文月の五

●7月某日: 早起きして朝仕事の前に自分の仕事。日中もがんばった(当社比)。ストレッチやらアイマスクやらして鈍い頭痛を緩和する。今夜は家族で外食の予定だが、最近17時ごろには風呂に入っているので、サクに夕方「今日も夜ごはんの前にお風呂入る?」と聞くと、「かえってから はいる。あしたおやすみやけん、はやく はいらんでもいい」と理路整然とした回答であった。



そうだね、びしょぬれが楽しいんだよね。うん、知ってる…。半年ほど前に近所にできたカジュアルな居酒屋、夫はあまり興味を示していなかったが、以前ママ友たちと別店舗に行ったことのある私はコスパの面でおすすめだったのだ。子どもにも優しくコスパもやっぱりよかった。夫もかなり好感触だったもよう。帰ってサクを寝かせてから眠い目をこすりつつ二次会。週末だー

 

●7月某日: 早起きして朝ラン。7時半ごろから。ほんと、夏ランは早朝に限るよね。山笠の期間中なので櫛田神社へ。今日は曇りで気温もやや低めだけど、不快指数はしっかりですさまじい汗をかいた。途中歩き歩き、8キロほど。

帰ると、夫とサクがすごいプラレール&トミカ&ブロックタウンを作っている。誕生日にあげるねと約束していたお小遣いをサクにあげたら、さっそくひとりで買い物(徒歩2,3分の場所にあるコンビニ)に行きたいという。はたして、買ってきたのはなんと、「緑のたぬき」だった。今度食べたいらしい。うん、いいけど(笑)。

来週の「お泊り保育」の準備をはりきって始めるサク。夜、夫は幼稚園の仕事会。が、出かける前に夜ごはんを作ってくれる。お母さんか! ということで、豚テキ(キャベツ&もやし炒め)、きびなご揚げ、きゅうりと春雨の酢の物など美味しい夜ごはんを子どもと一緒にいただきました。サクの好きな「よつばと!」を一緒に読んでいた(サクが主人公よつばの、私がそれ以外の人物のセリフを読む)んだけど、1章読み終わるとサク「すっごくねむいー」おお、おお、早く寝なさい。帰宅後の夫と飲む。

  

よつばと!(5) (電撃コミックス)

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『真田丸』 第38話 「昌幸」

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超高速!関が原に負けず劣らずの驚き、超高速!九度山ライフ(前編)であった。あっという間に10年経っちゃった。でも見てすごい納得。なんたって昌幸はこのドラマの開始当初から牽引し続けてきた存在。真田丸の父であり、ヒーローである。ろくでもなくても愛すべきそんな彼が弱っていく姿を微に入り細を穿って見せられるのも悲しいし、でも彼の九度山での年月では無実さを描かなければならないし(昌幸のためにも、信繁のためにも)、ってことでリフレインと変化でスピーディに見せたのはなるほどな、と。

九度山の人々が野の人らしい風貌や格好になっていくが、信之らはより大名家らしく、しかも「戦国は終わり江戸時代になったんだな」って感じの、こざっぱりと折り目正しい装いになっていく。三十郎や茂誠までそろって、月代も剃っていたね。月日と共にグラデーションしていく服装や髪型、老けメイクなどの変化が面白い。紛争も演じるのも、けっこう大変だっただろうなあ。

昌幸の最晩年をもっと重苦しく描くのではないかと思っていたけど、三谷さんのバランス感覚が発揮されてた。悲哀も無念もありつつ、親父ほんと変わんねーなって思わせて、そして「兵は塊に非ず」。なんか、ものすご良いことを言ったようだけど、「塊じゃなくて一人一人なんだから、一人一人をうまく扱い転がして口八丁手八丁で自分の思い通りにしろよ」って話ですよね(笑)。家康のたぎるような憎悪になんかちっとも思い至らない、あくまで自分本位な昌幸でした。そこがいい。

