遠回りしてくれる夫

ここ数日、魚に特化した食事を続けていたところ、肉食の血がふつふつと騒ぎ出した。

『鶏の唐揚が食べたい。でも、スーパーのお惣菜とかは嫌なんだよねー。どう思う?
 他になんでも、食べたいものあったら言ってみてよ。
 とはいえ、私、今日も残業だけどさ。』

夫にメールすると、

『俺のほうが早く帰れそうだから、ケンタッキーで良ければ買っとくけど』

という返事。きゃああケンタッキー! 久しぶり!

うっ、そんなつもりで言ったんじゃないのに、やっぱり声なき声が聞こえましたか?
ごめんねえええ、今日は君の誕生日なのに!!!
言ってみれば小さな遠回り、小さな労力なんだけど、そういうのを嫌がるそぶりなくやってくれるってすごい。
自分がかなりのめんどくさがりなので、夫のこういうとこに、必要以上に感動してしまうのか?
いや、やっぱりきっと、一緒に暮らす仲だからこそ、こういう思いやり、小さな手間を惜しまないでくれるって、ほんとにうれしいものだと思う。

「この1年、きっといいことがあるよ! 神さまが君を見てる!」
1ピースずつを買うために、わざわざ天神に寄って帰ってくれた夫に、心の底から力いっぱい祝辞を述べた。

買っといたプレゼントを、「これで勘弁してくだせえ!!」的に頭を下げながら渡すと、無邪気に喜ぶ夫。かわええ奴じゃのう。かわええのう。