『塩のひみつ』その1

図書館で借りた本。たぶん小学生向け。

●塩には、岩塩・湖塩・天日塩などの種類がある。

●日本には岩塩はなく、また雨が多く湿度が高いため、天日塩も作れない。よって、海水を煮詰めて塩をとるしかないが、海水に含まれる塩はたった3%。できるだけ少ないエネルギーでたくさんの塩をとるため、海水をそのまま煮詰めるのではなく、海水の塩分濃度を濃くしてから煮詰める方法を工夫してきた。

●濃い塩水を作る作業を「採かん」、濃い塩水を煮詰める作業を「せんごう」と言う。漢字では、 採鹹、 煎熬。

●塩田での採かん作業。
☆入浜式塩田・・・江戸時代初期に、瀬戸内地方を中心につくられ、栄えた(十州塩田。十州=播磨、備前、備中、備後、安芸、周防、長門、阿波、讃岐、伊予)。昭和34年まで約300年にわたって使われた。

満潮と干潮の水位の中間ぐらいの高さに海辺の砂を敷いて塩田を作る。1.満潮になると堤防の下につくられた門をあけ、必要なだけ海水を塩田に引き入れる。 2.蒸発を助けるために「まんぐわ」と呼ばれる道具で表面の砂をかきおこす。 3.海水が蒸発すると、やがて塩が砂について残る。その砂を「よせぐわ」と呼ばれる道具でかき集める。 4.集めた砂を「沼井(ぬい)」とよばれる囲いに入れる。 5.「沼井」で集めた砂に海水をかける。すると、砂についた塩がとけ流されて、下の穴から濃い塩水が出てくる。それを集めて、煮詰める。

☆揚浜式塩田・・・塩の干潮と満潮の差が小さい日本海側や、外海に面した波の荒い太平洋側の海岸に多く見られた。

自然のままの海辺の砂浜を利用するが、広い砂浜がない能登半島などでは、塩田を海面よりも高い場所につくるしかなかった。海水を直接引き入れることはできまいため、塩田まで海水を(人力等で)くみ上げて、塩田にまく。あとは入浜式とほぼ同じ。とっても大変。

●せんごう
古代の土器にかわって、多量の濃い塩水を煮詰めるために塩釜が発達した。
土釜 → あじろ釜 → 石釜 → 鉄釜(中世から国産鉄釜が見られるように)・大型の石釜 → 様式の平釜(明治以降)