【“自分ごと”にする難しさ】 3/28 NHKあさイチ、「沖縄 母たちが見た基地」

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去年12月、普天間基地のすぐそばの保育園の屋根に、米軍ヘリコプターの部品が落下。保護者たちは初めて立ち上がり、保育園の上空を米軍機が飛ばないよう、署名活動を行いました。

「魔法が解けた」という言葉を使うお母さんたち。

今の子育て世代は、「生まれた時から島に基地があった」という人が多数。米軍機の騒音で授業が中断されるのを当たり前に育ち、レストランなど米軍基地内で働く糧で一家の生計を立てる人もいます。

「基地はあまりにも生活に密着している(だから一概に悪だともいえない)。長年、米軍の事故やトラブルに県民が反対しても変化はなく、どうにもならないという諦めもあった。
 すぐ身近で起こったことはないから、どこか「自分は大丈夫」だと思い込んでいて、“自分ごと”としてとらえていなかった。それが、今回の事件で魔法が解けた。本当に危ないところにいるのだと」

保護者たちの活動では、基地に賛成か反対かという、イデオロギー対立になりがちな部分には踏み込んでいません。
ただただ、「保育園や小学校の上空を飛行ルートから外してほしい」とそれだけを嘆願していいます。
子どもたちの安全を確保したい、それは親として当然の願いではないか。それは本来、基地賛成・反対の垣根を超えて、すべての人に共感されるはずではないか、と。

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それでも、保育園には誹謗中傷が殺到したし、署名のような活動をすれば、周囲から白眼視されることも多いそうです。沖縄の中にも大きな温度差があるのです。

MCでありNHK解説委員の柳澤さんが、

「沖縄の問題は、どこか福島の問題と重なる」

と言っていました。
福島だけでなく、たとえば性犯罪やハンディキャップ、種々の差別など、さまざまな問題が同じ病根を持っているのでしょう。

・多くの人が、「自分は大丈夫だろう」と思い込み、関係ない・知る必要がないと思っている。

・声を上げる人から距離をおいて、遠巻きに見ている。何ならむしろ、煙たがっている。

・声を上げればそういう反応をされるとわかっているから、声を上げる人はごく少数。

・だから問題はいつまでも解決されず、より悪化していったりもする…

沖縄で修学旅行生に基地の話や歴史を伝える活動を行っている会社(!)の社長が、スタジオに来ていました。
1992年生まれという、若い男性です。

http://webronza.asahi.com/journalism/articles/2017080900004.html


「感想文は絶対に書かせない」と言っていました。

感想文だと、どうしても紋切り型になってしまう。「驚きました」「一人一人が考えなければならない」と、まとめることでスッキリしてしまって、それ以上考えなくなってしまう。

ディスカッションが盛り上がっているところで「時間がきました」とスパッと切ったりして、まとめないようにしている。
簡単に理解したり解決したりできることじゃない。まとまらずにモヤモヤした気持ちを持ち帰って、考え続けてほしい・・・。
と言っていました。

引き合いに出すのもおこがましいようだけど、
先日のイベント「私のあなたの眠れる力を社会へ」で、女性たちのモヤモヤをテーマにしていたので、よくわかる気がします。

モヤモヤを原動力に、変化を求めていけたらと思う。
モヤモヤはつらいけど大事なこと。

私は「あさイチ」の熱心な視聴者ではないのだけれど、有働さん&イノッチのMCはラスト3回なのに、こういうテーマを組むところが信頼できるところ。

たとえば料理とかお片付けとか子育てとか夫婦関係みたいな、主婦の生活に密着する問題だけでなく(もちろんそれも大事ですが)、
沖縄とか、福島とか、戦争とか、「多くの人は他人事と考えている問題」も取り上げ、毅然としたコメントをしてきた2人(今日もそうでした)が大好きでした。

後任の華丸大吉も大好きです。大好きです(2回)。彼らの人間性は折り紙付きだと思う。
近江アナも、NHK福岡時代も見てたし、ブラタモリ大好きだから、うれしい。

ただ、夜のニュースも新体制になってから骨抜きになってしまったNHKなので…
ちょっと心配だったりもする。

社会問題への踏み込みと、プレミアムトークのすばらしいインタビュアーぶりを、
新MCもどうか引き継いでくれますように!
と願うばかりの春です。

★今日のあさイチについて、さっそくNAVERまとめができてる。

あさイチ 沖縄 母親たちが見た基地 保育園に匿名で誹謗中傷、番組内容批判にイノッチが反論 #あさイチ - NAVER まとめ