今回の放送に先立ってNHKでミニPR番組「さらば昌幸」を放送してたの見たけど、これがすごく面白くてね。くじ引きを作って引かせたり、もちを引きちぎって並べたり、鎧の後ろからこっそり登場したり瓜売りに身をやつしたり、美しい花魁を転がし再会した娘を抱きしめ、大言壮語し、馬上で号令をかけ、親子で並んでガッツポーズ、一人で雄たけび上げてガッツポーズ・・・いやはや、こんなにもバラエティに富んだ姿を見せてくれてたのねパパン、って思いました。

草刈正雄の端正なルックスを野卑で表裏比興な田舎武将に見せた脚本演出、そして信玄を追って背を倒していくラストシーンに至るまでの演者の演技、けれん味を堪能しました。草刈さん本人も自分の代表作、みたいなこと言ってる。真田丸に出てる役者は口々にそう言うね。江雪斎の山西さんやら、秀次の新納さんやら。真田丸すごいね。

昌幸が失意のうちに年を重ねた10年間で、秀頼は輝くばかりの若武者に育ったんだなあ。大河ドラマにおける中川大志の大物オーラ感は頼朝少年のときよりさらに増していた! 対面で秀吉のテーマBGMが流れたとき、痺れたよねー!

そして家康もまた、10年、年をとってるんだよね。家康も本多佐渡も老けメイクすごい。2人ともが、対面直後に豊臣を滅ぼすことを決めたっていう流れね。昌幸に対しては、恨み(家康)と哀れみ(本多佐渡)で割れてた2人が、秀頼については「滅ぼす」と言葉に出すまでもなく一瞬で完全な意見の一致をみている。自分たちの脅威になりうる者についての容赦なさ。

本多平八郎、加藤清正が退場。どちらも良いキャラだった。新井浩文は今後さらに大きな役をNHKでやりそうだな。清正は頓死に近い描かれ方だったが、これはかつて小姓を井戸に放り込んで殺したことと呼応してるんだろうな。

先週は女たちの悲しみをとっぷりと描いていたので、今週の元気な女たちにはホッとする思いだった。長澤まさみのコメディエンヌぶりが最高。今回、妙に老け感も出してきてたけど(腰が重そうな)、きりはもう出産に適した年齢を過ぎているということだろうか。それにしても「あんたは私と違って垢ぬけてないけど源次郎はそういう人が好みだから自信をもってがんばって」って正室に向かってぬけぬけとぬかす側室ですらない女って前代未聞だな! 春ちゃんもおそろしいがやっぱりきりの無尽蔵のパワーの前には霞む。

で、これまで変わらず若く、つるんとしていた源次郎の顔が、ここへ来てついに浅黒く、ざらついてきた。いいぞいいぞ! あと12話、連続ドラマでいったらまるまる1クール分、ついに信繁(=幸の字をもらって幸村になる!!きっと!!)が主人公になるんだなあ。

昌幸の死を知った家康はどういう反応をするのだろうか。

 

 

文月の四 / 大人のためのストーリーテリング・絵本三昧

●7月某日: 良く寝たので目覚めがいいですね。しかし朝から暑いな。幼稚園の門に最近、小さな門番さん(年少さん)がいて、自分のタイミングで開けてくれるのだが、今日はなっかなか開けてくれなくて、朝とはいえ炎天下で5分くらい待った私たち・・・。ちょうど待ち組が年長さんたち&給食の先生で、誰も「早くあけろー!」と言わなかったというw 

で、慌てて保護者会のお金を払ってから、急いで待ち合わせ場所へ~今日はなぜか、某M幼稚園のお母さんたちの茶話会に参加するのだ(笑)。そこは、どんぐり文庫の梶田さんが不定期(?)で先生として入っていて、そして「ママじゃな」相方ちひろちゃんの娘ちゃんが通っている幼稚園。

梶田さんともう1人の先生で「大人のためのストーリーテリング&茶話会」があると聞いて、「いいなーうらやましいなー」と言っていたらちひろちゃんには「いいよいいよおいでよ!」と名簿に名を入れられ、梶田さんには「車に乗せて行くから一緒に行きましょう」と言ってもらったので、厚かましくもホイホイお邪魔したのだった。よその幼稚園なんて入る機会ないから、おら、ワクワクが止まらない!(@なつかしい「あまちゃん」) 













