『半分、青い』 折り返しました!
すごい修羅場で折り返した「半分、青い」鈴愛ほど「自我が強い凡人」な朝ドラヒロインも珍しく、好もしい! 自分のツイートから抜粋。
●5月14日
#半分青い 迷うことなく原稿を捨てようとし、「嘘には嘘で対抗する」と言い放って秋風に説明を迫った鈴愛。なんて爽快なシーンだったろう! どんなに未熟で浅はかな小娘だろうと人生があり人権がある。原稿ワヤにされるに値する騙し討ちであり侮辱だわい。鈴愛の瞬発力、大いに見習うべしだわ。
秋風のマンガで世界を知って一緒に生きてきたってぐらい大事に思ってることと、彼の非人道的な行為を許さないこと。この2つを混同しない能力がまずすごいんだけど、その2つをどちらも本人に主張して、結局カケアミというマンガ仕事の第一歩を勝ち取った鈴愛、ほんとタダモノじゃないわ! #半分青い
●5月15日
今日もめちゃ面白かった。メシアシ、カケアミ、先生と大喧嘩・・・と新しい環境で格闘する鈴愛。大忙しで急成長中だがまだ幼くて自分中心。そういう姿を見て絡んじゃう裕子も若くて。「言いたいことだけ言ってくな!」と言いながら背中から!なんちゅー粗暴なヒロイン、振りきった描写や。#半分青い
無条件に家族に愛され、また耳のこともあってことさら大事にされてきた鈴愛は、それに応えるようにちょっと自分を押さえていた部分(と甘えていた部分)もあって、家族と離れて良くも悪くもタガが外れてるんだけど、粗暴さはある意味「生きる力」でもあるんだなとつくづく思う #半分青い
片耳の聴力を失った鈴愛は、世界を楽しもうという力がより強くなった。それと同じで、守ってくれる家族や律と離れて、秋風にも裕子にも後先考えずバーンとぶつかっていく粗暴さが前面に出て、でもぶつかっていく力が新しい道をひらいていくんだよね。#半分青い
●5月18日
●5月22日
鈴愛、強ぇぇ! 彼女の資質もあるけど、家族がそばにいたのも大きいね。権力者の密室にいることの怖さを逆に感じた。楡野家は秋風に平身低頭だったけど、あれだけ雁首そろえて「鈴愛かわいや」を前面に出してたら、いかな権力者でも非人間的なことはできないよなあと。#半分青い
マンガ塾とか言いながらメシアシ扱い、本当は失くしてないのに同僚たちの前で「切腹」「刀かナイフか」と詰められ、誰もかばってくれず、ほぼほぼ即座に責任とらされ夜の東京の街に放り出された十八才の鈴愛。秋風が写真の一枚や二枚撮られるのは報いだわ、自分でやるのが鈴愛のすごさw #半分青い
怒りの交渉をしながらも「来てくれてありがとう」。鈴愛にとって寿命の縮んだ一件が、親にとっては「宝くじにあたったような」時間。 一家の前で土下座し写真まで撮られても「ここは桃源郷だ」と言って帰る秋風。このドラマらしい、反転というか両面というか…なエピソードの締めだった。 #半分青い
●5月23日
ネームやメシアシの件ではひどかった秋風が、今日は漫画家の卵のみならず律の心までを動かす。しかも天才漫画家の過去に美大中退と営業経験。秋風と逞しく戦い、母親には健気な顔を見せる鈴愛は、「(律を)やるよ」と傲慢発言。表に出る顔がくるくる変わるのを描くのは #半分青い の特徴やね
秋風は理想の上司像とか憧れの大人像からは程遠いけど、それでも彼が鈴愛だけじゃなく律の心にも強く印象を残す展開はいいな。すごいアーティストって、特定の職業や性格を超越して、普遍的なメッセージを発するものだよね。#半分青い
●5月26日
診察室でそっと手を重ねる菱本、その秋風の爪にはインク。秋風の復帰大演説を遮るという、鈴愛のエゴと暴力性のダメ押しから、恋の話に! 鮮やかな展開だなぁ。#半分青い
●5月31日
