『小公女セイラ』第9話

プレ最終回にふさわしい盛り上がり!
冒頭の、アラン田辺誠一×ミンチン(千恵子)樋口可南子のやりとりには固唾をのみ(その背後で、二人にとって完全に背景と化している斉藤由貴も良し。)、その後のアラン先生のどこまでもかっこいい去り際、うさんくさい金持ちがハマりすぎの要潤、ついに来た「まりあ」と「かおり」の正面対決、などなど見所たくさん。

とにかく、三村千恵子という人物の説得力には圧倒されるばかり。脚本家・演出家の腕もあるだろうが、やはり役者ですよ。繰り返し書くけど、樋口可南子の女優魂には恐れ入る。セクシー系を経て良妻賢母系の地位を安泰のものにしながら、50歳でこんな役!しかも、別に超大作でもなんでもない、高視聴率枠でもない、大人向けでもない、連続テレビドラマですよ。

これを引き受けたばかりではなく、まぁよく怒り、よく泣き、よく殴り・・・まさに「全身全霊」という言葉がぴったりな演技のオンパレード。わたくし、すっかり、三村千恵子という人に感情移入し、そして樋口可南子という女優に心奪われてしまいました。無念の低視聴率に終わるだろうこのドラマだが、業界の中では樋口さんが高評価されていることを確信します!

「お金持ちじゃなくてもこの学院の教育を受けられるようにしたい」
「目立たなくても努力を続けている人に光を当てたい」
かつて三村千恵子が胸に抱いていた理想がアラン先生の口から語られた。それはきっと、「いつでもプリンセスでありたい」と思い続け、不遇を経て「自分だけが正しいんじゃない」と気づいたセイラと繋がるに違いない。

次週、児童文学の名作たる原作のとおり、ほんもののダイヤモンド・プリンセスに戻るだろうセイラだが、三村千恵子の物語はどう閉じられるのか、大団円となるのか、あるいはちょっと苦味をつけるのか?! 最終回、見逃せません!