師走の九 / 歌と合奏のクリスマス会

●12月某日: 近所の子と待ち合わせて一緒に徒歩で幼稚園に連れていく。早めに昼食をとって、かなりの雨の中徒歩で再び幼稚園へ、12時からクリスマス会の練習、お母さん劇団。よしもう完ぺきだ、これ以上は練習しない方がいい、ってことになって、最後の30分くらい円座でお茶飲んでおやつしてたw 

他学年のママさん(お母さん劇団での同僚生活は3年目)がかなりの活字好きだというのが最近分かり、主に小説を読んでる様子だしピアノも上手な人なので、私が2016年に読んだ数少ない小説の中から、自信をもって『ピエタ』をお薦めする。

サク、夕方、図鑑を見ながらハヤブサとかオオカンムリワシとかカリフォルニアコンドルとかいろいろ描いてる。色まで塗って、なかなかリアルなタッチ。

クリスマス会でやる合奏「トルコ行進曲」を歌いながら、いろんな楽器をパートごとにエアでやってみせたり。かなり細かくやるのがうける。何より一番面白いのは、指揮者の先生の真似。先生は、身振り手振りに言葉も交えながら細かく、そりゃもう一生懸命に指揮をするというか、こちらも楽器の演奏のマイムをし続けるのだ。それを、自分でトルコ行進曲のメロディーも歌いながら、真似をするサク、大忙し。

「おかあさん、クリスマスかい、たのしみ?」すごーく楽しみだよと力を込めていうと、「どれくらいたのしみ? おれはね、1まんパーセントくらい」だって。

 

●12月某日: クリスマス会だがあいにくの雨。8時、近所のママが4人の園児をまとめて乗せて行ってくれたんだけど、乗り込むとき、雨が突然ヒョウに変わってびっくり。一度家に戻って、8時45分、幼稚園近くのクラスの子の家で、お母さんたちの歌の練習。ピアニストでもあるFさんが、抑揚のつけ方やサビをアカペラで追加することなど提案してくれる。

9時半過ぎから幼稚園に移動し、45分にクリスマス会、開始。サクは私を見つけるまでにしばらくかかり、キョロキョロしてた。目が合うとニッコリして落ち着く。子どもってかわいくて切ない存在だなーとこういうとき思うよね。親が本当に大きな存在なんだよね、小さい子には。

暗幕を引いて真っ暗になった講堂の中、最初は年長児だけが壁に沿って並び、一人ひとつずつキャンドルを持って、先生に火をつけてもらう。みんな緊張した、でも誇らしげな表情。ピアノの「きよしこの夜」に合わせてお母さんたちがハミングする中、年中・年少児が入ってくる。普段の幼稚園とはまったく違う雰囲気に、緊張しつつ興奮してる面持ちの子が多い。

みんなそろったら歌詞入りできよしこの夜を歌い、年長児は自分のキャンドルの火を吹き消す。そのまま、年長児の歌。「はずむよ はずむよ」「羊飼いの娘」「たきぎとりの歌」そして「十二月の歌」。十二「つき」の歌、と読む。

もえろ もえろ あざやかに
夏は かっかと 照るだろう
冬は なるたけ あたたかく
春は やさしく 照るがよい
もえろ もえろ あかるくもえろ
きえないように どんどんもえろ
もえろ もえろ ぱちぱちと
つもった雪の 山がある
若木林の あちこちに
木の実が たくさん なるだろう
もえろ もえろ あかるくもえろ
きえないように どんどんもえろ

毎年、年長児がこの時期に歌っている歌で、すごく情熱的でかっこいい歌なのだ。ピアノ伴奏もダイナミック、ドラマチックで、サクも「あれがいいんだよね」と言っていた。

続いて年少さん、年中さんのかわいくて元気な歌や楽器遊び。一年ごとの子どもたちの成長を感じる。子どもたちの歌声や歌い方って、1年で全然違ってくるんだよね。子どもたちの出し物の最後はやはり年長児がしめくくり、合奏『トルコ行進曲』。原曲3分30秒のピアノ演奏をテープで流して、それに合わせて、鈴、トライアングル、タンバリン、木琴、小太鼓・中太鼓・大太鼓・シンバルの各楽器が演奏するんだけど、もーう傑作である! 子どもたちの様子はそれぞれさまざま。先生の指揮を食い入るように見て必死についていってるふうの子もいれば、確信をもってやってる子、ぽやーんとマイペースにやってる子など。サクは前日に自信があるふうなことを言ってたとおり、自分のパートはよく覚えている様子だが(「おれ、まちがえんよ。せんせいにも、もっきんさんじょうずねーっていわれた」)、割と緊張した面持ちだったような。

とにかく、いろんな表情、いろんな思いの子どもたち、みんなが集まっての、この合奏のこの音なのだなあととてもうれしく、面白く感じた。曲が終わったときの、子どもたちのホッとしたような、やってやったぞというような顔も良い。もちろん、万雷の拍手。

さて続いてはお母さんたちの歌。クラスごとに披露する。年少組は赤い服装で「おめでとうクリスマス」、年中組は白い服装で「踊ろう楽しいポーレチケ」、そして私たち年長組は緑の服装で「おぼろ月夜」。服装は、クラスごとに色みがそろっていて、でも思い思いのグラデーションがあって、舞台に上がるととても華やかさがあります。お母さんたちの歌声を聞けるのは1年でこのときだけ。この時間もとても好きだ。

そしてお母さん劇団による手袋ダンス「おもちゃのチャチャチャ」。手袋以外は演台に隠れているので子どもたちの表情は見えないけど、何度か歓声が上がる瞬間があり、見ていたお母さんたちからも面白かったと言ってもらった。夜、ビデオを見た座長さんから「神ってる!」とメールありw 

サクは帰宅後、「めっちゃおもしろかった! おかあさんはどこにおったと?」と聞いてきた。「前の段の真ん中だよ」と言うと、「ああ、ひとりだけこういううごきするとこあったよね」とやってみせる。他の動きもいろいろ正確に再現してた。よく見てる。「こういううごきのところ、みえないかべを さわってるみたいだった」とか具体的な感想も。

最後にサンタさんが来て、子どもたちにプレゼントを置いて行ってくれた。サクいわく「わかそうなサンタだったな」www

午後、サクとクッキーをたくさん作って焼く。彼はサンタさんにもらったコマ(紐でまわすやつ)に熱中。最初は全然回る気配がなく、すぐにあきらめるかと思いきや、おもしろい、おもしろいと集中し続け、ひもを巻くのも早くなり、ついに成功するとヒートアップ。1時間くらいやってたんやないかな。夜ごはんは、クリームシチュー、レタス、五目豆。献立に統一感とか問うてはならない。