『Q10』第1話

眠っている女の子を拾って、その子は実はロボットで・・・だなんて、拾った(正確には起動したんだけど)佐藤健でなくとも、視聴者としてちらっと聞いただけでも「なんだそれ、めんどくせー」と思っちゃうし、30代女子(=おばさん)としては、佐藤健くんは好物でも、そのロボット=ヒロインがAKB48って言われたら、「うへー」といったん眉をしかめて舌を出さずにはおられんかったわけよ、ドラマが始まるまでは。

でも、『すいか』以来、木皿泉のネームバリューもまた、30代女子(=・・・以下略)には絶大なんで、初回だけでも見ようと思って、いちお録画はするじゃない。

そしたら、これがすごい! 超感動! 演出も役者もみんなイイ! そしてやっぱり木皿泉の脚本最高!

や、まだ初回が終わっただけなんだから、そんな断定は早計なのかもしれない。でも、少なく見積もっても、ドラマの初回としてはもうもうもう、すばらしい出来だった! 70分拡大でもダレ知らず。

Q10」はキュート=かわいい、かれん、ってだけじゃなくて、10のクエスチョンでもあるんだね。

初回のQは、「人間は、リセットしたくなったらどうすればいいですか」。答えは「大声で助けを呼べば、必ず助けが来る。それが人間のルールです」。ここで、時代劇ドラマの「お代官さま、ア〜〜レ〜〜〜」ていう“帯くるくる”が伏線になっていたことに感服。そして、続く「助けはきませんでした」「わかってる。わかってるんだよ(だったっけ)」のやりとりに感動。たけるくんは、優しさや淋しさをものすごく上手にあらわす役者さんだね。人斬りの呪縛があっさり切れてるのに感心しちゃった。

そしてさらに、
「“藤岡くん、元気かな”って、アンタがつぶやいたことにすればいいじゃない」
「しょぼい靴屋。エロいじいさんがやってる八百屋。卵サンドがうまい喫茶店・・・・・。ぜんぶ、俺たちの、町」
「世界が、生まれました」
「字が違います」
ラスト10分くらいのたたみかけに、感動の嵐。よくもここまで作ってくれたな!と、関係者全員の肩をばんばん叩いてやりたいくらい興奮する見事な回収&昇華。なんという・・・! ちょっと感動しすぎちゃって、感想を書くにも絶句しちゃうほど。

蓮佛美沙子といい池松壮亮といい、地味ながらもいい仕事をする若手と、爆笑田中や薬師丸ひろこの不思議ちゃん中年、そして白石加代子が出てることでドラマの深みがグッとググッと! キャスティングも抜群です。

視聴率で語れない、測れない好ドラマが、またひとつ、ここに誕生したね!