卯月の十二
●4月某日: 今朝は、夫とサクは4時ごろ、私は5時過ぎに寝た感じ。夫は余震の合間にもスースー寝息が聞こえてて、落ち着いてるなというか疲れてるんだなというか、まあ眠れるのはいいことである。
度重なる地震は、震源を大分に移したものもあり、交通網も遮断されつつあるというので、夫が朝9時前に近くの大きなスーパーへ買い出しに。客は普段のこの時間よりなかなか多く(夫談)、水は売り切れかけていたらしい。
とと姉ちゃんは休止(九州は昨日も朝は休止だった)、わずかに通常放送をしていたEテレをサクが見ていたが、やがて震度6弱の余震(?)が熊本で発生したのを機にこちらも関連ニュースに切り替わった。そののちも、普通の放送かなーとテレビをつけていると、緊急地震速報の画面になったりするので、子どもは怖がっている。トイレに行くときも、パパかママについてきてもらって、ドアの前で待っててねと言う。怖いという気持ちは当然だし、それをちゃんと言葉や態度に出せていることには、せめて安心するというか。
午後からは幸い、こちらでは大きな揺れはかなり減った。昼ごはんのあとは3人して2時間ほども昼寝。断水に備えて風呂に水を溜めていたので、ドライものの洗濯や、風呂の念入りな掃除などにじゃんじゃん使った。夜ごはんはもつ鍋。美味しかった・・・。ビール、白ワイン。サクを寝かしつけながら私たちも寝てしまう。
●4月某日: 福岡では余震がだいぶ減った。それで家族3人して寝坊したうえ、昼寝まで。たった一晩・二晩でも疲れるんだろうなと思う。まして熊本大分ではぐっすり眠るヒマもないだろう。もちろん福岡だってこれで終息に向かうわけじゃないかもしれない。ただ熊本大分では今も震度3や4、時には5クラスの余震がずっと続いていて、「いつまでこれが」と先が見えない思いがしたとき、人は気力がなくなるんだと思う。
あんまりしっかり外出する気にもなれないので、サクの散歩を兼ねて近所で買い物したり、自転車につきあったりしたぐらい。サクはプラレールやブロックなどパパとみっちり遊べて満足そうではあった。こむぎねんどに絵の具でいろんな色を付けて一口大サイズに切り、爪楊枝をさしたのを皿(に見立てたもの)に乗せていっぱい運んでくる。お店の試食ごっこらしい。
「こちらは、サーモンです(オレンジ)」「きゅうりです(緑)」とかはわかるんだけど、「これは、さくらんぼのわたあめです(ピンク)」あたりから独創的になってきて、「コーンスープを固めたものです(黄色)」とかだんだん謎のものを供される。
NHKでも、夕方のEテレ子ども番組や、総合「ダーウィンが来た!」「真田丸」など通常通り放送された(福岡)。真田丸の冒頭、画面に青い逆L字でニューステロップが出ていたので思わず「あー、L字かー」とつぶやいたら、サクが「なに? なになに?」と激しく興味を示したので説明すると、「なーんだ。もっとたいへんなことかとおもったら、あんまりたいへんなことじゃなかった」と一蹴される。夜ごはんは、ほっけ、味噌汁、きゅうりとわかめの酢の物、大根おろし。