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神無月の七 / AERAドラマ特集

●10月某日: 自転車で隣駅の本屋さんへ。3か月ぶりぐらいに来たのでラインナップが新鮮。生活圏内では本屋6軒、図書館2館、ブックオフ3店舗を利用している。サク連れだと天神や博多駅の都市型大型店舗になかなか行けないのは残念だけど、中型〜小型店舗でも、数や種類がいろいろあると、満足度は上がります。新刊の本屋だけでは決してダメね。中古や図書館だからこそのラインナップがあるから。…とか言いながらキオスクにでも置いてありそうな雑誌の話をこれから延々と書きます。AERA最新号のドラマ特集をじっくり立ち読みしたもので(本屋さんすみません)。充実の内容だった。

堺雅人インタビュー。

  • こんなにセリフのテンポが落ちた時代は初めてかも。落語にしろ小津映画にしろ早口で、すべてのセリフを聞き取れなくても話芸として成立している。いつからこんな、噛んで含めるような芝居になったんだろう、という疑問から古御門の早口につながった
  • 体があいてさえいれば来た仕事は極力受ける。面白いと思わなかった台本でも。台本の時点で面白くなくても作品になったら面白いかもしれないし、面白い・面白くないのような自分の感性を全然信用してない。脚本を書くことにも監督にもまったく興味ない。そういう才能ない
  • もともと読書はノンフィクションが多かったけど、震災のあと、ニュースの刺激に疲れ、逃げたくても逃げられない現実を前にしているとき、小説を欲し、読んで、フィクションの力に癒されている自分がいた

坂元裕二インタビュー。

  • 数字にはこだわってない。2桁をなんとか維持できれば。倉庫の隅で書き続けたい
  • テレビは40才以上のメディアになりつつあり、数字をとるため、今後そこをターゲットにドラマは作られるだろうが、世の中が中高年のためのものばかりになると考えると、作り手としては暗澹とする。自分はもう一度、10-20代のための作品を書いてみたい

古沢良太インタビュー。

  • リーガル・ハイ(1)の堺さんの大演説は、時間がなくてアイデアも湧かず、しょうがないから、どストレートに演説させちゃっただけのこと。役者さんやスタッフの気持ちが入った現場のおかげで良いシーンになった
  • リーガルハイ2はわかりやすい作品にしようかと思ってたけど、半沢直樹を見てその考えをいっさい捨てました。半沢から流れてくる視聴者をどんどん振り落としていきます」 (た、頼もしくて涙が出そう・・・! 某内藤Pの大河チームに爪の垢を進呈して・・・・!)
  • シーズン1では古御門や黛の性格上、戦うドラマに。2になって戦うの究極はなんだろうと考えると、戦わない、じゃないかと思って、岡田くんのキャラ造形になった」(ちょっとこのあたりの言い回しを正確に覚えてない)

岡室美奈子の寄稿。

  • 震災前のドラマは医療、刑事等が鉄板。生死の境目があるところしかドラマは生まれなかった。震災であまりに多くの死があって、生死は断絶ではなくなった。日常の中で死と向き合う、死者に寄り添う、そんなドラマが増えてきている
  • カーネーション、11人もいる、それでも生きてゆく、ゴーイングマイホーム、泣くなはらちゃん、家政婦のミタあまちゃん、いずれもその系譜の、すばらしいドラマ
  • それでも生きていく、は、よくぞ民放で作れたなという重いドラマ。加害者と被害者とが同じ船に乗っていく、という設定は、究極の想像力を必要とする。最高の離婚しかり、坂元ドラマのキャラはみな饒舌だがコミュニケーションが不器用。それが言葉を伝えあえるようになっていく
  • 普通、の大切さ。そしてフィクションの持つ力。あまちゃんのアキは東京というフィクションを通過したからこそ北三陸に戻っていく。アキが東北弁で喋って自己を確立していくのもフィクションの力を借りているということ
  • 家政婦のミタは、ダメ父がキモ。ものすごく頑張らなきゃいけない状況でもがんばれない人もいる、ということを描いたのは大きかった」 (わー、言われてみれば。その視点はまったくなかった。)

岡室さんの言説でいくと、この「死」を扱う秀作の系譜に、八重の桜はもう入れない気がする・・・しくしくしく。コーナーを巡っていると、ananもドラマ特集だった。ananってまず買うことはないし毎号チェックしているわけでもないけど、目立つので何となく表紙を見ることが多いが、ドラマ特集号って珍しい気がする(確実にセックス特集号より少ない)。是枝監督のインタビューが載ってた。今、ご自身のお子さんが通う幼稚園で、卒園のときに各家庭に配る(?)ビデオを撮っているらしい。毎年、保護者が撮っているらしいんだけど、これまでのを見たらあまりにひどかったんで(そらプロが見ればそうだよな笑)、自分でやることにした、と。なんつー羨ましい幼稚園だ!!

さて、夜は夫と合流して某ビル広場の無料ライブへ。ギター、キーボード、コントラバスのジャズトリオにバイオリン奏者がゲストとして招かれるという趣向。「風のガーデン」の挿入曲だったショパンノクターンの演奏があった。あらためていい曲だ。深遠、という言葉が思い浮かぶ…。サントラを聴いたりはしないんだけど、音楽の記憶ってやっぱりけっこうあるのか、ドラマの雰囲気をばーーーっと思い出した。30分ほど聴いて、サクが退屈しだしたので、ごはん食べに移動。朝までは「ラーメン屋で晩酌セットな」とか言ってたのに、気づけば町屋を用いて作られた居酒屋で、ワインのボトルなんか空けてる我々がいた…。独身の頃に時々行っていた店だ。7,8年ぶりだったか。懐かしかったー。