1//4付 毎日新聞紙上、「開かれた新聞委員会」議論より、大統領選、首相のメディア選り好み、天皇退位など
昨日1/4付の毎日新聞紙上、「開かれた新聞委員会」4人による意見交換を一部メモ。吉永みち子・池上彰・荻上チキ・鈴木秀美+小倉孝保外信部長。
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
小倉「米大統領選ではほとんどの新聞はクリントン勝利を予想していた。既存メディアが国民の声を吸い上げられなかった」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
吉永「吸い上げる、は上から見た言葉づかい。日本でもアメリカでも、既存メディアがエスタブリッシュメント(支配階層)の側にいることに無自覚すぎる」
吉永「トランプ現象とは。億万長者の一方でバラエティ番組やプロレスに出て、ネタになるような存在だった人が大統領になってしまったことを“トランプ現象”という人もいれば、自国第一主義や排外主義、低中所得層の反乱などをいう人も。簡単に「●●現象」と言ってしまうと中身や問題点が伝わらない」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
池上「ニュース専門局のCNNやFOXなどでは一日中大統領選を報じていたが、ABCやNBCの朝のモーニングショーなどではほんのちょっとで、アメフトのセクハラ問題などを延々とやっていた。アメリカの多くの人は、実は大統領選にあまり関心がなかったのではないか」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
池上「→(就任後のトランプは)あるいはお気に入りのメディアだけを選んで出る可能性も。自分に都合のいいテレビ局を選んで出演する首相は日本にもいる。こうした権力者にメディアがどう立ち向かうか」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
池上「昔は「首相は特定社の単独取材には応じない」という不文律が首相官邸と内閣記者会の間であったが、今は首相がメディアを選んで発信している。それに対し、メディアもまとまって対抗できない」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
吉永「(メディアは)おかしいと言う抵抗力が非常に弱い。この状況を押し戻すのは至難の業だろう」
吉永「首相会見を見ていても、まったく緊迫感がなく、記者は勝負していない。表の会見では質問を控え、裏で取材するからいいよという感じがある。まずは会見にしっかり臨んでほしい」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
荻上「トランプが問題発言を繰り返しても勝利したのは、地方の衰退など経済的要因が大。日本でも政治家が失言しても支持率は大して下がらない。有権者は発言自体に問題を感じても、投票行動を決める要因のトップにその発言を置かない。優先順位は、自分たちの生活を今よりましにするのはどの党かだ」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
天皇退位について。
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
荻上「陛下は摂政を置くのを望んでいないが、保守系の人はこぞって摂政を主張し、退位に反対している。保守系が天皇の意に反することを言うのはなぜか。このリベラルと保守の反転はどうして起きるのか、新聞に解説してほしい。リベラルな天皇家に対する保守派の屈折した感情も」
鈴木「対照的に、戦後のドイツ憲法は、人間の尊厳の尊重が第1条に書かれている。ナチスのユダヤ人虐殺を踏まえ「人間の尊厳を尊重することはすべての国家権力の義務である」と第1条で規定した。そのあとに人権に関する条文、次が統治機構。条文の並び方でその国で何が大事にされているかがわかる」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017
鈴木「専門家ヒヤリングで、作家の保阪正康氏が天皇の高齢を念頭に「人間的、人道的視点から考える必要がある」と発言したと報道。同意見だ。天皇は天皇ゆえに人権が非常に制約されているが、最後は人なんだから、天皇制のあり方とは別に、本人の人権や個人の尊厳も考えなくてはならない」
— エミ-emitemit (@emitemit) January 4, 2017