律はきっと、鈴愛の恋に刺激されてサヤに突っ込んでいった面もあり、鈴愛はユーコと談義したり律の告白に勇気を得たりして正人に電話し・・・。恋の相手じゃない人にも触発されながら恋の導火線が燃え進むのが、若者の恋愛って感じでめっちゃイイですね! #半分青い
「金魚みたい」って言われて「すくってください」って返す鈴愛の言語センスは少女漫画家として絶望的だと思ったけど(笑)、それでキスをゲットするんだから本当にすばらしい #半分青い
夜ごはん時 #半分青い リピ。私的「魔性の男まーくん」ポイントは、電話口で明らかに緊張してる鈴愛にのんびりした口調で「元気ですよ」ですよ、ってのが!! あと、鈴愛「2回目があるみたい」のあとの「ないの?2回目」の間髪入れなさ。そし… URL
●6月1日
鈴愛も律も気になってる人に気軽に会える。父親たちは配偶者の不在を「鬼の居ぬ間に」と喜ぶ。そして仙吉さんは廉子さんに会えないし、会いたい人のもとへ帰れなかった幾多の人を知っている。でも、天国の廉子さんは「聞こえてますよ」と言う。いろんな層をサザンが結んだ。びっくり。 #半分青い
戦争映像のバックで歌われる真夏の果実。従軍経験のある人が「あの頃こんな歌があれば」と言うサザンは、ドラマから四半世紀経った現代もバリバリの第一線で、高度経済成長期を描いた朝ドラ前前作の主題歌もやってて、なんかすごいいろんなものが交錯して驚きの場面だった。読めないドラマ、#半分青い
●6月2日
歯ブラシくわえて雑誌読んでる息子小2に「くわえてるだけじゃ歯磨きじゃないからね、ちゃんと磨け」と言ったら、悪びれもせず「半分、歯磨き」って返されたおいこら #半分青い
●6月4日
嫉妬した清が「こうしてやる」と律に抱きつき、律が抱きしめ返して「苦しくない?」、うわー初めての一人暮らしの家がある大学生の恋愛!って感じでニヤニヤしつつ半分、見てらんないだったー! 清の立派な太ももがまたいい味で。息子7歳(運動会代休)は「めんどくせー!」だって #半分青い
●6月5日
昨日今日と、#半分青い の緊張感やら生々しさ、「でもわかる」感に悶える。親よりデートよねこの時期。すごい勢いで律への電話を切った鈴愛が、昨日の清と同じ「意地悪だね」を言うのもいい。若い日の恋や独占欲はとりわけエゴいよね、清も律も鈴愛も。昨日今日、正人だけエゴ薄い。明日どう反応?
●6月6日
#半分青い ”裏” 貸すシーン、臆面もなくこういうの書くのが北川さんだなー!イイ! さすがの佐藤健も「恒温動物だよ、鈴愛」はちょっと言いにくそうな感があったけど(でもそれがまた、なんかよかったw)ほんっと演技うまいね、そして顔が美しいね!!!
#半分青い 正人に指摘されて「は?むかつく。俺と鈴愛の歴史語んな」でマジギレしたあとだからか、秋風ハウスに着いてからの律の言動に「他人に語られたくない俺と鈴愛だけの関係」みたいな自負がより濃く見え隠れして、鈴愛の甘えも相まって、いやーゾワゾワする良いこじらせシーンでしたw
#半分青い「一文節ずつ」「よく切れるナイフでスパッと」の正人が、律への愛をめちゃめちゃ語ったね! ド真正面から滔々と語ったね! 吉祥寺で同棲も誘ってるのね! グイグイいってるね!!
●6月8日
でも、別に他人に怒られることやなくて、わがままで愚かで湿度の高い自由な恋愛と合意に基づくセックスを経て、傷つけ傷つけられながら大人になっていくのだよね、それができる青春って素敵だよねと、いろんな朝ドラ登場人物たちを思いだしたりもするのです #半分青い
●6月9日
#半分青い いやー、誕生日にいい修羅場をありがとうございました! 清の「消えろ!」の心情はまったくもってごもっとも。鈴愛の「律を返せ!」を引き出したのは彼女の情念。すばらしい。さぁ薬指マニキュアのときはぼんやりしてた思いがハッキリ言葉になってしまった。鈴愛、どう向き合うか?
