『花燃ゆ』 第11話「突然の恋」

【悲報】 2年連続で主人公の結婚までのエトセトラが面白くなかった 【要工夫】

もうね、面白くないのをやるくらいなら、いっそやらなくていいんだけど。恋心とかなしにスーッと成り行きで結婚してくれてかまわないんだけど。面白くないものを見せられるっていうこの苦痛がね・・・

しかも今年の場合、面白くないうえに何か気持ち悪いんだよね・・・

姉・寿が妹の縁談を思いつく → 寿が兄・松陰と夫・伊之助に触れて回る → 伊之助がパスを出し松陰がゴール

って、あらすじを書けば不自然じゃないように思えるけど、見てると何か、めっさ不自然なのなw 伊之助と寿の縁談は文が言い出したものなので、文の縁談は、今度は伊之助が言い出して・・・ってことで、対にしたかったんだと思うの。後年結婚する2人を、そうやって今のうちから無理くりいろいろ関わらせて、「ドラマチックの種まいて水やって育ててそのうち収穫しまーす♪」ってやってるのが丸見えの作劇が、あざといの。しんどいの。

てか、文と伊之助の関係が気持ち悪いの。なにごとも起こってないけど、なんか不埒なの。はっきり言えば伊之助がキモチワルイの。「あいつにはすべて見透かされる」って何だよ。わかったようなこと言いやがって。義兄の言い草じゃねーだろそれ。久坂など村塾メンバーへの兄貴分ヅラもキモチワルイの。

しかも、清濁併せのんで政治の表舞台で大人に振る舞うことにしたかと思いきや、久坂に影響されて思いきり「純粋まっすぐ君」やってるやん、殿の御前で! わかりやすい奮闘公演やん!! 結局このやり口でいくなら、政治パートも全然期待持てない。脚本の宮村さん、政治劇とか権力闘争とかが得意なんやなかったのか?! 

右往左往、二転三転する長州藩の藩内政治は見どころのひとつだっちゅーのに、これからも随所で伊之助が暑苦しい一席ぶつか、苦虫噛みつぶした顔するかを延々と見なきゃいけないのね、きっと・・・。辛気臭い。マッサンなんかメじゃない勢いで大沢たかおが辛気臭い。文ちゃんと伊之助の結婚めっちゃ気持ち悪くなりそう。

通商条約についての村塾の議論が、前原一誠の言を待つまでもなく絵に描いた餅にしか見えない・・・。前原一誠は、とりあえずチョイ出だったので、悪くない印象を残した。

なんかなー、バランスが悪いんだよな。すべての。このバランスの悪さは、やっぱり、「これを描きたい」っていう強い思いがないからだよね。なんとなく、学園ラブコメっぽいところと、汚い政治の世界でがんばる男と、塾生のシーンと・・・って、なんとなく食いつきやすそうな場面をつなげていってるだけって感じ。人物に対する思い入れも全然感じられない。優香も檀ふみもみんなとてもいい味出してるのに、不憫なキャラでしかない。寿と寅次郎なんて全然兄妹って感じがないし。だいたい、原田泰造を無駄遣いするとはなんたることだ!! 

半沢直樹よろしく上司の家で奥様会とかやってるわりに、家格ってものを大雑把に描いてるのも不快。杉家もそうだけど、もっとわからないのが小田村家。椋梨の側近やってる(しかも他にいないから第一の側近に見える)小田村はそれなりに出世してるのだろうが家に下男・下女の類も見えない。てか伊之助って明倫館の教授だったと思うのだが、めちゃめちゃ政治畑に踏み込んできてるよな。見るからに青臭い伊之助を重用する椋梨はこの時点で既にまったく人望がないのか? てか椋梨って何? 家老? 高杉小忠太はどこいった? 雑。なんか雑なんだよね。全体に。

が、しかし、最後の久坂の「病かもしれぬ、横になれ」「メシは食えてるのか」「どういう痛みだ」の雄大なたたみかけ(笑)に和んでしまった自分もおりましたよ、ええ。東出のボンクラパワー天井知らず!! 「胸がきゅんと」に「病か」と返すのがこれほど似合う21世紀の若者おらんて・・・