『江』第10話「わかれ」

意外なほど泣けた。どんなに陳腐な脚本でも、母と子の別れを見せられて悲しくないはずがなかろうとは想像してはいたものの、あれこれ文句をつけていたのはなんだったのか?というほど、この3ヶ月で、彼女たちに感情移入していたということだろうか。あまりに高飛車すぎて、いまいち情愛に欠けるのではないかと首をかしげていた鈴木保奈美にも、喝采を送りたい気分になった。この市は、この市で、やっぱり、あり。そう思った。江に向かっての「そなたと過ごした時間が(三姉妹の中で)いちばん短かったな。母を許せよ」というせりふで、ちょっと頭が痛くなるくらい泣いてしまったよ。同時に、こうやって名残を惜しむ間もなく永訣させられた親子が、この震災でどれだけいることか・・・とも、考えていた。

演技でいえば、やっぱり宮沢りえがうまい。せりふがなくても芝居が雄弁。

それにしても、秀吉といい、勝家といい、今回から登場した三成といい、とことん、女性キャラを輝かせるための存在だなあ。徹底した女性上位大河であります。