『11人もいる!』第5話

五月がかわいー! こういう話をあざとくなく、いい意味でささやかに書けるのはクドカンの才能だと思った。

古今東西、人は物語を必要としていて、どんな民族も神話や民話をもっている。震災のことも、これから、いろんな書き手によっていろんな種類の物語が書かれるだろう。その中のどれによって胸打たれるか、あるいはどれかを「こんなもの」って思うかは、ほんとに人それぞれで、揺れも経験しなかった私は、意見を表明しにくい部分があるんだけど・・・この話の優しさで胸があたたまった人は少なくないと思う。

このドラマ、家計とかなんとか、いろいろめんどくさいもの背負っててがんばってても、長男はやっぱり子どもで、ダメでもなんでも
父ちゃんはやっぱり父親(血が繋がっていなくても、お母さんは母親)ってところが、いい。“できてよかった”婚か〜。授かり婚よりいいネーミングだね、これもさすがクドカン。それで照れたお母さんがちゃぶ台をひっくり返してくれるんで、テレビのこっちで見てる側の照れも緩和されるのです。なんて至れり尽くせり。

サムライスも、そのネーミングといい、ケチャップで書いた「寿」の美しさに、サムが超几帳面っていう設定が生かされているところといい、ゆき届き具合がクドカンらしくて、唸る。あと今回は、「太ってくれてありがとう、五月」と言う広末をじーっと見つめて、「伝えとくね」みたいなことを清史郎くんが言うんだけど、そのじーっと見つめる間の長さがよかった。そして毎回、ラストの引きが強い! 柳沢慎吾きたよ〜!