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弥生の六 / 玉名温泉行き

●3月某日: 午前中、育児サークル。最近の地道(地味)な勧誘活動の成果があって、見学にいらした方がちらほらと。うれしい〜! むんずと腕をつかまえてもう離したくないけど(存続の危機なので・てか私も今月でサークル卒業なんだが笑)、ここで押したらダメなのよね〜と、ぐっと我慢。今日はお別れ会に子どもたちに授与する折り紙のメダルをみんなで作りつつ、まったり。なかなか良い雰囲気。終わった後、役員でお別れ会の打ち合わせの続き。子どもたちは自分たちで遊びまくっていて、サークルの時間終了後、1時間以上経って「さあ、帰ろうか」と促しても、「まだあそぶー」の嵐。

なんとかなだめすかして帰宅して、軽く昼ごはんを食べて家族3人で出発ー! これから温泉宿に一泊するのだ。「おんせん」という言葉や大きな荷物に、普通のお出かけにはないスペシャル感をおぼえるのか、テンションが上がりまくるサク。家を出るそばから、ずーーーーーっと喋りまくってる。そして車に乗って20分ほどで力尽きて寝る。わかりやすいはしゃぎ方がおかしい。今回の温泉郷は、玉名。もうちょっと先まで行ったら海老蔵に会えたかもしれん(彼は今、八千代座)。

16時半到着し、さっそく家族風呂に入る。車中で充電して再びテンションMAXになるサク。「ママ、おんせん はいっててね。サクちゃんと パパ、からだ あらうから」などなど、指示しまくり。湯上りのビールから、家族宴会に突入〜。意外にもお刺身がとても美味しかった。ここらへんだと、天草あたりから水揚げされてるんだろうか?と夫と話す。熊本名物の辛子蓮根、これマジでなかなかの辛さよね。それと同じお皿に添えられている「一文字ぐるぐる」という郷土料理がとてもおいしかった。「一文字」って小葱の種類のことなんだって。それをぐるぐる巻いた、ぬたみたいな料理。葱好きにはたまらん。牡蠣に衣をつけて揚げ出しにした料理もすごくおいしかった、こういう食べ方初めて。あと、熊本に来たからには馬刺しでしょう!!! 生姜とニンニクのすりおろし、それに小葱もたっぷり乗せて、いっただっきまーす!! そしてフフフ、黒毛和牛の鉄板焼きもつくコースにしてましたよ・・・太る気まんまんだもん・・・しかし、はー、ビールの入る隙も無いぐらい、おなかいっぱい(いえ、普通に飲んでるんですけどね)。

ぽんぽこりんのお腹で、恥ずかしながら大浴場へ。後半はひとりだったのでゆうゆうと入る。部屋に戻って、日本アカデミー賞授賞式を見ながら二次会。ビールと冷酒。サクはお絵かきと折り紙。紙飛行機作りまくり、飛ばしまくり。親の分も次々に作ってくれて、「せーの」で3人同時に飛ばすのだが、これが、どれも、ものすごくよく飛ぶ。折り方がうまくなってるんだな。真木よう子が助演と主演、Wで最優秀を受賞。終わってみれば「舟を編む」に個人賞が集まってた。監督、作品賞まで。夫、松田龍平にさかんに感心する。福山雅治のフォーマルな席の似合いっぷりが日本人離れしてる。最後まで見て、昏睡するように寝る。

●3月某日: アラームで起きて、朝風呂へ〜。玉名のお湯は無色、無臭で、まろやか。温度もぬるめ。朝は気温が下がって浴場全体が少し肌寒くもあるけど、のんびり浸かるのにちょうどよい。戻って、「ごちそうさん」をリアルタイムで。超ヘビーである。朝ごはん。ここで完全に食べすぎたと思う。調子に乗っておかわりしすぎた。子どもが残したものを食べすぎた。旅館の朝ごはんっておいしいし、おかずいっぱいあるから、ごはんがほしくなるんだよね…。

チェックアウトして、玉名の高瀬地区を散歩。風は冷たいけれどすばらしい晴天になった。小さな商店街には古い建物が多く、旅行者としては人気のなさにも味わいを感じる。小さな裏川には、いくつもの古い石橋がかかっている。中でももっとも大きいのが二重アーチの高瀬眼鏡橋。風格。天保年間(1832年)の架橋。水門を備えた一重アーチの秋丸眼鏡橋、欄干のない土戸橋もすごく良い。親水公園として整備されていて(しかも改築工事中で水がすべて抜いてあった)、江戸時代、重要な水運を担っていた面影はまったく見えないつくりになってしまっているのだけれど、川沿いには高い石垣を積み上げた護岸に覆われた家々がずらりと連なっているのが風情だった。かつてはすべて商家だったのだろう。家々の裏手から、すぐ川に降りられるよう、階段が備えてあって、ここから船の積み荷を揚げ降ろししたんだろうなと思わせる。一級河川たる菊池川は、川幅も大きいがものすごく広々とした河川敷をもち、遠くまで見はるかすとそれだけで心洗われるよう。そういえば、この付近も、西南戦争の激戦地のひとつなんだよな。

そしてまったく知らなかったのだけれど、旅館に備えてあったムック本によると、玉名は古代、大都市だったらしい。どれくらいの大きさかというと、太宰府に匹敵するほどなんですと! 日置氏とかかわりが深く、郡衙(役所)から郡倉に向かって、直線の広い郡衙道が2キロ近くも伸びていたことが発掘でわかっているらしい。郡衙郡衙道、そして郡倉、この3点セットが古代の大都市の要件のひとつであるらしく、それがすべて見つかっているのは熊本では玉名だけだし、全国的に見ても決して数多くないんですって。確かにこの平野、大きな川…古代から人が集まりそうである。

さて、その平野もやがて車窓から去って、味気ない高速へ。途中で降りて、鳥栖プレミアムアウトレットに寄って帰る。春のニット、ストール、インナーなどを購入。本当はシャツも目ぼしいのがあったんだけど、サクがもたなくて、その店まで戻るのを断念。確かに、子どもにとっては面白くない場所だよね、レゴショップ以外は。サクのTシャツも2枚、GAPで購入。夫は、ピンとくるものがなかった、と収穫なし。うんうんわかる、昔に比べてピンと来にくくなってるんだよね、都会を歩いたり、ショップを見て回ったりする機会が10年前よりうんと減ってるから、自分の中で「こういう恰好がしたい」「ああいうスタイルいいな」っていうイメージが浮かびにくくなっていて、アンテナが鈍ってるんだよね。だから私最近、買い物に行く前はどういう感じのものが欲しいか真剣に具体的にイメージするようにしてるんだー、と話すと、「そうかもしれない…」と、うなだれつつ、妙に納得していた。