ユニコーン『シャンブル』
- アーティスト: ユニコーン
- 出版社/メーカー: キューンレコード
- 発売日: 2009/02/18
- メディア: CD
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シングルカットされた曲はもちろんのこと、復活ライブのDVDを会社の同僚に借りてさんざん見ていたので、収録曲はだいたい知っていた。それでも、コーフンである。
これは、なんと言ったらいいんでしょうかね。名盤には違いないんだけど、珠玉の名曲ぞろい・・・とかいう形容詞は、ちょっとそぐわないんだな。うーん。『おっさんアルバムの金字塔』ってのはどうかな。
余裕しゃくしゃくって感じじゃないけど、いっぱいいっぱいではもちろんない。円熟・いぶし銀なんて言葉は遠いんだけど、青さ・ペラさは微塵もない。かつてのユニコーンではないけど、明らかにユニコーン。みんなそれぞれ作詞作曲したり共作したりで、やたらバラエティに富んでるんだけど、1枚通して聴いても不思議と違和感がないんだよね。
「16年ぶりの復活!」なんていうものものしい響きのフレーズで染め抜かれたのれんがかかってるのを、いとも軽々と、ひょいっとくぐれちゃう感じが、すごく好き。
M-1『ひまわり』、M-2『スカイハイ』と、じわじわ始まって上昇していく感じ。派手な曲じゃないけどあっためられるし、来し方を思えばちょっと泣けもする。そしてM-3『WAO!』でいったん弾ける、と。すかしたカウベル、いかにもな阿部ボーカルで笑って、サビのバックでどんだけ弾くのよ、ていうギターで笑って、民生がコーラスっていう贅沢さにちょっと身震いして。
それから中盤にかけては、するめゾーン。最初「なんじゃこりゃ?」と思っても、聴けば聴くほど味が出てくるよ。なに、この耐久性?っていう。外で、ipodで聴いてると、ときどき笑いそうになるっていう。
で、M-12『R&R IS NO DEAD』、M-13『サラウンド』でぐわーっとクライマックスを盛り上げ、M-14『パープルピープル』でいったん落とし、そしてM-15『HELLO』の迫力で度肝を抜いたうえに泣かせて終わるっていう。
この自由自在の緩急。絶妙の温度調整。恋だと愛だのがんばるがんばれだの一言も言わないのに思わず感動させ、遊んでいても音はバッチグー(死語)。おっさんらスゲー! 愉快痛快、そして愛すべき曲たち。バンバンと肩を叩いて、ぎゅっと抱きしめたい。抱き合いたい! そういうアルバムだ。