『オリジナル寸劇 と「オイコノミア」大竹先生に学ぶ 社会×男女×経済学。』  メモ2

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●女性管理職(課長以上かな?)の割合。日本は11.3%。アメリカは44.7%。欧州諸国は3-4割。フィリピンは5割近くて、東南アジアは総じて高い。韓国は日本以下くらい。
(→中国のデータがないのが残念。かの国はそういうのを公開してないのか、それともいちお資本主義じゃないからそういう概念がないのか?)

 

◎では、なぜそのように、男女間で昇進格差があるのか? いろいろな面から考察されていました。

 ●経営者や管理職に女性を差別する感覚があるから

→競争社会において、差別観のある組織は淘汰されていくそうなので、だんだん減っていくはず。

●体力差による生産性の格差があるから

→機械化により縮小されてきたのでだんだん減っていくはず

●女性に不利な職務環境や慣行がある

→たとえば18時からの会議が常習化していれば、小さい子のいる女性には不利。
関連して、興味深いデータを紹介されていました。

●「個人の労働時間と昇進の関係」。男性は、昇進の度合いとその人の労働時間の長短に相関性はない。けれど、女性にはある。つまり、女性は長時間労働(残業など)をいとわない人が「意欲がある」「がんばっている」とみなされがちだということ。こ、これは、会社員時代の私もあてはまっていたやつ・・・!

●男女間の格差が大きい職業、小さい職業を職種業種で比べてみると・・・
 医者や研究者、いわゆる士業(弁護士とか社会福祉士とか)は格差が小さい。反対に、営業職などでは大きい。
締め切りがきつかったり、他人と一緒にやる必要があったり、優先順位や目標設定などの自由度がない、自分で意思決定できない職業は男女間の格差が大きい。
専門職など、自分でコントロールしやすい仕事では格差が小さい。

これ、すごくわかる! 私が「次に働くときは自分らしく働きたい」と思うのも、これが大いに関わっているのだと思った。私はかなり日本的な会社で10年近く働いたので、会社員がどういうものかよく知ってる。戻りたくないんだよね・・・。

●危険回避度や競争選好の男女差

離れたところからテニスボールを投げて箱に入れる、というゲームの報酬として、
 A:自分が入れた数だけ確実にもらえる
 B:知らない人と対戦して、勝てば高額がもらえる。負ければゼロ

 どちらのゲームをやりますか?と尋ねると、「A」を選ぶ人の割合が女性の方が多い。
つまり女性は男性より競争に消極的なので昇進意欲も薄い

これ、ここからがさらに面白いのです。
とあるゲームのため男性と女性の混合チームを作ると、ゲームの能力に関わらず、リーダーは男性が多くなるんだって。そして男性と対戦するとき女性の競争意欲は低め。しかし、女性同士での対戦となると、女性の競争意欲はグンとアップする!!(笑)

なぜ、女性は単純なゲームでさえ、リーダーを男性に譲るのか?
なぜ、女性は単純なゲームでさえ、男性には勝とうと思わないのか?
それ考えるのがとても重要だよね。

大竹さんは、「生物学的差ではない」と言ってた。世界に目を向ければ、女性の方が男性より強い少数民族もあるそうです。日本でも、女子の集団になると女子は強い。女子校の女子のように(笑)

だから、たとえば企業においても、

・男女をミックスるより意図的に女性だけの環境を作った方が女性は切磋琢磨する
・優秀な女性を採用したいと思ったら、「男女合わせて10人採用します」というより、「男女合わせて10人採用します。その中で、最低でも4人は女性を採ります」と「女性枠」をハッキリ打ち出したほうが、女性は心理的に応募しやすく感じる
などの現象があるらしいです。「環境を作る」という観点ね。面白い。 

 大竹さんの講演の前には、男女共同参画サポーターとアミカス職員さん達による男女共に関する寸劇があり、こちらも面白かった。雁瀬さんもご出演! 「私、さばけないから・・・」「自信がなくて・・・」みたいな、ご自身となかなかかけ離れた役柄を見事に演じてらして、おお女優だ~!と目をみはる私でした(笑)。声もすごくよく通るし、かわいかった~!!