如月の四 / 森発言

●2月某日: 朝イチで歯医者。その足で小学校へ、読み聞かせボランティアのミーティング。対面は1年ぶりかも。うるうる。夫が迎えに来てくれて、昼はH店で韓国ランチ。参鶏湯めちゃうまだあった‥‥。

夜ごはんはたこパ~! ホタテやシイタケも焼いてつまみつつ。「小学5年生より賢いか」クイズで、親子ユニット「完熟フレッシュ」を大応援! 見事300万円獲得して、うちのお茶の間も超祝福。


●2月某日: ランニング5キロちょっと。ピンカー「二十一世紀の啓蒙」上巻の読書会を聞きながら。ピンカーは私の卒論の主要参考文献を書いた人で、今はこうなってるのか~という驚きと「わかるな~」というのと両方。

スシローをテイクアウト。多すぎるな、夜も相当食べられるなと思ったけどうちの家族の寿司好きはダテじゃなかった。Nスペ、大航海時代のヨーロッパと日本の戦国との密接な関係。戦国の大決戦もいわゆる代理戦争だったということか。戦争の影に武器商人の暗躍あり、ですな。

facebookより)

【 「女性が多いと会議が長くなる。」と言っただけで、女性蔑視主義者のレッテルが貼られ、会長を辞任せざるをえない状況にまで追い込まれる社会というのは、きわめて異常であり、とても危険です】

というツイートに「いいね」が5.4万‥‥。私のタイムラインにもシェアで流れてきた(Twitter)。女友達も何人か「いいね」してる。うーむ。

女性が多いと会議が長くなる、と言った「だけ」じゃないですよ。

当該発言の全体および謝罪会見の発言の全体、そしてその背後に見える構造を勘案したうえで、会長としてふさわしい人物ではないと判断されているのです。

問題を小さく見積もっているのはジェンダー・人権意識のout of dateです。

女性も、「あの程度の発言、これまで自分は何百回受け入れてきたか。社会人なら耐えて当然」と思わないようにしましょ。

感想も意見も個人の自由ではあるけれど、「これぐらいでガタガタ言うな」という意見に女性も同意してしまうのは、やっぱり自己肯定感が低く抑えられてしまっているんじゃないかなあと思ってしまう。とても悲しい。

女性は、家族のケアや地域活動を含め、社会に強く深くコミットしてきた。
政治や経済において高い地位や力を有していないのは、女性の領域を家庭や地域という半径数メートルの無償/低賃金労働に限ってきた社会構造のせいであって、女性の能力が低いからじゃない。
不当に低い地位や、心ない揶揄に耐える必要はないんですよ。

本来個人差でしかない部分で「女性だから」と一括りにして男性と違う扱いをしないで、と言ってるだけだ。そもそも男性が「わきまえて」会議の席でおとなしくしているなら、それはなぜですか?どういう構造があるのですか? という話なのだ。

てか、話が長いのは明らかに森さんだし(笑)。
この話、まともな人なら理解できるはずだ。

 

だいぶ前だけど、大友良英(音楽家、「あまちゃん」のテーマソングで有名、原発事故後の福島や東北でも活動多数)が新聞にこんなことを書いている。

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心当たりのある人に考えてほしい。
自分は差別なんてしてない、
女性も差別されてるなんて思ってない、
自分はこの仕事に満足してる、
昔からこれで問題ない、
あなたのいる世界とは違う‥‥
でも考えてほしい。
自分の立場が逆になったとき何を思うかを。
男性であるあなたが入った会社では、
重要な会議には暗黙のうちに女性しか出席できず、
あなたの役目はお茶を運ぶだけ、
というのが暗黙の了解である社会。
それが普通の社会ってもんだし、
差別なんかじゃない、
ってことで納得できるだろうか?
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男性だって、このように想像力をはたらかせることができる。
当然だ。
同じ人間なんだから。

当事者でなくても想像できるのが人間の力で、その能力が乏しい人は現代の、まして国際社会で仕事をするリーダーにふさわしくない。企業が「めざす未来」を掲げミッションを約束するように、リーダーは理念を持って多様な社会に語りかけないと。

自分たちが出した緊急事態宣言下でも、しつこく会食を続けて「自分たちは特別だ」という言外のメッセージを出し続けたのは男性政治家たちだった。
そして、森さんは、謝罪会見でも、辞任会見ですら、何が悪かったのか理解できていない。理解できない人なのだ。

これは「ちょっとした発言」なんかじゃない。

閉鎖的な夜の会合・同質的なメンバーで交わされる「醜悪な本音」を表に出し、あまつさえ火消しの機会に延焼させるリーダーを戴くのは組織の不幸、社会の不幸。

いじめでもない。寄ってたかって叩いてるわけじゃない。そこ勘違いしないでほしい。弱い者を寄ってたかって攻撃するのを「いじめ」という。そもそも森さんは、83歳で政治家として激しく劣悪な言語能力の持ち主でありながら会長という地位につけるほど、巨大な権力の持ち主なのである。

(確かに、ワイドショー的な番組でのヒステリックな取り上げ方には毎度のことながらうんざりするし、野党の女性議員たちの白いジャケットにも微妙な気持ちはあるけど‥‥)。

長くなってしまった。
いちばん言いたいのは、女性は、自分を低く見積もって、権力をもつ男性(が優位に立っている社会)に適応しないでいいということです。