2人の先生が、集まったお母さんたちに向かって語ってくれた。「おいしいおかゆ」「小石投げの名人タオ・カム」「ひなどりとネコ」「おおかみの眉毛」 こういうのって、文字で読むより語ってもらった方が面白いんだよね。と最近思う。

で、帰りのバスの中に手提げバッグ忘れた。割とすぐ気づいてその場から忘れ物センターに電話した。まぁ、当然ながらまだ届け出はなかったんだけど、「中身は何を?」と問われ「水筒と、めがね(サングラス)と、手帳・・・」と答えながら手帳は痛いなーと思ったんだけど、家に着いたら手帳があった。そもそも手提げバッグに手帳を入れ忘れていたのだった(笑)。忘れ物番長ばんざい。

夕方もう一度電話すると、見つかりました。わーい。夜ごはんは、鶏の唐揚げ、きびなご揚げ、肉じゃがの残り、きゅうりとパプリカ。夫は飲み会。歓送迎会の季節。

 

●7月某日:再びお弁当当番。出産後まだ間もないお母さんに代わって、クラスの有志(下に小さい子がいない、などのね)で交替でお弁当係をやっている。ということで今日のサク弁&ちーちゃん弁。ちりめんごはん、鶏唐揚げ、卵焼き、チーズキャンディ(しゅうまいの皮包み揚げ)、ピーマンのきんぴら、蒸しさつまいも&蒸しニンジン。代理弁当作り、先週は男の子のだったけど、今日は女子弁。といって特に内容が変わるわけではありません(笑)。

さてサクを送った足で昨日の忘れ物を取りにだな・・・。西鉄バスの某営業所。我が家からはけっこう遠いわよ。でも見つかって本当によかった。水筒もサングラスも、手提げバッグ自体も、実はたまたま買って半年以内のものだったのだ。全部きれいに帰って来る日本はやっぱりまだいい国かもしれない。

今日は降園後、幼稚園の「文庫貸出」の日。のあと、恒例の「お母さんによる絵本読み聞かせ」を今日は私が担当。今日は「まる さんかく ぞう」と「ばばばーちゃんのアイスパーティ」の2冊にした。「まる さんかく ぞう」でもけっこう笑いが起きてうれしい私。すごく好きなんだよねこの絵本。アイスパーティ読み終わったあと「みんなもおうちでやってみてね~」と言うと「うん!」「やるー」に混じって、「やらん!」「やらん!」と数人が即答。その、間髪入れない反応は絵本の世界に入り込んでいた証拠だと私は知っている、ふふふ。絵本を見てる子どもたちの顔、かわいい。 

まるさんかくぞう

まるさんかくぞう

 

 

ばばばあちゃんのアイス・パーティ (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)

ばばばあちゃんのアイス・パーティ (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)

 

 

 で、1回帰って、今度は梶田さんのどんぐり文庫へ、もっともっと上手な読み聞かせと語り聞かせを聞きに行く(笑)。語り聞かせ「エパミナンダス」にサク、「あれめっちゃおもしろかったやん?」 どんちゃんとぐりちゃんの手遊びも、梶田さんがやるとむちゃくちゃおっかしいのだ。絵本5冊くらい借りる。夜ごはんは、アジの南蛮漬け、豚と野菜の重ね蒸し、きゅうり。

 

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文月の三 / 誕生日

●7月某日: 7月になるかならないかのころから、「もうすぐ6さいやん、もうすぐ」と指折り楽しみにしていたサクだが、この日、起きると、ボーッとテレビ見てる。いつ気づくかなーどんな反応かなーとわくわく観察していたら、夫と意思疎通ができてなくて「さく、今日は何の日だっけ?」と促しちまった、ちっ。はっ!と息を飲んだ様子のサク。「そうだったー!」

(翌日のツイートより)。






今日は近所のママ(お腹が大きい)の子も一緒に連れて、うち歩いて幼稚園まで行ったんだけど、8時ならまだ日陰に入ればいける。ただ、日なたのアスファルトは既に地獄的様相である。子どもたちは随時走りながら行くので、意外にも早く25分ほどで着いた。いやしかし既に30度近かったと思うわ。

