『桃色トワイライト』三浦しをん

桃色トワイライト (新潮文庫)

桃色トワイライト (新潮文庫)

相変わらず冴え渡っている三浦しをんのエッセイ集。これはもう、四の五の論じるべき本じゃない。読んで楽しめるかどうかってだけ。オビに書かれている推薦文句は、岸本佐知子の解説から“もはや笑いの神に見込まれているとしか思えない。”と、編集者によるものか、“若き作家は、今日も常軌を逸脱中。”

これも出産後、実家にいる間に読み始めたもの。マタニティブルーとかいってメソメソしてたの忘れるくらいに笑った。どこから読んでも面白いんだけど、それだけじゃないのが彼女の非凡なところ。この本の白眉は、『仮面ライダークウガ』の三浦しをんによる解説およびオダギリジョー布教活動と、妄想爆発の『物陰カフェ』企画。この人のエッセイ読んでたら、己のなんと凡俗なことか、と歯軋りするような、ホッとするような気持ちにいつもなります。