『JIN〜仁〜』第6話 うーっ、ぐっとくるぜよ!

見せてくれるよね〜。原作があるとはいえ、脚本が素晴らしい。ぶっとい筋が通っとるぜよ。

このドラマで痛快なのは、なんといっても仁の医療行為。「頭に穴を開けて・・・」とか、「腹を切って胃の穴をふさいで・・・」とか仁が説明をすると、「バカ言うな! 頭に穴をあけて(腹を切って)生きていられるはずがなかろう!」と江戸の人々が目を剥き、しかし実際に沈着冷静な手術をやって見せる仁の手つきを魔法のように眺めるのを、視聴者は“どや顔”で見ているのだ。

切開とか腑分けの様子を多く映すのももちろん制作側の意図で、「ウワーーー痛そう、見てらんなーい」と手で目をふさぎながらも指の間からちゃっかり見ることが出来る感じ。そう、ほんとに「こんなことして、むしろ何で死なないの?!」と、しろうと的には直感しながらも、「でも、死なないんだよね〜当然!」と現代人としてわかっており、二重の目線で見られるのだ。

今日は前半でそんなカタルシスを感じさせ、そして後半では人間ドラマで見せる。うまいよなあ。

「こうでもしなきゃ、いつまで経っても仁先生には追いつけないんです!」と訴える桐谷君。

「技術や薬は放っておいてもそのうち発展するけど、石を投げられ、私財を投げ打ってでも道をひらこうとする人はそうそういません」という仁先生。

お互いに、「あなたをうらやましく思う」と言い合い、ある意味認め合い、ふたりして仁を守る野風と咲。

「小さい器には少しの酒しか注げない・・・」と自嘲する小出恵介、「大きい器では、酒がすぐになくなってしまうでありんす」と慰める、女郎の水沢エレナ。あ、このふたり、映画「風が強く吹いている」で共演してたので、ツーショットを見るのがすっごく楽しいです!

はぁーもう6話かー。どっぷり中盤だ。最後、どうなるのか、本当に読めない。ひとつの単純予想としては、小出恵介くんが死んでしまうか、死線をさまよう形で絡んでくるとは思うんだけど。彼、初回で、当時では死ぬしかなかった傷を仁に助けられてるからね。

それにしても、綾瀬はるかタンのかわいさはハァハァもんだし、大沢たかおには感情移入しまくりだし、中谷美紀花魁の素足と「拝ませてやろうと思ったのに」のセリフには時代劇好きとして血が沸騰したし、最近は悪役ぶりが堂に入りすぎの相島一之はちょっとかわいそうだし・・・で、やっぱり龍馬だよー! 龍馬の描き方に愛を感じる! 

「志士も医者も、人間ちゅうもんは、一皮むいたら欲の塊なんじゃき! そいでも、欲は前に進む力の源なんじゃ!」と喝破するばかりでなく、そのあとに「先生が心配なんぜよ〜!」と心底から仁に呼びかけるところが、いかにも人間くさい“龍馬”っぽいセリフでぐっとくるんだよね〜。内野さんはまったく、龍馬を生きてるとしか見えないし、視聴率も大河ドラマに匹敵するくらいまで上がってきているし、これは『龍馬伝』にとって真の脅威となってきた感じだね。ああ、楽しい。