午後は一泊保育の説明会。かろうじてエアコンがついている部屋でやってたんだけど、全然効かないわ・・・暑いわ・・・でも一昨年の当該行事の写真を大きなテレビで見ながらの説明会は親もドキドキワクワクな気分。そのまま降園となったが、子どもたちはそのまま園庭で遊び・・・暑いわ。そして友だちの家に遊びに行くと言う。「歩いて行かないかんよ。いいと?」「いいよ!」暑くないんかね…。もちろんママは、いったん帰って夕方また迎えに行くというお仕事。暑いよ、夕方でも・・・。なのにそのまま公園で遊び始める子どもたち。体力お化けか。

何とか促して、予約していたケーキを受け取って帰る。夫も早く帰ってきた。誕生日&結婚記念日の夜ごはんは、メインは握り! ばーんと寿司桶に入った奴をとりました。ほか、しゅうまいの皮カップのポテサラ、しゅうまいの皮で包んで揚げたチーズキャンディ、ミニアメリカンドッグ、お野菜の酢漬け&生野菜。スパークリングワイン。プレゼントはかわいいラジコンカー。意外だったようだが、かなり気に入ったようで何より。平日なので弾けきったらいかんよね、と、そこそこで子どもを寝かしつけることにしたのですが案の定と言いますか自分が高速で寝ました。

 

 

文月の二

●7月某日: すごい寝た。10時間以上寝た! でも、なーんか体がダルくて、鈍い頭痛がある。この2,3日、本格的にエアコン生活に入ったからだと思う。暑さとエアコン。つけ始めの時期は毎年こうなる。早く慣れるんだ、体。

さて、夫は午前中、幼稚園に行って夏祭りのお父さん仕事会。「尋常じゃなく暑かった」と言っていた。ごくろうさまです。子どもたちは毎日そこで過ごしています(笑)。その帰りにそのまま拾ってもらってキャナルシティ博多へ。サク、車から降りると「ちゅうしゃじょうなのに、もうたのしい~」と言う。気持ちをこんなふうに素直に言葉にするのが、幼児のかわいさよね。

キャナル、人いっぱいいる(当たり前か)。サクの希望で昼ごはんはポムの樹でオムライス。20分くらい待ったかな、モチベーションの上がったサクはSSサイズとはいえ(けっこう大きいのよ)ほぼ全部食べていた。ぷーらぷら1時間半くらいお店を見回って買い物したりして、帰ると布団が死んでいた。うん、そうだよね、けっこう激しい通り雨、何度か来たもんね。いちお庇のあるとこに干してたんだけど、激しく降り込んだんだね…。夜ごはんは、ほっけ、味噌汁、アボカド&トマト、ひじき煮。

 

●7月某日: サク弁。肉巻きカツ、卵焼き、ポテサラ、きゅうり、肉じゃが。朝から暑い。暑すぎる。弁当にも保冷剤をつけているが、登園する15分かそこらで溶けて終わっているであろう…。園で子どもたちが過ごす部屋、カバン(弁当)を置く部屋には、エアコンがない。毎年これでやってて食中毒が出たという話も聞かないけど・・・心配だ。

サクを送って帰宅してから、風が入らないでもなかったのでエアコンはつけず扇風機や保冷剤をアイスノン代わりに過ごしていたら、正午前くらいに「あ、やばいかも」ていう感覚があったので急いでエアコンをつけて風にあたりながら横になった。

14時、迎えに行く時間の自転車での15分弱も暑くて暑くて、着いたら子どもは暑い園庭で遊んでいて日陰で待っていても暑くて、そこからアスファルトの道を歩いて帰る30分暑くて・・・。遊びに来た子もまとめて、うちに着くや風呂場に直行させて水浴びさせる。子どもたち、しばらくそのまま水遊び。風呂場って怪我には注意せないかんけど、暑いときはほんと水遊びが一番よね・・・。で、16時半ごろ送りがてら外に出たらまだ暑い。子どもたちもうひと遊びするし、ほんと暑くて・・・。去年が冷夏ぎみだったのもあってか、ほんとこたえる。夜ごはんは、タコライス、野菜の酢漬け、ポテサラ。暑さ疲れで、正直、料理がんばる気分では全然ない。

 

