皐月の四

●5月某日: 家から歩いて15分ほどのドラッグストアに行き、そこから引き返し、さらにウンショウンショと坂をのぼって25分。高台の神社に着いた。夫とサク、土日の男の珍道中では、散歩ルートに入っているらしいが、母子コンビで来るのは初めてではなかろーか。

太宰府箱崎に比べるとそりゃ地味だが、由緒正しきお宮さんであるこの御社、平日でも入れ替わり立ち替わりに参拝客がある。半ズボンでリュックを背負った、定年後と思しき男性が、「へぇー。ここは子どもにもいい遊び場やね。」と声をかけてきた。なんでも、福岡の歴史散歩とやらを楽しんでいるらしく、それこそ大宰府やら都府楼跡やら、大博通りの東長寺やらを見てるのかなーと思ったら、なんのなんの。

・金隈遺跡のズラリ居並ぶ甕棺のすばらしさ
・春日・那珂川に「安徳」の地名が多いのは、壇ノ浦にて滅びる前の平家一門(もちろん安徳天皇を擁している)がこの地に落ちのびてきていたからだ
那珂川は少弐一族の根城。少弐氏は、もとは国の役人だった(ここでわたくし、つい「ああ、太宰少弐ですね」とオタ丸出しの相槌を打つ)。
・三宅の地名は、もとは「宮家」。大きな御社に仕えた人たちが住んでいたところだろう。つまりそれがこの神社だ
などなど、石積みと蟻の観察に余念のないサクに目を配る私に、滔々と語ること約15分…のおじさんであった。や、面白かったけどね。サク、とんねるずの男気ジャンケンにハマる。ちゃんと、ものっすご男気ある顔で「じゃーけーぽ!」とやるのが面白い。てか、チビッコは早く寝ろ!

●5月某日: 我が家の公園事情。徒歩5分で割と大きくて感じのいい(ってどんな感じだ)公園で、ここをメイン使いに。徒歩20分圏内になると、6−7つの公園があって、気分次第で足を延ばしている。徒歩30分までにすると、さらに数は増えるけど、そこまではなかなか行かない。今日は20分圏内の公園Cへ、なにげに1年ぶりくらいだった。
夜、会社から帰宅後2分で料理にとりかかる夫。豚バラと野菜を焼いて、ニラ玉ならぬえのき玉(ねぎたっぷり)を作って、グリルでししゃもも焼く。帰る道々で段どりを完ぺきにイメージしてたんだろう、手際の良さが半端ない。共働きのお母さんってこんな感じなんだろうなーと思いながらそれを眺めている私。大手銀行が法人税納税を再開したというニュース。おお、ついにか、という感じ。繰越欠損金を使いきったのね。ていうか、繰欠って言葉を思い出すのが久しぶりすぎて妙に興奮した。前職の会社の申告書がどうなっているか見たい。上場会社なので財務諸表は開示されているけど、申告書は、そうそう見られないもんね。

ナウシカやってた。「だいじょうぶ。怖くない」とか、「あなたは何を怯えているの? まるで迷子のキツネリスのよう」とか、「わが夫となる者はさらにおぞましきものを見るだろう」とか、「味はともかく長靴いっぱい食べたいよ」とか、「なんといういたわりと友愛じゃ…!」とか、名言を先回りして言う(もちろん口調もマネして)のが楽しい。