神無月の八 / 5歳児のクワガタ葬送記

●10月某日: さあ、今週の幼稚園の始まり! と思ったらもう木曜日なんだが。サク弁、ごはん、親子丼の具の残り(鶏肉・玉ねぎ・しめじ煮の卵とじって感じ)、しらたき、ちくわ、にんじん&さつまいも煮。緑がないなー。

今日は降園時に幼稚園の文庫から絵本を借りられる日。Tちゃんママと2人でクラスの貸し出し当番。こういう形で子どもたちと関わるのもとても面白い。みんなそれぞれだし、成長もしてる。で、子どもってこういう、「幼稚園のことにママがかかわる」のを喜ぶもので、サク、ものすごい変顔でおどけながら絵本の部屋に登場する。スーパーに寄って帰り、ちょっとおやつを食べてから、別方向への買い物、そして、3日前に死んだクワガタを埋めに行く。

図鑑やEテレ等で「夏が終わると死ぬ」という知識を持っていたのもあり、前夜に危篤(?)になって「なんか様子が変だね」って感じだったのもあり、朝起きて死んでしまっていたときは、何度も虫かごをのぞいて動かないのを確認こそすれ、取り乱したりはしなかったサク。埋めに行くことも素直に受け入れて、近くの公園の大きな木の根元の土をスコップで一緒に掘る(けっこう土が固くて苦労した)。

生きているときは怖くてつつく程度しかできなかったサクだが、もう動かないことがわかっているから、初めて自分の手のひらに乗せてしっかり触っていた。私が穴の中に入れて、土をかぶせ始めると

「クワちゃん、かわいそう・・・」

と言う。続いて

「なんか、なきそうになってきた・・・」

その、小さい弱弱しい声を聞いて、私ももらい泣きというか、ぐっときてしまう。クワちゃんの在りし日の勇姿(笑)を思い出したのもあり、従兄からもらってすごく喜んだり、しょっちゅう虫かごをのぞいて居場所やエサをチェックし、友だちに自慢げに見せたりしていたサクの姿がバーッと脳裏を駆け巡ったのもあり(笑)。

それにしても、死んで動かなくなったそのときではなく、こうして葬送(笑)してやるときにサクの感情が昂ぶったのはとても人間らしい心の動きだなと思った。虫かごの土も全部お墓に盛ってあげて、石や葉っぱを乗せて、「さあ帰ろうか」と声をかけても

「クワちゃん、ここでだいじょうぶかな・・・」

と心配げ。「大丈夫。また公園に来た時に見に来よう」と請け合って、ママチャリで帰る道すがら、後ろのかごからシクシクと小さな嗚咽が聞こえる。それでも

「むしかご、どうするの?」
「あまった こんちゅうゼリーは?」

とかいろいろ尋ねて気を紛らわせて(?)いたようだが、家にたどりついて私が「サク、悲しかったね。泣いていいんだよ」と言うと、みるみる顔を歪めて、うわーーーーんと私に抱きついて号泣しだした。私も再びもらい泣き。

私 「クワちゃんのこと大好きだったもんね」 
サク「うん。だってクワちゃん、かっこよかったしつよかったし・・・」 

ひとしきり泣くと落ち着いたようで、赤い目のまま、100均で買ったばかりの虫メガネでいろんなものを覗いて遊び出してた。そういう立ち直りまで含めてとても健やかな心の動きを感じた一連の出来事であった。一緒に埋めに行ってよかったと思う。帰ってきたパパに報告するサク「クワちゃん、つちのなかに うめたんだよ。で、めっちゃないたんだよ」。

f:id:emitemit:20151217221722j:plain(在りし日の、クワさんの勇姿(笑))


夜ごはんは、砂肝と野菜の豆板醤炒め(大人)、唐揚げ(子ども)、マカロニと野菜のナポリタン風、きゅうりと生姜のサラダ。「vs嵐」に歌舞伎ワンピースチーム!! 亀ちゃんってホント謎の(?笑)パワーがみなぎっていて見ていると元気もらえる。大接戦で、最後のキッキングスナイパー開始前「こういうの苦手だから、たぶんそちらが勝ちますよ」と飄々と言っておきながら、そこでも大接戦が演じられると「どっち?!どっち(が勝った?!)」と大声で尋ね、自軍が負けたとわかった瞬間床の上に伸びるというさすがのリアクション(笑)。