『とと姉ちゃん』 第24週 「常子、小さな幸せを大事にする」

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文月の一

●7月某日: サクを送り、いったん帰った後、10時半に再び幼稚園。4-6月の誕生日会で、お母さん劇団がペープサートを上演。









降園後も園庭で遊び続ける。ふいに、ゲリラ的なすごい雨が降り出した。「ベランダ」と呼んでいる、教室から出たところ簀の子のエリアで縄跳びをつないで飛び越えたりして遊んでいた子どもたち、「わーっ」と園庭に繰り出す。傘もなく、裸足で。サクが一番に行ったかも・・・。「雨の中には飛び出す」ってプログラミングされてるような迷いのなさに感心したよ……。ザーザー降る中でうひゃーって歓喜して走り回ってる。しばらくするとサッとやみ、またしばらくしてザーザー降り出すと飛び出していく。君たち・・・疲れないのかい。

最後にはぜーんぶ脱いで、自分たちで体を拭いて、バッグにかろうじて残っていた替えの服に着替えて、やっとこさ帰宅。とはいえそのときも降っていたので私もびしょぬれ、16時だったけどそのままサクと風呂場に直行した。お母さん疲れたよ・・・・。

そんな今夜は、夫が早く帰るので料理を手伝うよと言ってくれていたのだ(うるうる)。手羽先の甘辛煮をやってくれたので、きゅうり・パプリカ・真玉ねぎ・カニカマのサラダと、作り置きのアジ南蛮やなんかで夜ごはん。ぴったんこカンカンに片桐仁。センスの人、アートの人だわー。サクが寝てから、昨日のババ嵐をもう1回見た。夫が決勝戦しか見てなかったから・・・と言いつつ決勝戦も含めて最初から最後まで見ました。

 

●7月某日: 早朝、隣の部屋から、低めのテレビ音声(スポーツ中継)と時折「よっしゃ!」とか「あーっっ」とかいう夫の声。サッカーの試合(ユーロ?)を見ているらしい。楽しそうな気配を感じながら二度寝に落ちる。

サクは朝ごはんを食べるやダンボールをじょきじょき切って組み立てて何かを作り始める。途中、少し夫が手伝って、三角屋根のテントが出来上がった。「つぎは、かざりつけ!」とか言ってまだまだごそごそやってる。内側に、「でんき」とか「すいどう」とかが備え付けられていたw 午後は夫と買い物&虫捕りに。途中、一度帰ってきたのは昨日と同様、通り雨が来たかららしいんだけど、昨日と同様、サクは「おれ、あめふってもだいじょうぶ!」と飄々としてた。

夜ごはんは、昨日の手羽先で唐揚げ、豚のしそチーズ巻きカツ、野菜いろいろサラダ、オクラ乗せ冷奴・・・な食卓を夫が整えてくれました。めちゃおいしい。ビールもワインもおいしい。そして今日は年に一度の、日テレ音楽特番でジャニーズシャッフルメドレー! 録画して2回見て、サクを寝かしつけながら光の速さで寝る。

 

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『真田丸』 第37話 「信之」

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斜めからのカットが印象に残る回だった。関ケ原での治部たちの敗北を知らされるも、昌幸はそう簡単に事の終わりを受け容れられない。あちこちに夜襲をかけたりと小競りあいを続けるのを信繁に説得されてへたり込む濡れ縁、兜姿の昌幸を斜め上から撮る。手負いの獣のような表情からガルルルルと唸り声が聞こえてきそう。

父と弟の命乞いに向かう信幸。稲が険しい顔で心配を見せるだけで安易に賛成も反対も言わない。元来この人は饒舌じゃないんだろうけど、嫁いできた当初はまだ子どもだったのが、大名の妻として成熟したんだなーというのがよくわかる。稲の後ろにはおこうが控えていて、3人ともそれがもう当然のように振る舞っているのも、この人たちの形ができあがってるんだなーと思う。

そこにやってきた本多平八郎(いつのまにか中務という官位を得た模様)。娘の顔を見て愛でるのもそこそこに、婿と共に上洛する。どんなふうに助命嘆願するのかと思いきや、信幸と共に城に籠もって徳川と戦うとは!! 熱いぜおっさん!!!(これは巷説ですか?それとも真田太平記へのオマージュかな?)

