『パーフェクト・リポート』第1話

第一線でキャリアを積みながらバリバリと働いてる友だちが、「明日からまた1週間がんばろうと励まされる」的な感想をつぶやいていて、このドラマってそういう見方をするのが一番いいんだろうな、と思う。でもどうにも物足りなさがあるのは否めない。

冒頭と最後に松雪泰子のボーリングシーン。スプリット状態になったピンをもろともに倒してみせる快投が、彼女の仕事の暗喩なんだろうけども。

「見えている事実の奥まで調べる」とか「影響力絶大で、人を傷つけるのもたやすいかもしれない報道だからこそ、真実を伝えたい」とか(うろ覚え・・・)、これまで数々の報道ドラマで使い古されてきた概念を、第1回から主人公にセリフでじかに言わせてしまう。「出世するために働くのか?」だなんて、真正面から問いかける時代じゃないでしょう。出世なんて最初から臨めもしない若者が、どんだけあふれている現代かっつーの。

情熱あふれる女上司と個性的だが落ちこぼれの面々がチームとして機能していく、という、フジ職業群像ドラマのノウハウをつぎ込んでるんだろうし、キャストだって決して悪くない。さらに、たどりつくのが人情話というTBS同枠の『新参者』を彷彿とさせるラスト。

新枠をヒットさせるために努めたんだろうなーとは思うし、それがまったく功を奏してないわけじゃない。テンポ良くて、見やすくて、スカッとしつつホロッとできる。でも、一定の水準に達しているだけで、このドラマは、なににも挑んでいない。だから、今後見ても、その時間はそれなりに楽しめるんだろうけど、特に残るものはなさそう。

とにかく、このドラマに限らず、最近のフジ作品には冒険がみられない。これまでヒットしたドラマを焼きなおしたようなものばっかり。登場人物の名前に全部色の名前がついてるとかいう遊びにも、こうなると萎えちゃうよー。さて月9はどうかな?(見ないけど)