律みたいな真面目な男の子とお互い初めてのセックスしたって、つまりお互いにさかってるからセックスしまくるわけで、それってものすごい無敵のアドバンテージで幼馴染なんて消しゴムカスみたいにフッて吹き飛ばせそうなもんなのに、鈴愛の存在は超重い文鎮だもんね…。清もほんと気の毒よ #半分青い
●6月11日
鈴愛がタブーを破ったから引っ越す、もう会わないなんてさ。「俺は誰のものでもないよ」ってつとめて冷静な顔だけど「おまえのものじゃない律になりたい」と言ってるようなもんなんだよな。その難しさが自分でわかってるから引っ越すんだよな。律。なんか鈴愛のせいにしてるけど。#半分青い
鈴愛を責めたかと思うと最後だからと笑顔を作り、言われるがまま思い出ごっこに興じたり。ひたすら俺ハ悪クナイ・俺ハカッコイイと振る舞ってた律が最後に鈴愛の短冊くすねていくの、もう全部がカッコ悪くて。北川さん徹底的にやりおるなwwって感じだった。中の人もさすがのグッジョブ #半分青い
いや鈴愛も鈴愛で、つらいときに「律に会いたい」だの「背中貸して」だの、やっぱ小学生までだからな。まぁ、大学生くらいの恋愛ってただでさえ痛々しい言動のオンパレードで超めんどくさい展開になるの珍しくないから、鈴愛と律ほど歴史があればそりゃいろいろ大変だわ #半分青い
●6月13日
「私たちは先生が大好きです」で泣いてしまった。漫画を描くことにすべてを捧げてきた秋風の数十年。人でなしに見えるかもしれないし実際に人でなしの所業もして、いろんなものが得られなかったり失ったりもしただろう、でもそれもまた「真実の」生き方なんだろうなと思った #半分青い
すべてを作品に昇華していく創作者としての業につぶされず真正面から指摘できるのは鈴愛くらい強い人間じゃないと無理だけど、「そっちには行けない」という漫画家としての鈴愛の限界を示したセリフでもあった。裕子は曇りのない笑顔で秋風の生きざまを肯定した #半分青い
●6月16日
こんなに切ない回でも豊川悦司の秋風羽織はサイコーだ #半分青い
両方にとれるんだよね。「パクっても作品が面白くなってればよかった」は作品至上主義の創作者の残酷さ。でもここで頑として許さないことで「一度やったら二度やる」弱さを防いで長い目で見たらボクテを救ったようにも見える #半分青い
救済にも見えるのは、この回で初めてボクテの実力が折り紙つきなのが判明したから。秋風のもとを離れても漫画家としてやっていけるかもしれない、「追い詰められたときの弱さ」さえクリアすれば。ここで秋風に許されず責任をとったことでどんだけ重大なことか肝に銘じられただろう #半分青い
●6月20日
塾生時代、秋風があれだけ「体験棚卸し」させてたけど、連載もって独立したらそんな余裕もないし目の前しか見えない。昨日えがかれた美しい想像の翼にあっさり限界がくることを翌日に示すあたり北川さんやっぱりストロング! #半分青い
●6月21日
裕子と鈴愛は別の道を選んだわけでなく、いろんな状況や本人の性質があって裕子が先に気づいたんだ、って感じがまた痛いんよね。「先生が言えば裕子は気合を入れる」なんて頓珍漢なこと言って自分も重版かからんくなってるのに危機感のない鈴愛。で… URL
●6月22日
律を失ったときは裕子が抱いて慰めてくれた、裕子を失った今は裕子がのこしたペンを握って小さな部屋で一人で泣くしかない。そのペンにも、机にも爪にも黒いインクがしみついてる。早いスピードで描かれてるのに律と別れてからずいぶん時が経ったように感じるなあ #半分青い
●6月23日
夢をかなえたあとの単調な日常、裕子の離脱そして実家の流行らなさ。いい時代は終わった1995年、火曜からずっと閉塞感ただよう中で律と再会するんだね。ラストの鈴愛の表情がもたらす余韻と何ともいえない予感すごい! #半分青い
●6月26日
#半分青い 鈴愛24のころから「あの子、結婚せんでええんかね」と言ってた晴さんなので、昨日今日の思い付きで娘の雇用主に手紙書いたわけじゃないんだよね。何度も書き直してたし、やむにやまれぬ親心って感にあふれてたな
律は不器用で心細い奴で、自分を理解し鼓舞してくれる相手がほしいのかも。良い職も決まった24歳男、2、30年前ならそんな理由で妻を求めるのも、それに応じて家庭に入り女の幸せを得るのも普通で、ドラマにならないくらいだったかも。結婚も人生も自由に、そして複雑になったのだな #半分青い
●6月28日
裕子とボクテの、鈴愛への友情+下世話な好奇心でより子を策士呼ばわりするの面白かったけど、これはより子はめちゃくちゃ気持ちのいい子か、めちゃくちゃシリアスな事情のある子か、その合わせ技なんじゃ? 10年秋風ハウスの傘の下にいた空虚な鈴愛との対比で‥‥ #半分青い
●6月29日
おいおい鈴愛、行動は早いけど目が死んでるぞ! 東京ラブストーリーの前振りあったし、これ、鈴愛はリカじゃなくてサトミのほうになるのでは。っていうかより子さんから見たらそうだよね #半分青い
#半分青い 過保護な親心並びに好奇心や羞恥心もあれど、いまだ幼く未熟な律を「自分の人生を前向きに歩いている」と評するところに、長年 若者向けの創作をしてきた秋風の目線を感じた。
●6月30日
「一発勝負で描いてみろ」それで起死回生になるわけはなく、秋風は鈴愛を半分見限っていて半分信じてるんだな。漫画家・鈴愛にもうやめろと引導は渡さない。描いてから、自分で決めてやめる、鈴愛にはそれができると信じてる。「自分の人生を生きる」ことができるはずだと。 #半分青い
18で夢を見つけた鈴愛に比べ、当時何となく大学生やってる律は回り道してるように見えた(本人もそう思ってた)。裕子は挫折したように見えた。でも今は足元固めてる2人に比べ鈴愛の十年はずいぶん回り道したように見える。この先また違う見え方になるときもあるんだろう、それが人生。#半分青い
そしてそれらすべてが「人生に回り道なんてない」という秋風の至言で表現できるんだろうね。もちろん、弟子の育成に失敗した秋風自身の人生にも。#半分青い
◆
7月に入り、今の朝ドラも折り返しました!(ついでに2018年も折り返しました)
私、今作が大好きです! なんといっても主人公の自我が強い!