次から次へと白眉といえるシーンが続いた37回でも、この助命嘆願のシーンが一番こころに残っている。痺れた。「真田親子を殺すなら殿と戦う」という平八郎に駆け引きはないんだよね、本気しかない。もちろん徳川に勝てるわけないのは平八郎自身にもわかっていても戦うという、鎧兜も刀もないけどここはいきなり平八郎の戦場になったんだよな。そういう裂ぱくの気合を感じさせる藤岡弘のいい演技だった。

家康が出て行ったあと力が抜けて、「初めて殿に歯向かった・・・初めて・・・」と、これほどのもののふが声を震わせるのがまた、よかった。真田ふぜいが失礼なと信幸を切ろうとした平八郎が、掌中の珠の愛娘を家康の言いつけでなくなく信幸に嫁に出した平八郎が、いま信幸のために初めて家康に盾ついたんだよね。自分でも自分の心がわかんなかっただろうね。もともと忠義や孝行を重んじる人間だけど、そこまでした自分に。

こちらも決死の覚悟で家康に頼み込む信幸の血走った目、強張った表情が、家康の「命まではとらん」の一言で情けないまでに解けていくのがすごくて。力の入った演技に打たれていたら、幸の字を捨てよと言われてまたすぐに、衝撃で胸潰れるような表情になり、それでもぐっと堪えて平伏する信幸に惚れるしかない! 犬伏の別れに続き、たまらない名シーン! どーでもいいですがうちの母親が真田丸を見てて(といっても毎週欠かさず食い入るように見ているわけではない)大泉洋が大好きになったと言ってました。

このあと、家臣たちに向かって「信之」を披露するとき、その紙を真正面から写していて、片手で紙を持っている信幸の顔は斜めから映されているんだよね、このカットが非常に印象的で。芝居へた・小細工なし・良くも悪くも真っ正直な信幸が、犬伏の別れを経て名前を捨てさせられる、ここに至って修正できない深い屈折を抱えて生きていくんだなーと思わされました。「読みは変わらん。わしの意地じゃ」かっくいー!

で、家康なんだけど。






石田治部との内応は明らかだし、秀忠軍と直接的に戦ってるし、さらにこれまでさんざん煮え湯を飲まされてきたわけで、理屈として死罪はうなずけるんだよね。それを、助命嘆願されて命を助けたのは温情といってよさそう。でもたとえ死罪でも「当時の理屈」として粛々と・・・むしろ、どころかどこか胸を痛めながら行うのが家康だったはず。最晩年の秀吉に無理やり一筆書かせる時も、秀吉が死んだときだって彼の挙動には真心があった。昌幸に特別な遺恨があったとしても、わざわざ呼びつけてあんな言い草ってねえ・・・。そのときも、立って見下ろす家康を斜め下から撮ってたよね。超不穏なカットになってた。

平八郎が命を賭したとき、怒るでもなく退けるでもなく受け容れたのが家康の大器だけど、私にはどうも、あのときに家康の天下人としての嫌らしさみたいなのが思いきって表に出てきたように思えたなあ。人は自分に命を賭けて命乞いをする。自分はそれをどうにでもできる。命乞いを受けて恩を売っておいて、助けたように見せかけて生き地獄の苦しみを味わわせるってねぇ…。嗜虐。

それにしても、真田昌幸と本多忠勝はどちらも戦国のもののふだけど、対極で、表裏比興の者・昌幸が、忠義孝行一直線の忠勝によって命を救われる、けれどそれは家康によって与えられる死以上の苦しみだった・・・ってめちゃめちゃドラマだなあ。昌幸も忠勝も、どっちも大局観なんてないんだけど、純粋まっすぐな忠勝のほうが生き残るのは真っ当な結果のようでもあり、いつの時代もそんな純粋さは権力者によって利用されるのだという皮肉さのようでもあり。

降伏を受け容れたあと、存外取り乱すことなく、粛々と城やら妻やらを処していく昌幸にちょっと安心したんだけど、家康にあんなこと言われて今度こそガックリきちゃったかも、来週になったら案外ケロッとして九度山ライフをそこそこ楽しんでたらいいんだけどなー。って、来週もう死ぬんですか!? えええええー! 最近超ハードだったんで、意外にのん気な九度山ライフの回があるものと楽しみにしてたんですがー!

