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四代目市川猿之助と福山雅治

猿之助襲名に伴って、本公演で相当忙しいだろうけどあちこちでちょこちょことした露出がある。

先日は、NHK教育日曜美術館」のゲストで出ていた。その週のテーマ高橋由一は、『鮭』や『花魁』で有名な明治初期の洋画家。そう言われれば見たことはあるナーというような絵ではありますよ。しかしまあこういういかにもNHK的な教養番組に何の違和感もない顔で出てきて、ひと周り以上年上と思われるアナウンサー相手に滔々と喋る亀氏もとい猿之助丈。そのブレなさが素敵です。

「昔、有名な俳優(歌舞伎俳優)さんが言ったんですが、芸術は出産に似ていると。生まれてくる子は、健康かな病弱かな、男かな女かなと、いざ出産に臨むとき、母親はそんなことで思い悩まない。とにかく産むんだ、と。新しいものを世に生み出そうとする、その気概が大事なんだ」

日本における油絵の先駆者のひとりである高橋由一の絵画への感想と、今般、「革新の澤瀉屋」のスター名跡、猿之助を襲う己の感懐とを重ね合わせてのこの発言、印象的でしたぞ。とまれ、この番組、門外漢に優しくよくまとまった作りで、思わず1時間、引きこまれて見ちまった。

雑誌「文藝春秋7月号」では巻頭で福山雅治と対談。ものすごく期待して本屋に走りましたが、これはそれほど厚くも熱くもない企画だったので立ち読みにとどめました。でも、全ページ(8ページくらいだったかな)カラーで、東京の大きな駅に架かっていたという襲名披露のポスターを見られたのは良かったです。

このポスターを撮影したのがカメラマン福山であることは存じていました。それに、何もましゃが歌舞伎の世界のポスターを「撮りましょうか?」なんて言うはずないんですから、亀サイドからのオファーであることも明白でした。しかし対談を読むと、「一生に一度のことだから絶対に後悔したくないと思って」って、亀ちゃんのましゃ兄愛、熱烈すぎます笑

昔から、「ましゃ兄大好き☆」を公言している亀さん。ましゃのオールナイトニッポンに1リスナーとしてハガキを出したエピソードも載ってました。「市川亀治郎」って書いてあって、どう見ても普通の人じゃない、とスタッフが調査したところ、歌舞伎の…本人…?と判明したそうです。で、そのハガキには何が書いてあったのよ!! そこでしょ〜! つまびらかに明らかにしろよ〜!

だいたい、今でこそ、もはや高いステータスを誇っている「福山」ブランドだけど、ここに至るまでには相当な長い道のりがあったと思うのよね。「Hello」とか歌ってるころの福山さんはシングル100万枚以上売っててファッショナブルではあったかもしれないけれど、スタイリッシュとかアーティスティックとかからは程遠い、非常に商業に軸を置いた保守的な音楽活動を展開していたという記憶があります。演技にしても本職さんに到底かなわないのは当然のこと(言っときますけど私ましゃ兄大好きですよ)。

そんなましゃを、「革新、命!」の亀ちゃんは、自分が世に出る前から大好きだったというのですよ。なぜ。どこが好きだったのかすごく気になりますよね。対談では「福山さんは表現者としてものすごく“かぶく=歌舞く=傾く”の人だ』なんて、歌舞伎俳優として最大級の評価をしていましたが、その具体的な根拠については触れず。結局さー、「好みのタイプ(はぁと)」ってことなんじゃないかと思うのよね〜

そうそう、今さらながらに『龍馬伝』で「へぇー」と思ったことがあったんだ。今井信郎役で最終回、のこのこ出てきていきなり龍馬を斬ってのけた亀ちゃんでしたが、この起用には、香川照之の従弟=顔や演技が似ているという着目点があったのだという。つまり、龍馬伝は裏を返せば弥太郎伝、龍馬を誰よりも愛し誰よりも憎んでいた弥太郎のストーリーであると。実際に斬ったのは亀=今井信郎なのだが、その姿はどこか弥太郎にも似通っていて、弥太郎があたかも龍馬を斬ったかのような錯覚を視聴者に与えたかったと。ふーむ。見ててちっとも思い至りませんでしたが、まあ作り手としてはそういうことって考えなくもないだろうなと思った。ま、何にしても、あこがれのましゃ兄との共演、しかも龍馬に引導を渡す役だなんて、涼しい顔しつつ内心舞い上がりまくっていた亀ちゃんを想像すると萌えます☆