男性学:田中俊之先生講演メモ:【ゆるマジ】 vol.15 「スペシャルゲスト=田中俊之先生を迎えて特別編!」

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身近な話題から社会問題まで、ゆるくマジメにおしゃべりする【ランチタイムトーク ゆるマジ】
初めてゲストをお迎えして、夜のゆるマジ(ムフ💕)をお届けしました😊

ゲストは、『男性学・キャリア教育論』を専門にされている、大正大学准教授の田中俊之先生。

「昨日乗ったタクシーの運転手さんに、『一風堂一蘭なんてほんとの博多ラーメンじゃない』と力説されたんですが本当ですか?」
と、おっしゃってましたw わかりみw 
それで帰りに船津商店をご一緒しました・・・っていきなり余談(笑)

先生は、お昼はヒルトン福岡で企業内研修をされ、夜は男女共同参画市民グループ主宰のイベントで講演をされるなど、ハードスケジュールの後に、マミスマスタジオまでお越しいただき・・・

なので、「ゆるマジ」では、タイトルの通り、先生にもカジュアルなお話から入っていただきました!
ゆるくても、先生の話は滅法面白いものですから、私の笑い声が不必要に大きくてすみませぬ💦 

先生の憧れ、トム・クルーズの話。
ジェンダーの話がびんびん通じる上沼恵美子さんの話などなど・・・
150万人の福岡人のみなさん(もちろん福岡以外からも!)、ぜひごらんください✨

男性学とは? 
→ “男性が男性だから抱えてしまう悩みや葛藤 ” を扱う学問

ジェンダーというと女性やセクシャルマイノリティからのアプローチが多いのですが、実は男性にもプレッシャーや生きづらさがあるんですよね。稼がなければならない、強くなければならない、大きな夢を持つべきだ・・・などなど。

星野源菅田将暉ムロツヨシが大人気の昨今(←ちなみに私、全員大好きです)、
「俺についてこい」「大きな体、大きな筋肉」的なマッチョな価値観の支配もだいぶ薄らいできたかなーと思うのですが、
弱音を吐いたり愚痴を言ったりすることへのハードルの高さ、このクソ暑いニッポンの夏で日傘もさせないなど、男性って大変・・・という面も依然として多いですよね😢

講演も本当に面白くてメモを取りながらあっというまの80分でしたが
特にフムフムと思ったのは

・まず「普通」があって、そこから外れたものが「おかしい」のではなく、何かを「おかしい」と決めて、「自分はそうではない=自分は普通の側なんだ」と普通を作り出している

・基本的に人間は保守的で、「今こうだから、これが正しい」「今の体制を守りたい」と思う生き物。今の体制によって不利益をこうむっている人でさえも、その心理傾向は同じ。だからなかなか変わらない、変われない。

・今、「おじさん」は叩きやすい存在。おじさんといえば、正社員で既婚・子持ちで管理職…なんていうイメージだが、長い不景気を経た今の日本では、そんなおじさんむしろ少数派。空想の中のおじさんを「おまえらが悪い」と叩いてガス抜きしても、世の中は良くならない。

・女性管理職を増やそうと言って、女性向けの研修をしても、乾いた土地に種をまいても芽が出るはずないくらい無意味。男性を含め、みんなが持っている女性管理職への偏見を取り除く研修をしなければならない。

などですね~。また、

・特に男の子に上昇志向を植え付けるのは、子どもが親より良い生活ができるのが当たり前だった高度経済成長期には意味があった。平均年収が下がり続け、親より豊かになる見込みが少ない今の世の中では、「大きな夢を」と煽るより、むしろ「鎮め」が必要

・上下関係や、権力そのものが悪いのではない。権力は正しく使うべきであって、権力をふるっても責任をとらないのは最悪。

・マニュアル思考を脱する必要性。「プライド」というと「見栄(ミエ)」と解釈されがちだが、仕事にしろ育児や介護にしろ、試行錯誤して自分自身が納得できる「プライド」は大切なもの。人と比べたり世の中のものさしで測るのではなく、自分にとって何が必要か、自分で見極めることが大事

など、本当に、心の底から同意です🔥🔥🔥と思いました。

そして、最後の質疑応答の中で出た

「世の中は急には変わらない。でも、歴史を振り返れば、女性参政権にしても長い時を経て実現したもの。自分がその恩恵を受けられないとしても、次の世代や、百年先にでも変わるのならば、取り組んでいく価値はあると思う」

という言葉に、私はとても感動しました✨
元・名古屋大学建築学科の准教授にして人気ミステリ作家、森博嗣の処女作『すべてはFになる』という小説(もう20年も前の作品ですか。数年前、綾野剛主演でドラマ化もされましたね)に、

「僕ら研究者は、何も生産していない、無責任さだけが取り柄だからね。
でも、百年、二百年先のことを考えられるのは、僕らだけなんだよ」

という名言があるのを思い出しました。

今の世の中、成果主義
それも、非常に短いスパンで結果を出すことが求められます。
だから、今すぐ役に立たないものは、かえりみられなかったり、自分からあきらめたりもしがちです。

しかも、先生は

「現実は、ポリティカルコレクトネスだけを貫けるような、簡単なものじゃない。もっとぐちゃぐちゃしている」

と動画でもおっしゃっています。その認識の上での「百年先」なのです。

葛藤したり折れそうになったりしながらも、
百年、二百年先のためにがんばろうと思えるのが、
希望を捨てずに光をめざせるのが、
人間らしさってもんじゃないのかな?

と、あらためて思える、とても励まされるお話の数々でした。先生、本当にありがとうございました~❣️

動画は、こちらにて!ごらんください! 15分ほどです。↓↓↓

https://www.facebook.com/akiko.ganse/videos/1796312423783461/