如月の二十 / 藻谷浩介さん講演!!!!!

●2月某日: 藻谷浩介さんの講演を聞くという僥倖を得ました。最高に面白くて刺激的で今も興奮しています。はっきり言って私は頭の良い人フェチ。ゆうべは期待のあまり夜中に何度も目が覚めた(笑)

実際の藻谷さん。新聞の寄稿とかテレビのコメンテーターとかで見るのより、何倍も頭良さそうだった!!(なんという頭の悪い表現だ) ミーハー心とフェチ心がめっちゃみたされた!!!!! 

もうね、脳に搭載しているCPUもHDもメモリもレベルが違うんですね。
だから、しゃべるスピードも情報量も2.5倍くらい。凡人(私)、処理しきれない。それがめっちゃ気持ちいい!あー。あと3時間くらい、あのシャワーを浴びていたかった。。。

しかも、藻谷さんの頭の良さは、机上じゃないんですよね。

グローバルからローカルまで自分で見聞してきた強み。今日、山鹿での講演(?)に向かう途中で新幹線を降り、ここ博多で講演。明日は中東に向かうと言ってた。山鹿も博多も中東も、同じように行き来し、同じ俎上に乗せて語る人なのです。

しかも、彼の講演は基本的に撮影OK。講演録の要旨の公表もOK。なんと、CATVでの放映もOK!後述しますが、それはきっと、
「あまねく知らせたい」
「良き社会への材料にしてほしい」
という藻谷さんの意思だと思います。

というわけで、以下、自分のメモの一部を拡散します。まとまってないけど失礼~!

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今、東証マザーズに上場する会社の社長にもっとも多い学歴は、なんと高卒。在学中に起業してそのまま卒業せず、という人が最も多い。「社長=東大とか高学歴」とイメージしちゃうけど、それは、50年前の話。

人間の頭の中のイメージは、だいたい50年くらい前のものなんですって。

それが必ずしも悪いわけじゃない。空気やイメージを察知する力は大事だし、「肌感覚でOK」という場面もたくさんある。ただ、たまには数字を確認することが大事。

…ということで、藻谷さんから出てくる数字や歴史のデータ量がハンパじゃない!! 何を聞いてもデータが出てきます。それも瞬時に。

でね、
今、中国の成長がすごいでしょ。GDPももうだーいぶ前に日本を追い抜いて世界2位。
これは、日本にとって憂慮すべき事態なのか?!

という命題から、日本と世界各国との国際収支のデータが出てきた。さて、日本がもっとも黒字を出している、つまり “儲けさせてもらってる” 国はどこでしょう?

それは、今も昔もダントツでアメリカなんですね。
では中国(もちろん香港含みますよ)は? というと、こちらも断然、日本が黒字。貿易(輸出入)でも儲けてるし、金融収支でも。

つまり日本は、アメリカにも中国にもめっちゃお金を貸すなり投資するなりしてて、利子配当を得ている。

ただし、国際的な投融資の場合、一概に投融資「する」側が強いわけではない。なぜなら、貸したお金をデフォルト(債務不履行)されると大損するから。

ここで、中国とアメリカとの関係を見てみると、
中国は今、日本以上にアメリカに投融資している。ということは、中国はアメリカに対して武力行使とか絶対しない。そんなことしたら、アメリカはこれ幸いと、デフォルトの大義名分にするわけですよ。

同じ理由で、中国が(尖閣はちょっとおいといて)沖縄に手を伸ばすなんてこともありえません。
日本は憲法9条で軍隊を持てないから、安保体制で米軍が駐留している。米軍が駐留している限り、中国は日本に絶対手を出さない。アメリカへの投融資が回収できなくなっちゃうから。中国にとってアメリカ抜きの経済は、今も将来も考えられないこと。

憲法9条では日本を守れない」という人がいるが、憲法9条は斯様に、ばっちり日本を守っている。
(こういう理屈でいうと、やはり、日本には米軍が必要ということになります。・・・が、私は思った。この理屈なら、基地が沖縄でなければならない必要もない。横浜だろうが福岡だろうが、基地がある限り中国は日本に手出しできない。中国にできないことを、世界のどの国がやるだろうか?いや、やるまい(反語)。という話になる。
 沖縄に基地の痛みが集中しているのは、やっぱりおかしいのだ。
 そして、実際に攻めてこないなら、イージス艦巡航ミサイルも本来必要ない。
 ただ、その辺は経済的な需給の話になってしまうんだろう・・・)

