2015北京世界陸上、女子走り高跳び!

膝下と腿がめちゃんこ長い人たち、つまりめちゃんこ脚の長い人たちの美しき戦いです!!

私はもちろんブランカ・ブラシッチ推し! ブラ・ブラ姉さんが帰ってきてくれた~! 2012ロンドン五輪にも、続く2013モスクワワールドにも彼女の姿はなかった。シリアスな怪我だったのだろうし年齢もある。このビッグ・ゲームに戻ってきてくれて本当にうれしい!

前回大会で新女王になったシュコリナの姿は今大会になく、必然、放送も2011テグ、2012ロンドン五輪を制したチチェロワと2009モスクワ、2007大阪を制したブラシッチとの激突!という煽り。1m88から始まった決勝は1m92で早くも足並みが乱れ、ブラシッチは1回目失敗して2回目でクリア。チチェロワは92をパスして95を一発クリア。ブラシッチも負けじと95を一発クリア。97はブラシッチが一発目、チチェロワが今度は1度失敗して2回目でクリア、99はお互い一発クリアと、両者譲らない展開。

しかし2人を尻目(?)に、すべてを1回でクリアしている選手がいたのですよね~。それがロシアのクチナ。ロシアの選手らしい、非常に整った容貌ながらもまだ少女の面影が残る22歳の新鋭。メダルが3人に絞られて、さあ色を決める2m1cmへ。まずはブラシッチが一発クリア! その瞬間彼女は高く腕を突き上げ、天を仰いでキッスをした。自分の跳躍以外は両手で耳をしっかり塞いでうつむいているクチナも1回目でクリア。チチェロワは2回目でクリア。そしてバーが2m3cmになると、誰もクリアできなかった。クチナが初めての戴冠。「シャイなクチナがこんな笑顔を見せるんだから、やはり勝利とはいいものですね」と石塚さん、基本すごく冷静でテクニカルな解説をするのだが、たまーにこういう情緒的なことを口走るのがなんかいい。

同じ国で10才以上年の離れたチチェロワが、クチナを長いこと抱きしめていた。ブラシッチは目を赤くしていた。2位は彼女にとって喜びか、それとも悔しさだったかわからないけど、でも久々のビッグ・ゲームで死力を尽くした充実感を得ていたんじゃないかと思う。2m1cmはシーズンベスト、というか2011年テグで銀メダルを得て以来の試合での成績だった。クロアチアの国旗を背負った彼女が、ロシアのクチナとチチェロワを誘って3人でウイニングランをする姿にちょっと泣けた。「ここまで来れるとは思わなかった」と織田さんがまるで家族のように語るのにも思わずじんときてしまいました。いやーこうして長年、織田さんと一緒に“万年にわか陸上ファン”として見ていると、心情がシンクロしてしまうことが多いw