2015北京世界陸上、男子走り高跳び!

最終日の決勝種目。楽しみにしていた。2013モスクワワールドで初戴冠したディフェンディングチャンピオンウクライナのボンダレンコと、カタールの若い才能バーシムくんの一騎打ちかと思いきや、地元中国のチョウ・コクイという選手が堂々と割って入っていた。

足の故障を抱えているというボンダレンコは予選でも省エネ戦法で、「決勝でも如何にパスを効果的に使うかがカギになる」と解説の石塚さん。そのとおり、ただ一人2m20をパス、感触を試すように跳んだ25を一発パス、29はまたパスをした。序盤からパスを使うファイナリストは他にいない。足の故障なんてモロに試技に響きそうだよなあ、と思うけど、確か前回の世界陸上でもそういう状況だったような気もする(単に戦略でパスしてただけだったかも)。

本人にとっても予想外の見せ場になったのは29をパスした後の33。バハマのトーマスがパスしたことを察知するのが遅れていて、「あれ、いかないの?」と本人に確かめて「げ、じゃ、次、俺?」と気づいたときにはもう自分のターンになっていて時計が動き出していた。早く飛ばなければタイムオーバーになってしまう、急いでジャージを脱いで慌ただしくスタートについて、実況解説も心配げなコメントで見守っていたら、軽くクリア。そういうつもりじゃなかったんだろうけど、見せるなあ! 

試合はその後、上位陣が全員2m36を3回失敗するという局面に。え、これで終わり?と思ったら、世界陸上や五輪のようなチャンピオンシップでは、1番を決めるまで跳躍試技を続けるという「ジャンプオフ」なるシステムがあるらしい。私も初めて見たし、とても珍しいケースなのだそうだ。

で、2m33まで、すべて1回でクリアしていた3人がジャンプオフに参加。途中、1度失敗試技のあったバーシムはここで敗退となった。ボンダレンコ、チョウコクイ、そしてカナダのドルインの3人がもう一度2m36にチャレンジし、全員また失敗。次はどうするかというと、バーを2cm下げるのだ! なんと面白いルール。高校の保健体育でも習わなかったぞ。

てか、試合が長引きすぎて、女子はおろか、本来、大会の最後を飾るはずの男子マイルリレーまで終わってしまった! まさかの最終種目に!w 男子マイルリレーの選手が国ごとに大仰な門扉を開いて入ってきてポーズとったりしてるのが映し出される間も、「いやそれよりフィールドどうなってんだよ、試合やってるほうを見せろよ」って感じにw 

2cm下がったバーをクリアしたのはカナダのドルインただひとりで、彼が新しい金メダリストになったのでした! 金髪、がっちりした体形のカナディアン。ボンちゃん、リオには万全な体調で出てくれるといいなあ。チョウコクイもなんかいい感じに飄々としたキャラだし、来年の戦いが楽しみ。