚食べた?」と聞くと、「まだ」と答えたんですね。夕食に出した魚を、サクは嫌がって食べなかった。つまり、自然な返答は単純な「たべてない」または「たべなかった」なんだけど、未然形のような言い方をする。

面白いのは、実際に食卓に並ばなかったものを挙げて「今日、天ぷら食べた?」のように言うと、「まだ」が出ないこと。実際に彼の記憶に残っている、「実現可能性があったけれど実現しなかった」ことについてのみ、「まだ」を使うのが、現在のサクルールのようだ。確かに、そちらのほうが未然形に近くはあるのかも。

2.絵本をもってきて、「はじまって」。「はじめてください」の意。「はじまる」の意味を理解しているんだと思う。好きなテレビ番組やコーナーが始まると、「はじまった!」と言ったりする。それを、「○○して」の“お願い形”に応用しているんだけど、活用を間違っている…というか、そもそも、こういう場合は「はじめて」と言うとやたら上から目線(ピアノとかバレエレッスンの先生が生徒に言うみたいだ…)なので、「読んで」というのが自然。それにしても、創造的な誤用だと思う。