『重版出来!』 第9話

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一昼夜でいいからオダギリジョーのこと「いおきべー」ってぞんざいに呼び捨てできる身分をください!
 
いやあ、最上もがちゃん、これは美味しい役だわ…。滝藤賢一と寝れるし・・・。この滝藤さんの一寸先生めちゃめちゃいいよね! 
 
という第9話。待ちに待ってた五百旗頭回。これまで、実はたいした活躍をしてこなかった五百旗頭さんです(笑)。いいんですいいんです、この五百旗頭さんがちょっと心配げな顔して編集部のわちゃわちゃを見守ってるだけでドラマの格が何層もアップよ! とはいえ待っていた五百旗頭回です。叫ぶ五百旗頭、走る五百旗頭、告白する五百旗頭、勘所を押さえた脚本演出ありがとうございます。リピートが楽しいです。
 
黒沢や小泉から見ると仕事ができて、「かっこよくてブレない、失敗なんかしない」とまで見える五百旗頭が、彼のモノローグになると迷っている、後悔しかけている、かっこ悪いどころか不審人物でしかないっていう往来でのシャウト。ぐっときますね。
 
若い黒沢たちはいろいろな「初めて」に迷い悩む。五百旗頭たちはキャリアが長いからこその迷いや後悔がある。仕事ができるという点ではもちろん後者に軍配があがるんだけど、両者が本質的に対等にというか、フラットに描かれているのがこの作品らしい良心だと思います。仕事を愛し一生懸命働く者はみな平等。
 
いやおうなく人の人生に関わってしまう仕事だから、悩み苦しみながら描く人の人生に報いあれ、幸あれと願ってしまう五百旗頭。以前の担当マンガ家をライバル社へ送り出したのがその象徴で、結果として売れっ子になった彼の人生を思って編集者としては切なくとも満足していたら、彼は五百旗頭への恨み節を未だに言ってるという(笑) 「全然伝わってねー!」いただきましたありがとうございます。
 
一寸先生とケンボーのあとをつけて交渉を聞きながら逡巡する五百旗頭。「いおきべ何やってんの」もうね、この回、脳内でリンネさんになりながら見ることにしますね。最上もがさんですけど、なりきらせてもらっていいですかね。
 
エンペラーとの間で心が揺れる一寸先生と、見事な試合勘と編集者としての矜持と愛情を持って対峙する立派な黒沢。・・・に反して、かっこわるく(いやかっこいいよ!)走って涙目で「大好きです!」と告白する五百旗頭。かっこわるいのがポイントなんだよね。かっこいいんだけどねオダギリだから。正しいことをしてもらうより、かっこ悪いくらいに愛を告白してほしいときがあるんだよね人間。でも「好きだから行かないでくれ」ではなくその前半しか言えない(言わない)のが五百旗頭という男で、でも、その奥ゆかしさにほだされるのよね~。だってオダギリだし!
 
五百旗頭にとっても、愛を告白できたのは成長というか貴重なことなんだよね。そうすることで、一寸先生がたとえ移籍しても後悔しないですむから。気持ちを伝えるの大事。「ビジネスだけど人と人とのかかわりなんだ、人生かかわりあってるんだ」っていうドラマのポリシーがすばらしく表現されていますね、オダギリジョーによって。
 
一寸先生回で元サヤにおさまったかと思いきや、ついに愛の告白をしてもらえなかったリンネさんがここで去る展開。「バカばっかり」っていう捨て台詞がよかった。そうなの、バカなんだよあいつら。キャプテン翼でいう「ボールひとつにキリキリマイさ」な奴らなの。愛すべき奴らだけど、リンネちゃんは敗北者じゃないんだよ。
 
てか五百旗頭と一寸先生の絡みが尊いな…。五百旗頭五百旗頭オダギリオダギリと言っといてなんだけど、私、一寸先生めちゃめちゃ好きです。中田くんもがんばっていた。描けないのかと思いきや、広い世界に目を向ければ描きたい人は必ず見つかる。その姿を同じ道の大先輩である三蔵山や編集たちが見守っている。って優しい物語だね。
 
 

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