『アンナチュラル』 第1話
野木亜紀子に外れなし! 『空飛ぶ広報室』『掟上今日子の備忘録』『重版出来!』そして『逃げるは恥だが役に立つ』と、原作をアレンジしたドラマ化には既に定評ありまくりだけど、オリジナル作品でもこれだけ面白いって、ドラマ界の明日は明るいですね!!!
初回15分延長を存分に生かした二転・三転する展開。初回延長って、往々にして間延びするか説明過多になるかなのに、すばらしい!!
野木さんと何度もタッグを組んできたガッキーではなく、石原さとみが主人公なのがわかる。大きな瞳にぽってりした唇、自己主張の強い顔をくるくると変化させる彼女の表現はミコトにぴったり。強い意志を見せたあとすぐに屈託なく笑い、そうかと思えば一瞬で闇をまとう。・・・てか、ガッキーで医者だと「コードブルー」のイメージが強すぎるのか、単純にw
ミコトの相棒に市川実日子をもってきたのもナイス! 実日子さんにとっては「小さな巨人」に続く「シン・ゴジラ」連想でのキャスティングですかね。同性のプロとして友情の通いあう2人がどちらともさばけてて優秀で、っていうキャラクターがいい。
野木さんは恋もようを描いてムズキュンさせる脚本家だけど、いつも底に流れる職業観とジェンダー観が共にフェアでフラットなのがポイントだと思う。現代的というか、現代ニッポンの一歩先をいってて、エンカレッジされる。
「女がいつどんな服を着ようと勝手でしょ!(大意)」を、ミコト本人じゃなくて、夕子(市川実日子)が言うのがいい。ミコトと夕子が堂々と性的な発言をするのもいいし、六郎(窪田正孝)の「おっぱい大きかったです。背中調べで」ってのもよかった。
そう、窪田くん!!! 久しぶり!!!(感涙) ほんと彼ったら、あれだけ仕事してるのに、私好みの作品になかなか出てくれなくて、ずーーーーっとご縁がなかったの。すっかり菅田将暉に浮気しがちでほんとごめんね💦(←聞いてない)
『直虎』が終わってすだまに会えなくなったタイミングで始まる窪田くんとの毎週ランデブー!(違) 助かるわ~ 同時進行にならなくて罪悪感が薄れるわ~w
マッチゲさんの上司が、世知にも長けてるし適度に雑なんだけど、いざとなると権力にひるまず倫理的な行動をとれるのも安心。このあと、ミコトの過去や中堂の謎が明らかになり、後半ではたぶんUDラボの存続が危うくなったりするんだろうけど、そういう王道でもディテールのオリジナリティで楽しませてくれそうなドラマだ。
ゲストの山口紗弥加、『直虎』に続いて彼女のすばらしい演技が見られてうれしい。あんパンを食べて泣く。ミコトが言う「こんなときだからこそ食べるんです」は、遺族の悲しみと相対した直後でも夕子と冗談言って笑い合う姿にも通じてるんだろうな。これからも生きていくために、生きて、“未来のための” 法医学を実践していくために、どんなときでも笑うのだろう、彼女たちは。
てか、ユッキーヤは出てるわ、福士誠治もいるわで、豪華キャストだな。ユッキーヤって、今、菅田将暉と山崎賢人と高橋一生の次に忙しいんじゃないか?! その中に、ずん飯尾がいるのが何ともいい味。フジテレビで改編期にやる「スナックあけぼの橋」の影のMVPは彼だと思っとります。