卯月の一 / 私の「ママじゃない私」ポートレート


写真: 落ち葉に顔を描く子たち。その成果物はコチラの記事の末尾に

●4月某日: 「いいとも」のない平日1日目。「花子とアン」は2日目。自転車にサクを乗せ、えっちらおっちら30分ほどかけて大濠公園へ行き、ちひろちゃん親子と一緒に追廻橋のあたりから福岡城址へ入る。この、南二の丸の裏手あたり、森のようで、石垣にもぬくもりがあって、本当に良い。結局、ここで写真を撮ることにする。何の写真かって…そう、私の写真です。

私は写真がとても苦手。でも、こんな企画でいろんな人を撮りまくろう、喋らせようとしてるんだから、自分がそれを免れるわけにはいかん、と悲壮な覚悟で・・・ってことは実はなく、ちひろ氏の撮る写真はとても素敵なので、緊張しつつもちょっと楽しみだったのだ。しかし、実際にカメラを向けられると、やはり顔がこわばる〜どう振る舞ったらいいのかわからん。ちひろちゃんはちひろちゃんで緊張していたらしく(やっぱり、人を撮るって、プレッシャーあるよねえ)、ドキドキの初デートみたいな時間が続く。

サクとちひろ氏の娘ちゃんが無邪気にたんぽぽを摘んだり葉っぱを集めたりしている脇で、30代の女が30代の女を撮っている。お花見シーズンなだけに、人通りの少ないはずのこのあたりにも、ちょいちょい、階段を登ってくる一団があり、「何?」「モデル?・・・・のわけないくさね」「子どもがおるのにお母さんを撮りよんしゃるばい」的な視線を送りながら通り過ぎていく・・・気がするww えーい、ままよ。でも、途中でそれまで撮った写真を見てみると、へえって思った。とてもステキ。私が、じゃなくて、写真の雰囲気がね。

撮影の現場と、写真とを共に見ると、撮る人の「目」がよくわかって、本当に面白い。私は石垣と木ばっかり見て、「いいわ〜」とうっとりしてるんだけど、ちひろちゃんは「ここに立って」「ここの木漏れ日の感じが良い」とか的確に指示する。インタビュー記事の1枚目の写真なんか、え、こんな暗いとこで撮るんだ?とびっくりしたけど、撮れたのを見ると、その仄暗さが、すごくいい。

本丸跡で、持参したおにぎりやら、途中で買ってきた唐揚げやらを食べる。桜がわんさか咲いてて、平日にもかかわらず花見客でいっぱい。私たちもビールを1本ずつ、ぐびー。子どもたちはシャボン玉。結婚式の前撮りと思われる和装のカップルが登場すると、ブルーシートで盛り上がっていたおじさんたちがやんやと喝采を送る。強風が吹いたわけでもないのに、突然、目も開けられないほどの桜吹雪が舞うこともあった。善き春の一日。

●4月某日: 朝、走る。7時45分ごろから35分ほど。夫が有休なので帰りを急ぐ必要はない。リフレッシュ休暇という名の強制有給消化のついでに、明日、腸のポリープを取る彼だが、昼は家族で回転寿司を食べに行くことに。せ、責めないでほしい。施術までに腸をからっぽにするため、一昨日から野菜・果物類を食べられない夫だ。食物繊維なんかは、腸にまで残るから、腸に良いってこと…なのよね? つまり炭水化物とタンパク質しか食べられない。昨日の夜は、鰈の煮つけに、豚汁(のうち、具は豚と豆腐油揚げのみ)。一昨日の夜は肉と卵とごはんのみのかつ丼に、豆腐だけの味噌汁。今夜は素うどんのみの予定。かわいそうな彼に、食事制限の網をかいくぐれる魚+シャリの握りを食べさせてやりたかったのよう…と舌なめずりでスシローに向かったわたくしである。そして夫はワサビをガンガン食べてた。野菜だよね…? 昨日にひきつづき素晴らしい晴天と暖かさ、そして桜は見頃も終盤。もったいないので、帰りにセブンイレブンでコーヒーとジュースを買って、家から少し上ったところの緑地で小さく花見。広い場所ではないが、中央に、立派な桜の大木がある。本当に、日本って、呆れるぐらいどこにでも桜が植わってるのね〜と咲く季節になると毎年思う。