我ガ煩悩、滅散セズ

出産を経ても、我が胸に巣喰う煩悩は去りません。

7月29日放送の『ゲゲゲの女房』。ついに「悪魔くん」がテレビ化され、登場人物総出で歓喜するという、ここでこんな大団円もってきちゃって最終回はどうするんだろう、と余計な心配まで出てくるような回だった。戦友とでもいうべき戌井(梶原善)、糟糠の妻ふみえさんと、それぞれ静かにしかし力のこもった喜びの笑みを交わす茂さん。彼の万感こもった表情が大写しになるのを見て、水木しげるの長かりし辛抱の日々ばかりでなく、向井理さんとのこれまでについても思いを馳せてしまった。ええ、向井理さんと“私の”これまでについてである。もちろんテレビを通して一方的に見てるだけの日々ですがなにか?

初めて彼をいいなと思ったのは、蒼井優主演『おせん』の板前役だったなとか、『のだめ』ではエリートぽいバイオリニストかなんかだったよなとか、『任侠ヘルパー』になぜか初回だけ、草なぎ君配下のチンピラみたいな役で出てたなとか。とにかく、細かい役でも連投に次ぐ連投のここ二、三年で、今や朝ドラと民放連ドラをかけもちする売れっ子、来年はついに大河かぁ、、、なんて。しみじみしちゃうってもんです。(ええ、私の中で、大河の大役はかなりの到達点と位置づけられていますがなにか?)

再来年の大河『平清盛』の話を昨日に引き続きすると、主役が小栗旬として、妻・時子はどうなるんだ?とか。このままいくと最有力候補は松下奈緒なんだろうか。満をじして長澤まさみか。綾瀬はるか、、、やらないよな大河。仲間由紀恵ってのだけは勘弁してほしいな、とか。黒木メイサは時子には美人すぎるんで建春門院滋子のほうがいいな、とか。祇園女御中谷美紀来い!とか。

実家にいる間に三度見たVS嵐。自宅で嵐にしやがれも見た(小栗旬がゲストだった)。見ているだけで楽しく幸せな気分にしてくれる、これぞスター。長谷部と阿部を見てもサッカー日本代表と気づかない大野くんとか恥ずかしそうにシャドースパーリングをする相葉くんとか、嵐全員好きだ! でも、見れば見るほど二宮くんが一番好きだー!

先週くらいから読書も再開。実家にいて親に家事をしてもらっていても、一日のうちわずかしか時間はないけどね。産前に買ってとっておいた、サニーデイサービス曽我部恵一の『昨日・今日・明日』すごく良かった。心の霧が晴れるような本。好きなものを好きと言い続けて生きたいと思った。続いて今日読みはじめたのは、三浦しをんのエッセイ『桃色トワイライト』。相変わらずのしをん節炸裂。好きなものを好きと言い続けて生きたいと思う(笑)。なにゆえ(笑)なのかというニュアンスはわかる人だけわかってください(笑)。

育児についても絶賛記録中の私のほぼ日手帳、昨日7月29日のページに忘れないよう以前から書いておいたのは、『海老蔵結婚式!』。豪華披露宴の放送は夫に頼んでHD録画予約しといてもらったが、結局実家で見た。ふたりの馴れ初めとか新婚生活については割とどーでもよくて、見たいのは歌舞伎界の面々をはじめとする招待客の様子と、どんなトンデモ演出がなされるかってこと。亀治郎さん、松たか子の隣に座ってたー! 瀬戸内寂聴、出家の身とは思えぬ子作りへの踏み込みっぷりはさすが! 中村玉緒でさえ手料理のことしか聞かんかったのに、、、。

つらつら書いてると、まあ我ながらくだらないなとも思うんだけど、しかし煩悩あっての人生だよ。スピッツも歌っている。『くだらない話で安らげる僕らは その愚かさこそが何よりの宝物』(愛のことば)と。

二週間くらいでおさまったからまさに出産に伴うホルモンバランスの激変によるものだったんだろうが、一時的に煩悩が退散していたあいだ、つらかったもん。いちおテレビ欄とか見て「あー、W杯特集だ」とか思うんだけど、親に世話になりながら子供の世話をしてる私に、そんな娯楽、味わう資格ないよなーと限りなく後ろ向きになったり。それが高じると、世の中のいろんな情報自体、シャットアウトしたくなるのね。どーせ私には関係ない、て感じに。

もちろん、子煩悩っていう言葉があるくらいだから、子供の存在そのものが煩悩の対象なんだけどさ。それが全煩悩のうち占める割合100パーセントってのも、かえって怖い気するし。資産運用の際に預金と株式と債券で分けるように、雑多な煩悩にはリスクヘッジ作用があるんじゃないかしら。なんて、もっともらしく書いてみるけど、つまるところ、数々の煩悩にとらわれ、あっちこっちできゃいきゃい言うてる私なのです。