『龍馬伝』ちょっとちょっと!
8/15に第33回の放送が終わり、あと15回しかないんですってよ! そうよ、考えてみればもう8月も後半なんだもん。師走にはまた『坂の上の雲』やるんだし。
武市さんが「大殿様のため!」と叫んでるところとか、以蔵が拷問されてる姿とかが脳裏に焼きついて真っ先に出てくるこれまでの『龍馬伝』なんだけど・・・。龍馬については愉快な仲間たちとわいわいやってる様子かなあ。公式サイト見たら翌々回くらいで薩長同盟も成立してしまうみたいだし、これからはサクサク進むのねえ・・・。
美術やセット、カメラや演出で“埃っぽい南国土佐”とか“異国情緒あふれる長崎”とかいう幕末の雰囲気を見せるのは天下一品だけど、1年間終わったときに、「結局、龍馬のすごさって?」と言われて答えられるのかしらん。かっこいいし、気は優しいし、仲間思いでアイデアマン。なんか・・・なんか、すべては「福山雅治だから」の一言で納得できるんだけど。それはそれでいいのか。ってか、そもそも、それを見込んでの福山起用なのだよね。うん。
よく、明治維新は無血革命なんていうけど、有名無名の志士たちは死ぬほど死んでる(?)わけで、多くの志士は死を賭して奔走していたわけだ。何がそんなに彼らを駆り立てたのか? 道のりはなぜそんなにも困難だったのか? そこを描いてこそ、薩長同盟にしろ船中八策にしろ盛り上がるんだろうけど、大河という長いスパンがあってもそれはできないんだねえ。幕府、薩・長・土などの雄藩、朝廷、フランスやイギリス。複雑怪奇だもんなあ。
「蛤御門で親兄弟を殺された恨み!」とか言って、料亭で刀を抜いてにらみ合う薩長。とかいう描写があったけど、うん、それはそうなんだろうけど・・・。これが精一杯どころか、これでもやりすぎなくらいなんだろうね。
だって視聴率ガタ落ちの昨今。まあ、大河に限らずお盆の視聴率は低いものだし、大河ドラマは夏以降、視聴率は下がっていくものだ。それにしても13%って、どうかしたら篤姫の半分。
やっぱり大河の視聴率を押し上げるのは、歴史好きというよりメロドラマ好きの層なんだろうな。薩長同盟だとか寺田屋騒動だとかじゃなくて、夫婦愛とか主従愛とか仲間愛とかが直球で語られるほうが訴求力がある、ということ。ま、私はメロドラマ好きなほうだが。
メロドラマ好きだけど歴史には全然興味なし、という人をどう取り込むか?ってところに、視聴率的に大河が成功するかどうかの鍵があって、NHKが視聴率を追求するならば、歴史オタク的見地からの萌えどころは少なくなる、と・・・。
さしあたって、『龍馬伝』の視聴率アップのためには、喫緊に武田鉄矢を再登場させることだな! 中高年にアピールするものが少なすぎる。そういえば弥太郎。副主人公の立場はいったい?! 始まる前は「坂本龍馬を経済的観点から描く」なんて言ってた気がするけど、確かにグラバーは出てきたけども。香川さんのよそでの仕事が多すぎるがゆえ、計画は頓挫したのかしら?!