水無月の十一

●6月某日: (お食事の方等、ご注意) 「降るぞ、吹くぞ、激しいぞ」という予報の吹聴どおりにならぬ。最近、そういう現象が増えてきた気がするが、この日も同様。雨をおそれて、散歩がてらの買い物と近所の小さな広場(矛盾した語だw)でのシャボン玉遊びだけで午前中の外遊びをすませたのだが、体力を使いきれず、午後も元気いっぱいのサク。うへーというところにちょうどよく友だちが訪問してくれて、一緒にお茶を飲み、遊ぶ。ちなみにお茶うけはご主人の出張みやげの舟和の芋ようかんというすてきさであった。夕方にやっと力尽きて1時間半ほど昼寝、夕食は、ま、サクの食べる量はこんなもんよな・・・と、まあ大過ない1日が終わろうとするころ、事件は起きた。(お食事の方等、ご注意ですよ)

食後、いつものようにサクとふざけて遊んでいた夫が「ちょ、ちょっと来てー!」と切迫した声でエマージェンシーを告げる。見ると、サクさん嘔吐の真っ最中だった。たいして食べないくせに、というかあんな小さな体のどこに、と思えるほどに、吐いても吐いてもどんどん出てくることに驚く。なにげにサク、3歳を目前にして人生初の嘔吐であった。夫がいるときで良かった…。本人は泣くこともぐったりすることもなく、とにかくびっくりした様子で、「タオルくださーい。ここも、ここも〜(汚れたから拭いて)」なんて言ってる。吐いたときは水分を与えたくなるが、胃腸の動きが悪くなっているときには水すら受け付けずにさらなる嘔吐を誘発して、飲食したものだけでなく胃液等も吐いてしまって、よけい脱水が進む…という、最近たまたま得た知識を実践して、「ぎゅうにゅう のみたい」という訴えを退けて30分絶食させる。サクは大声で訴え悪態をつき続けていた吐いたら喉がカラカラになるもんね…)。30分後におちょこ半分の水。そして20分様子を見て吐かなかったので、さらにおちょこ1杯の水。砂漠の旅人のように大事そうな様子で飲むサクがいたいけ。

●6月某日: 夜中も吐き続けたら、あるいはゲリに移行したらどうしよう、と戦々恐々だったが、寝つきこそ悪かったものの、寝てしまえば静かなもので、朝までぐっすり。けれどいつもより1時間早く、6時に起きだして「テレビ見るー」とごね、「もうちょっと寝ときなさい」と言われて大泣き。水分も、やはり慎重になっているママから少量ずつしか与えられないのも気に食わないのだろうが、それにしても、機嫌が悪い。熱は37度前後の微熱。そのうち「なんかたべたーい」と言い出したので雑炊をつくると茶碗に軽く一杯。今日はついに雨もそれなりに降っているし、とりあえず幼稚園は休ませる。早く起きた分、昼寝は早く始まり、長かった。

日本時間の朝7時にコンフェデ杯イタリア戦がキックオフ。前半はかろうじて在宅できる夫がテレビにかじりついていた。本田のPKで1点先取し、2点目は香川の「さすがマンU」的シュート。これはまさかの…と思いきや前半終了間際に1点を返され、「サッカーは2対1になったら追うほうが強いんだよね?」とにわか知識を夫に振ると「そうそうそう。あー会社行きたくない!」と叫びつつ出勤。後半はサクにテレビを明け渡して(もちろんEテレ)、TLとかテキスト速報とかでちょいちょいチェックすると、なんと見る間に3-2と逆転されている。ひとえに風の前の塵に同じ…なんて遠い目で思っていると、ん? 追いついてるー! 岡崎ーーーー熱ェーーーーーー、やっぱおまえかーーーーー! しかし後半40分、イタリアゴール。こうして歴史的(?)熱戦は幕を閉じた。