子ども時代は教室のでかいゴミ箱をクラスメートに向かってぶん投げてたし、
漫画家をめざしてからは、偉い大先生の原稿を人質にとって脅し、
感じ悪い同僚がいれば、背中に蹴りを入れて(!)取っ組み合いのケンカをし、
好きな男の子ができれば自分からグイグイいってデートを迫りチューを望み・・・
去年あたりから、「トーンポリシングくそくらえ」としみじみ思っている私の心をグッとつかんで離さない、主人公の粗暴の数々(笑)。
もちろん、こんだけやってりゃ、そりゃ免責ゼロってわけにはいかなくて、
初めてのデートでは相手にドン引かれ、漫画家アシスタントはクビになり、その後、手ひどい振られ方も経験。
幼馴染み(=佐藤健)には「もう会わない」と言われ、黙って結婚され、若い時代のすべてを捧げたにもかかわらず、マンガの才能も枯渇してしまう。←今ココ
その、暴れまくり、頭ぶつけまくりの生き方に、朝からめちゃくちゃ励まされる。
夢も恋も友情も、たとえ破れたり失ったとしても、
自分で選んでがむしゃらにやった人生は、何てすばらしいのだろう。
主人公スズメの生き方には自我がある。
自我があるってことは、ちゃんと怒ったり泣いたりできるってことだ。
奥ゆかしさや、お行儀のよさ、「置かれた場所で咲きなさい」なんて抑圧に耐える美徳は、彼女にはゼロ。
朝ドラを見ていると、戦争中だったり、「ひよっこ」のように出稼ぎしたり、時代や環境の制約でいろんなことをあきらめざるを得ない、それでもがんばる若者たちがたくさん出てくる。
その健気さに胸打たれつつも、それを美談として消費しちゃダメだって、いつも思ってる。
幼馴染みだの恋愛だの夢だのにうつつを抜かし、
バブルな時代にはマハジャロ(笑)のお立ち台で踊ってみたりする、主人公スズメ。
なんとなく成績に釣り合う大学に入る律。
それは、今までたくさんの朝ドラの若者たちが欲しかった青春なのだ。
若者たちが自由でくだらない青春を謳歌できる世の中であってほしい、これからも。
だけど、個人が自由に選べる時代、生き方が多様化する時代には、
「みんなと同じにやってりゃ安心」じゃなく、
自分で考えて選ばなければならない・それを誰のせいにもできない という苦しみがある。
そして、どんな時代どんな環境でも、
がんばるだけじゃ報われないことや、「なぜ私が?」というようなアクシデントもあるのが人生。
3か月見てきて、「半分、青い」という一風変わったタイトルに激しく感心している。
主人公の鈴愛(すずめ)が子どもの頃片耳の聴力を失って、「雨音は半分しか聞こえない、だったら半分はいつも青空だね」というところからきているんだけど、
・半分、好きだけど 半分、嫌い
・半分、冗談だけど 半分、本気
・半分、地獄だけど 半分、桃源郷
・半分、あきらめてるけど 半分、信じてる
物事って、すべからく、そんな感じじゃないか!
自我が強くて粗暴なヒロイン、スズメは、人一倍、ナイーブでもある。
すばらしい感性のきらめきをもっているけど、漫画家としてはついにモノにならなかった。
半分粗暴で、半分ナイーブ。半分きらめき、半分凡人。
シンプルな一本道はかっこいいけど、
私はやっぱり、「一言では語れない」複雑さのほうを愛している。
そんなことを感じさせる、強度のあるドラマです。
息子(小2)も簡単じゃなくなってきて、
歯ブラシくわえて雑誌読んでるから「くわえてるだけじゃ歯磨きじゃないからね、ちゃんと磨いて」と注意したら、悪びれもせず
「半分、歯磨き」
って返された。おいこら。