そして日本や韓国など極東の情緒的な民族とは違って、中国ははるか昔から個人主義、合理主義。日本と韓国が仲良くなりすぎないよう、強くなりすぎないように仕向けている。両国を分断する情報の裏には、けっこう中国がいたりする。
これぞ、「夷をもって夷を制す」という『孫子』由来の中国の兵法である!

さて、そんな世界で、いかにして日本の活路を求めていくか?

 

【地元にお金が落ちるやり方を!!】

日本人は、オーストラリアの小麦粉で讃岐うどんを作っている。これではオーストラリアを儲けさせるだけ。
世界中のパスタはほとんどすべてイタリア産。そういうものを作らなければいけない。たとえば茅乃舎のだしとか。

「安いほうがいい」という考え方は最低。その考えがオーストラリアの小麦粉で讃岐うどんを作らせ、化学調味料をはびこらせてきた。
フランス産のワインに香料を入れるか? チーズにアミノ酸を入れるか? って話。

 

【エネルギー問題】

福島の事故以来、すべての原発を止めても原油天然ガス等エネルギー資源の輸入量は横ばい。省エネでカバー出来ちゃったってこと。しかも、LEDは日本の発明。すばらしい。

原発が安価なエネルギーだというのは過去の話。今現在、もっとも安くつくのは、シベリアからパイプラインを敷くこと。天然ガスはCO2もあまり出さないし。
シベリアからヨーロッパまで陸路で運ぶのは現実的に無理なので(高コストすぎる)、ロシアにとっても、日本への輸出増は旨味がある。
(が、これをやろうとした鈴木宗男がどのように潰されたかは周知のとおり。)

ただし、特定の国にエネルギー依存するのは当然リスクもある。
そこで、ドイツの例。ドイツは今、エネルギーの半分をロシアに依存している。
それで年1%依存を減らし、50年後に依存度を半減させる計画、同時に、年1%、自然エネルギーの率を増やす計画を実行中。

自然エネルギーの技術は世界に売れるからお金にもなる。

日本も本気出せばドイツ以上に自然エネルギーを使える国になる。技術力は十分だし、しかもドイツよりずっと温暖。
それをやらず、いまだに原発推進したがる。日本でもっとも「そっちじゃないでしょう」という問題の1つ。

じゃあ、なぜ、そっちを選んでしまうのか?

「すべからく、他の問題にも通じるが」と藻谷さんは言った。
どう考えてもこうしたほうがいいよね、という問題が放置されるのは、

●1.なんとなくだらだらやりたいから。
今まで通りのほうが、当面、楽だから。

●2.多くの人が本当のことを知らない。世界の状況を知らない。
悪意はないが、関心がない。
だから争点にならない。投票行動に現れない。
すると、既得権を保持したい人の思惑が通る。

・・・・・・心の底から納得です。

やっぱり、マジョリティがサイレントなのが問題なんですよね。

聴講者からの質問への回答に絡める形で、こうやって全体をまとめつつ
「すいません、25分の新幹線に乗らなきゃいけないんで失礼しますね」
と言って、主催者が終わりのあいさつをする間もなく、参加者にありがとうございましたを言わせる隙もなく、自分でガラガラと荷物を転がしながら颯爽と去っていく藻谷さんなのでした。
あー、すごい人。思い出すだけで白メシ3杯いけそうです。
主催してくれた雁瀬さん、本当に本当にほんとうにありがとうございます!!!!

興奮冷めやらず、6人でランチ。私、ハァハァ言い続ける(*´Д`) 帰ってこの↑レポートをfacebookでシェアしたらさすがに反響がすごい。

夫とサクはマリンワールドと本屋のツアーに行き、そちらも充実した日曜を過ごしたもよう。イルカショーを始め、飼育員さんの水中エサやりとか何とか、ことごとく見ることができたらしい。相当歩いたらしく、夜、「あしがきんにくつう」とサク。