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震災と芸能人 3

テレビ moonshine

アイドルもまた、復興支援の活動を行ってきた。義捐金SMAPが4億円、嵐が3億円、AKBが5億円だとか? もちろん金額の大きさは言うまでもないけど、それだけじゃない。何も目を皿にして出演情報をチェックしたりすることはない、ゆるいアイドル好きな私でも、彼らが被災地を訪問したり、復興を支援する番組に出演するのを何度も見てきた。

SMAPは今年の3月にも、自分たちの番組で被災した人々のその後を追う特集を組んでいるし、中居はNHKの「震災から2年」コンサートの司会もつとめていた(メンバーも出演)。SMAPをアイドルと呼ぶのには少しためらいもあるが、ほかの呼称が思いつかないんでやっぱりアイドルなんだと思う。というか、アイドルって概念を変えてきたのが彼ら。

以前にこんな記事を書いた。歌も、踊りも、演技もトークも、何もかもが「その道のプロ」に比べたら二流なんだろう。アイドルは、キャーキャー騒がれ、ちやほやされる一方で、軽んじられ、バッシングされるものだということくらい、大人なら誰でも知っている。なのに20年ものあいだ、休むことも、色あせることも、舞台裏を明かすこともほとんどなく、矢面に立ち続けてきた。それはむしろ、きらびやかなというよりも、真摯で、地道で、愚直なほどの営みに見える。だから、今や個人的な好き嫌いを超えて評価されているところが、SMAPにはあると思う。

TOKIOや嵐もその流れを汲むアイドルだ。TOKIO福島原発のそばにあったDASH村を失った当事者でもあり、近隣の人々に添うことを忘れていないし、それ以前も以降も、日本中をまわって、老若男女、さまざまな職業の市井の人と身近に交わっている。嵐は震災後も連続して紅白歌合戦の司会をつとめ、その中ではそれぞれが東北に飛んで現地を取材したし、震災と直接のかかわりがなくても、社会的な番組、社会的背景をもつドラマや映画の仕事も多く行っている。

とにかく、彼らは年じゅう、たくさんの仕事をこなしているのだ。一覧のようなものがあれば、その数の多さ、その多岐にわたること、それをほとんど瑕疵なく行っていることに、脱帽しない一般人は少ないのではないか。その過程で、どれだけ多くの共演者やスタッフ等と関わってきたか。また、その仕事の成果が、どれだけの数・どれほどさまざまな人々の目に触れてきたのか。彼らの経験値とプロ意識はただごとじゃない。同性にも好感度の高い、「たかがアイドルと侮るなかれ」という雰囲気。それは、この20年ほどで、彼らが醸成してきたものだ。そして、そんな彼らが、復興支援にかかわる活動を行うのは、ごく自然なこととして受け入れられているように思う。というか、彼らがそれに関わらなければ、むしろ不自然な印象をもつくらいだと思う。(つづく)