サクことば・8 満2歳2カ月 「助詞をめぐって」


最初に出てきた助詞は「の」。所有の意。1歳11か月。洗濯ものをひとつずつ拾い上げて、「パパ」「ママ」「シャク(サク)」と持ち主を言うようになっていたのだが、ある日突然、「パパの」と「の」を付けるようになった。

次は「も」。これは今でも使用例がひとつだけで、「サクも〜」と、“自分もやりたい”意。「パパも」「ママも」などはなく、徹頭徹尾、自分についてのみの言及(笑)。

そして三つ目にして、今、もっとも多く出るのは、「は」。以前は指差しのジェスチャーのみで求めていた「名前を言え」の意を、今は指差しと同時に「これは?」「これは?」と発語する。

これらの助詞は、今現在、いずれも使用範囲がごく限定的であると同時に、「一語の場合にのみ付加する」特徴をもつ。言いかえれば、「二語文になったら助詞が消える」。

「これはパパのマグカップである」の意を示すとき、一語であれば「パパの」と言うが、二語では「パパ コップ」となって「の」が消える。「自分も歯磨きをしたい」の意を示すとき、一語であれば「サクも〜」だが、二語になると「サク する」と言う。

ちなみに、同じ“歯磨きがしたい”意のときに「はぶらし する」と言うときもあるのだが、文意的に、「自分もやりたいんだ」の「も」の意を強調したいときに、「はぶらし する」ではなく、「サク する」と言っている印象を受ける。これは、パソコンを見ている私の腕をひっぱって、「ママも一緒にブロック遊びやって!」の意を伝えたいとき、「ママ する」と発語するのも同じで、このときに、「ブロック する」とは言わない。「誰が」ブロック遊びをするのか、そこが重要だからだろう。

「サク する はぶらし」 「ママ する ブロック」などのような語順で言うときもある。英語の語順か(笑)。

とりあえず切迫して強調したい部分を二語文の形で言い、そのあとで、目的語を付加している、という感じ。この「とりあえずMAX強調部分を二語文、そのあと、思いつく限りの関連語で意志を伝えようとする」というパターンはよくある。「ヤクルト おいしかったー みどり!」とか。これは、「緑色のふたのヤクルトがおいしかったです」の意。

「はぶらしだ〜! すごーい! サクはー? サク、する〜!」のように、連続してしゃべり続けたりもするし、意思表示に対するものすごい意欲を感じるよ。

唯一、助詞とともに言う二語文は、「これはー、あか!」 「これはー、ママ(の)!」など。「これは」全体で一語として捉えているのかもしれんな…。というのは、「せいかい(正解)は〜、あか!」と、よく言ってるサクが、あるとき、「“せいかいは〜”は?」という語を発したから。

三語文は時々。今までに、「パパ ねんね した」 とか、「ママ だっこ して」などを聞いた。こちらが三語で言うと、三語をリフレインするようになった。これは二語のときも同じだったんだけど、最初は、二語で話しかけても、一語でしかリフレインしないんだよね。三語も、はじめは「サクちゃん、おっき、したね〜(起きたね)」と話しかけても、「サク おっき」とか、「おっき した」としか言わなかった。