おそらく最後になるだろう、昌幸と薫のシーンがよかった。薫が夫に膝枕してもらってて、豪奢な着物を王朝絵巻のようにばーーっと広げて甘えてるんだけど、ここも斜めからのカットでどこか不安を煽るんだよね。怖かった、つらかったと訴える妻に、悪かったすまなかったと謝る夫。薫も可哀想だけど昌幸もなんか可哀想だったよ。良い夫婦で互いに愛おしむ気持ちはあっても、理解できない部分や言葉に出せない部分はどうしてもあって、一緒にいられなくなることもあるよなあと。黙っておいていく昌幸、泣きながら探す薫。熟年の苦い別れを描く三谷さんである。

関ヶ原の経緯ははしょりながらもダイジェストなりナレーションなりでやるのかと思っていたら、本当に治部と刑部の最期しかなかった!



満足して生をまっとうしていった者たちのあとに春やうたの悲嘆がある。信繁の死後のことをいやおうなく想像させられますよね。信繁は春に「刑部どののように生きたい」と言った。決して死が前提ではなくて生きたあとに死がくるのであって大事なのはどう生きたかなんだろうけど、でも遺される者たちにとって死はやはり重いものだ。

嘆き悲しむ女たちの一方で、きりとか松とか元気な女たちに救われる。元気すぎて昌幸や信繁に鬱陶しがられる松だけどw せいいっぱいの「いってらっしゃいませ」にぐっときた。そして信繁にあんなに虚仮にされながらも結局ついていってるきりちゃん。もう霧隠才蔵でいいよ! 大活躍してほしいよ!

あと、家康の前で上田城攻めを悔しがる気持ちを抑えられない秀忠って、家康の目にはむしろ成長として映ったんじゃないかと思った。覇気も機智もないと思っていた息子が初めて見せた自我。実際、秀忠にとって、あの城攻めはそういう機会になったのでは。「初陣で負けた者は一生いくさ下手で終わる」と昌幸は言ったけど、あそこでの手痛い経験ゆえに秀忠は覚醒したのかも。そして彼は戦をしない世の中を受け継いでいく。歴史の妙がいくつもいくつも脚本に織り込まれている。

 

 

水無月の十六 / 早起き会

●6月某日: お泊り保育に向けての「早起き会」。去年一昨年と年長さんがやるの見てたけど、今年は我が子たちの番なのねぇ。5時45分に起こそうと思ってたら、夫と意思疎通とれてなくて35分に夫がサクを起こした。気合十分のサクはすぐ起きる。朝食は幼稚園で食べるから、早く起きすぎると、やることないうえにお腹空いてきてかわいそうなんだよな(笑)。まあ、元気いっぱいに6時10分ごろ、夫と登園して行った。お友だちも拾っていきます。それにしても大雨だな。



変則的な5時間保育を経て、雨の中、子どもたち元気に降園。雨の合間を縫って、朝の散歩にも行ったとのこと(サク談)。早起き会の朝ごはんは、ごはん、みそしる、アジのみりん干し、きんぴらごぼう、わかめの酢の物(サク談)。子どもたちに朝ごはんを食べさせるということは、当然、先生たちがさらに早起きして作ってくれたということで、頭が下がります。

昼ごはんは、具はお好きなのをどうぞ~のオープンサンド。サクと折り紙したり地図見たり、午後も雨なので家の中で遊んだ。夜ごはんは餃子とかコールスローとかトマト。夫は飲み会。17時に風呂、18時に夜ごはん、19時半にふとんへ行って、ちょっとおしゃべりと絵本でおやすみなさい。

