APU立命館アジア太平洋大学 キャンパスツアー

立命館アジア太平洋大学APU(http://www.apu.ac.jp/home/)を訪ねる旅、その2。
学長室で出口さんとお話させていただいたあとは、キャンパス・ツアーに出かけます。

2人の学生さんが案内してくれました。1人はブルガリアからの留学生、ラディ。すばらしく流ちょうな日本語! 「おしゃべりが好き」という彼が5か国語を操るという話に驚いていたら、もう1人の石内さんは、「言語学習が趣味で」って、何と20か国語マスターとか?! APUはびっくりの宝石箱や~!(彦摩呂ふう)

f:id:emitemit:20181014111533j:plain

とてもフレンドリーで、かつ本当にしっかりした彼らにどんどん質問し、楽しくおしゃべりしながらのツアーでした。

-------------------------------

【APU マメ知識】

・6,000人近い学生のうち、半数が留学生。

・国際暦に基づいているため、本日10/8(体育の日)も通常通りの授業日。あ、ご安心を。夏休みや春休みはたっぷりありますよ!

・春、秋の両方に入学式と卒業式がある。
「年に4回、式で挨拶せなあかんのです(笑)」by 出口学長

・2018現在、88の国や地域から留学生を受け入れている。

・中国、韓国からの留学生は減少傾向。経済発展で豊かになった中韓では、アメリカの大学へ行く学生が増えた。代わってAPUに増えているのは、インドネシアベトナム、タイからの留学生。彼らはものすごく優秀! 今、ジャカルタ市の副市長はAPUの卒業生(35歳)。

・講義の約8割は日本語・英語の両方で開講されている。「えーっと、日本の学生はわざわざ英語のほうを選ぶのですか?」と尋ねると、「最低20単位は英語で取得しなければいけません。そうでなくても、APU出身というと、当然、英語ができると思われますしね」とのこと。そ、そうですよね!!

学生寮、APハウスでは約1,300人の学生が生活。国際学生と国内学生の比率は7:3。国際学生は日本の生活習慣やルールを学ぶため、1回生は原則全員入寮。

--------------------------------

とにかく目を瞠る、行き届いた設備! 
国内・国際学生が共に学び、コミュニティをつくり、協働するのがAPUの大前提で、そのための仕組みが作り上げられています。

f:id:emitemit:20181014111723j:plain

キャンパス内にはそこここに co-working…というか co-studying やミーティングのためのスペースがあります。プレゼン練習に使える大きなディスプレイ、寮には共同キッチンも随所にあります。

コミュニケーションに欠かせない言語学習をサポートする施設(SALC)も整っています。図書館の新聞は20言語! 

f:id:emitemit:20181014111648j:plain

寮のシェアタイプの部屋では、国際学生と国内学生がペアになる。気が合って、寮を出て下界(山の上に立地するAPUでは、キャンパスを降りた町をそう呼ぶそうです 笑)でも部屋をシェアするペアもいるそうです。

広大なキャンパスは一本のメイン・ストリートに貫かれていて、授業を受けるにも食事をとるにも(前記事から繰り返しますが、山の上のAPUにはここしか食べる場所がありません笑)、ジムや体育館を使うにも寮生の登下校にも、学生も職員もみんなが一日に何度も行き来します。

だから、この目抜き通りは出会いの宝石箱(彦摩呂ふう…しつこいw)。実際、私たちを案内しながら、ラディや石内さんも行きかう人と幾度も挨拶していました。「グラシアス! ・・・(私たちを振り返って)あ、今のは、スペイン語の先生です」とラディ。

f:id:emitemit:20181014111752j:plain

お昼が近づくにしたがって、通りには学生の姿が増えてゆくのですが、その多彩さ! 
さまざまなルーツの学生たちが、ルーツを超えて、さまざまな言語でおしゃべりしています。

ここは日本じゃない! でも、どこか特定の外国でもない! 国というボーダーがない世界。行きかう若者たちの生き生きとした目。学食で一緒になった1回生の女性も、「APUに入学して本当によかった!」と言っていました。

ここで唐突ですが、みなさん、京都大学吉田寮を知っていますか? そういえば、学長の出口さんは京都大学ご出身ですが・・・。伝統ある吉田寮は、時代の流れの中で今まさに閉鎖されようとしている。抵抗している寮生もいます

https://twitter.com/yoshidaryo_koho
https://www.cinra.net/column/201809-wonderwall

吉田寮をモデルにした『ワンダーウォール』というNHKのドラマを最近見て、とても懐かしく思っていました。私の出身大学にも、似た寮があったのです。古くて汚くてバンカラ(死語ですね…)なようで、そこには学生たちの伝統と進取の気風、フラットで自律的な秩序がありました。私が属していたサークルもそういう雰囲気にあふれていたし、友人に寮生もいたので、よくわかります。

全国各地で、古い大学寮という形ある設備がなくなるとき、そのような精神も失われてきたのでしょうが、一方で、APUのような新しい大学、新しい時代のコミュニティの在り方が生まれ、育まれているのですね。

学生さんたちに混じってキャンパスを歩き、学食でランチしながら、ひとときその一員になり(←錯覚 笑)、若い人たちを心底頼もしく思った、【旅】の一日でした。

f:id:emitemit:20181014111849j:plain