サクことば49 幼稚園での影響を感じる発言パターン

●一人称が自分の名前。

「さくたろうはね・・・」。入園前→「さくちゃんはね・・・」 入園後の一時期「ぼく / おれはね・・・」。今も、ぼく・おれを言わないわけではないけど、この3か月くらいで「さくたろう」と名前での一人称が増えた。同時期に、クラスの子たちの名前も、「くん/ちゃん」づけをせずに呼び捨てすることが増えた。

これは幼稚園の伝統(?)で、「ぼくたちは、呼び捨てするくらい、こんなに仲が良いんだよ」という雰囲気が(無意識のうちに)だんだんできてくるからのようだ(そのように先生がリードしていく面もあるのだろう)。みんな、友だちのことを名前で呼び捨てし、それと同じように自分のことも名前で呼ぶ。

●主張したあと、理由を言う。

「さくたろう、トランプだいすき。だって、おもしろいっちゃもん」
大人が聞けば「それが理由かーい!」とツッコみたくなるぐらいの単純な理由だけれど、ともかく、「○○したい」「したくない」「すき」「きらい」などの表明に続いて、理由を言う。

●脅す。

「はやく くるまをとめないと、さくたろう、ねちゃうよ。それでもいいと?!」
「ママ、そんなにスケートばっかり みるなら、スケート(の録画)、ぜんぶ けしちゃうよ。いいと?!」

相手を自分の思い通りに動かそうとするために、「そうしないと不利益をこうむるぞ」と脅す。4歳児の考えることなので、その「不利益」の中身は思わず笑っちゃうようなものも多いが、的確に弱みをついてくることもある。

●方言。

「それ、すごいおいしいっちゃん」 「はやく着替えないかんったい!」 などなど、コッテコテの博多弁やイントネーションで喋る。


これらすべてに、幼稚園という集団の中で過ごすことによる「社会性」の発達を感じる。理由をつけることも、脅しを加えることも、自分とは違う考えをもつ相手に対して主張を通すための手段。家族相手なら、ただ主張したりダダをこねたりするだけで、こうまでしっかり筋道を立てないんじゃなかろーか? 周りの友だちの言うことや発言パターンを無意識にマネしてるだけなんだろうけど、そうやって無意識のうちにだんだん、社会性が発達していくのが集団生活という場であって、それが言葉にも表れてると思う。

方言と社会性については、以前にもちょっと書いたことあるんだけど、

「人は方言を喋ることで、仲間への帰属意識や他集団との差異化を表わす面がある」らしい。過去記事に書いたとおり、サクは3歳以前、(親が喋っているのにもかかわらず)さほど博多弁を喋らなかった。園児になってから格段に増えたと思う。