●6月某日: サク弁、ごはん、卵焼き、豚肉&ピーマン炒め、ひじき煮、コールスロー。弁当の水気に気を遣うシーズンになりました。








参観日に見た「いやいやえん」の読み聞かせの様子を話したら、梶田さん「幼稚園でそんなふうに文学の入り口まで連れて行ってもらえるのは、本当によい環境」とおっしゃった。梶田さんは本とともに子どもたちのことが本当に好きな方だー。エッセ(絵本作家)、写真家の星野道夫さんや宮崎学さん、作家の上橋菜穂子さん、彼女と対談した野生獣医師の齋藤慶輔さん。。。などなどのお話。ランチを食べ終わりコーヒーを飲み終わってもまだまだお話したいなーってときに「デザート、たのんじゃいましょうか」と言ってくださってとってもうれしかった。

お別れしたあと、サクの個人面談。先生、本当によく見てくれている。子どものいろんな面を把握して、それを良いところ悪いところと決めつけずに、多角的に見てくれている。夜ごはんは、カレーライス、きゅうり、トマトなど。

「vs嵐」でババ嵐。小池栄子、小沢仁志、山崎賢人、桐谷美玲など人選がよくてとても面白かった。前にスタパで東出さんが綾瀬はるか・井上真央を称して「優れた女と書いて女優」と言ってたけど、今日の小池さんや桐谷さんを見てても女優ってほんとみんなそうなんだろうと思った。最弱王は田村淳。

 

 

『よだかの片思い』 島本理生

 

よだかの片想い (集英社文庫)

よだかの片想い (集英社文庫)

 

 

すごく面白くて胸を打つ、恋愛小説であり青春小説でありビルドゥングスロマンだった!

生まれつき顔に大きなアザがあるアイコは、恋とも人間関係とも距離をとりながら大学院生になっている。冒頭では立て続けに、子ども時代からのアザのエピソードが語られる。

ある日、アイコは顔にアザや怪我のある人をテーマにした本の取材を受けることになる。思いがけず表紙に選ばれた自分の顔写真に、アイコは「自分自身」を見るが、それを見た両親や友人たち、教授の反応に、自分と他者との認識の大きな乖離を知る。

このあたりまでで約20ページと決して長くはないけれど、息をつめて読むような、かなり胸がふさがる序盤である。そこに、若い映画監督、飛坂が出てくる。彼は実在性が濃いような薄いような不思議な質感でアイコと物語に風穴を開け、あっというまにアイコの心を虜にする。タイトルの「よだか」はアイコであり(宮沢賢治の短編小説『よだかの星』が下敷きにあるのだろう)、飛坂はアイコを空高く飛ばせる存在であり、物語の進行とともに、徐々に彼自身がふわふわと飛んでいるような存在でもあることがわかってくる。

この飛坂が、幼いころから不条理に傷ついてきたアイコの心の防御を取り外させてしまうのがよくわかる魅力にあふれていて、私は20年くらい前にいくえみ綾が描いていた男性を思い出したのだが、それがこの物語の(あるいはこの作者の)ちょっとした古めかしさなのかもしれないけど普遍性にもつながってるんじゃないかと思った。

縮こまり心を閉ざしていたようなアイコが、飛坂と出会ってからは衒いない率直な振舞いを随所でするようになり、初めての恋に右往左往しながらも、折れないまっすぐな強さを見せるようになる。その姿を、「恋が彼女を生まれ変わらせた」のではなく、「恋によって彼女がそれまでの人生で築いてきた美点が顕れるようになった」と描いているのがすごくよかった。

両親や教授など周囲の大人も、数少ない昔からの友人や研究室の同僚たちも、それまでと少し違ったように見えるようになる。大人がこれまでより少し小さく見えたり、逆に大きく見えたり。何となく軽んじられている後輩の意外な芯を見たり。それらは、失望や、過度な憧憬にはつながらない。誰もが自分と同じ、傷ついたり迷ったりしながら生きている等身大の人間なのだと、自分も人も、フラットな地平に立っているのだという気づき。そのとき、アイコの目に飛坂はどう見えてくるか・・・

 


「多数派って、ほとんどが自分で考えて答えを選んでるんじゃなくて、右にならえの人たちですから。だから、ほら、ヒトラーみたいに口が上手い指導者が1人いたら、持っていかれちゃうんですよ。地球が回っているのだって、最初は誰も信じなかったし。だから、アイコ先輩の普通がなにを指すのかは知りませんけど、そんなに素晴らしいもんでもないと思いますよ」

 

 

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