霜月の六 / 「ファミリーヒストリー」 小塚崇彦
●11月某日: 病院へ。サク、今日は私の診察中も泣かず、むしろ興味しんしんといった顔で見ていた。経過は順調なようで次の通院は来年で良いとのこと。解放感である。しかしこうして大きな病院で患者として診療を受けたり、ほかの科を含めいろんな患者さんや家族の姿を垣間見たのは自分の中で大事な経験だった気がする。病気のことはまとめて書こうと思いつつ、毎日清盛とかフィギュアとか子どものことばの発達とか書くこといっぱいで精一杯。そのうち気が向いたらまとめて書きます。婦人科の病気でした。さて朝イチの予約だったので早く終わり、その足で公園へ。気温が低く、1.5時間ほどの間にすっかり体が冷えてしまった。その後、思い立って小児科へゆき、母子してインフルエンザの予防接種。サク、泣かなかった。ごほうびに、と先生が出してくれた赤ちゃんせんべいをその場で開封して貪り食ってた…。
●11月某日: 明け方5時ごろ、やけにもそもそしていたサクがそのまま起きてしまった。じきに早起きの夫がリビングに連れて行ったがややあって寝る部屋に戻ってくると「39.1度ある」。がーん。寝かせようとするけどきつくて眠れないらしい。7時半ごろようやく寝て、10時過ぎまで。38.2度。ごはんをお茶碗半分ほど。病院に行こうとするといきなり大雨。そして激しい雷。こ、ここまで荒天だなんて、しかも午前中からだなんて、聞いてないよーっ。午後はもともと雨の予報だし覚悟を決めてサクを背中にくくりつけ、病院へ。先生は明言しなかったけど、これきっと昨日の予防接種の副作用だと思う…。スーパーに寄って(おんぶ重ェェェ)帰宅後、うどんをあげてみるとバクバク食べる。半玉食べても「もっと食べる」。え、残り半分は私が食べちゃったよ…。肉まんをあげてみるとこれも半分ほど食べた。熱は下がらず。ちょっと遊んで昼寝させる。きついのか、さすがに割とあっさり寝た。子どもを見ていると、熱が出てしばらくはけっこうぐったりしてて、ところかまわずゴロンと“うずくまり寝”のような体勢になったりするんだけど、発熱後3−4時間も経つと、熱が高い状態に体が慣れるのか、38度を超えていてもけっこう普通に遊んだりはしゃいだりする。飲み会帰りの夫が「きょうそんな話になったんだけどさ、夫婦して飲み助の家って相当少ないね〜」とへらへらしてた。
NHK「ファミリーヒストリー」の録画を見る。フィギュアスケーター小塚崇彦の家族の歴史。後半、なぜか涙が噴出して止まんなくなる。もちろんそれなりにきれいにまとめてあるんだけど、特にお涙頂戴な作りでもないのに。この番組、先週の市川猿之助のを見たときも、最後泣いてしまった。猿之助の大叔母にあたるサダコさんがインタビューに答えてるときだった。今週も、崇彦のおじいちゃんが80才を超えて思い出の満州の地を再び踏むあたりで涙腺が決壊し、その後も、崇彦がバンクーバー五輪で見事4回転ジャンプを決め8位入賞したあとに文藝春秋に手記を寄せたり、満州時代の初恋の女性(?)がまだ御存命で崇彦のアイスショーを見に来たりするもんだから、涙が渇く暇がない。こういうふうにテレビ番組になったりしなくても、長く生きてきた人には皆それぞれに歴史があり、さまざまな思いを抱えているわけで、それが明らかにされるとき、ぐっと心をつかまれ、若輩者の貧弱な想像だけでも涙が出てしまう。ところで崇彦さんはお母さん似ですね。