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師走の十六 / アフリカンサファリ・湯平温泉

●12月某日: 旅の朝は温泉に浸かることから始まる。サク「やっぱり、あさぶろはさいこうだよなー!」親の受け売りだろうがいっちょまえな口をきく。しかしまだまだ甘いな、朝風呂後の二度寝まで含めての温泉宿の朝ですよ。二階の、寝室にしている部屋の窓から、山や眼下に広がる町並みの風景を描いているサク・・・の写真を、二度寝の布団の中からカメラで撮る。

保養所をチェックアウト後、別府へ。湯布院から別府への山道。毎回ながら、同じ北部九州でも山の感じが福岡と全然違うと思う。途中で車中にも硫黄の匂いが漂ってくる。アフリカンサファリへ! もう30年くらい前からあると思うけど私も夫も(ゆえに、むろんサクも)初めてだ。

食堂で昼食をとって、予約していたバスに乗る。1グループごとにエサ箱を渡され出発。シカ、クマ、ライオン、キリン、ゾウ、ラクダなどにそれぞれエサをやる。その他、サイやハイエナやトラ、チーター、なんちゃらバッファローなどのセクションにも、随時バスは止まってゆく。

こちらが檻の中に入ったような鉄格子のバスの中からのエサやり。広い疑自然で野生然としている動物たちだがバスからエサをもらうのがデフォルトになっていて、バスが見えるとわらわらと走らんばかりの勢いで近づいてくる。やっぱりライオンがすごかった。こちらが長鋏で差し出した生肉を、上空から狙っているトンビがさらっていく。おこぼれをもらって群れを維持している本当の野生のトンビなのだ。すごく素早い。そして目の前で生肉をめぐって2頭のライオンが激しく吠え合う喧嘩。

さらに、すべての生肉をやり終わって「もうないよ」の合図(長鋏を下に置く)をしているのに、バスの窓から離れず至近距離でこちらをじーーーーっと見つめてくるライオン様。運転手さん兼ガイドさんが「ライオンは私たち人間のこともエサと思っています、エサをくれるエサだと思っているのです」などと面白いこと言うからなおさら怖い。この方、ドキドキと安心とをうまいさじ加減で繰り出してくる軽妙なトークと運転技術、プロの仕事だった。

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(ライオンさま)


サクも、揺れやすい車内と臨場感ある動物たちとの邂逅・ふれあい(といっていいのだろうか)に、約1時間の乗車中はやや青白い顔をしながらも、とても強い印象を残したらしくあとあとまで思い出を語っている。降車後は、軽くおやつを食べたり、広い園内を散策したりして休憩。鳥ブームのサクは先ほどの野生のトンビを模して羽(腕)を広げ、テンション高く不規則に走り回っていた。人口密度の高くない広い園内なので、こういうとき気楽。

夕方、湯布院方面に戻るような形でし、さらに奥手の湯平温泉に投宿。小さくて素朴な温泉郷。歴史は古く、メインストリートの石畳は300年前のもの。とはいえ日曜日の夕方、すごく静かで、さびれているといっても過言ではなく、現にメインストリート沿いに廃墟と化したホテルが。でも、10数件の宿と、いくつかのカフェとバーと土産物屋さんと・・・ここで暮らして働いてる人たちがいるんだよなあと思う。花合野(かごの)川、川幅は狭いがすごい水量。

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私たちの宿は5室だけの旅館。女将さん自らが食事の世話などしてくれる。部屋の真ん中には大きな炬燵が据えてあり、「いえみたい」とサク。うん、落ち着く。「主人の母から受け継いだ旅館です」とのこと。食事はとても美味しく、たっぷりの量だった。鴨鍋とカニグラタン、ヤマメが印象的。