2015北京世界陸上、トラック長距離とか! ファラー、ディババ、大迫…
男子5000m、予選で大迫傑が7着に入ったのには正直驚いた。1組目だったので、ペースの上がる2組目にはタイムで及ばず決勝には進めなかったものの、世界の強豪を相手に、トラックで日本人がここまで粘れるとは。直後のインタビューによると、外国で武者修行しているとか? やっぱりそれかー、と思う。外国の試合にもかなり出られて経験になった、と言っていた。もともと整った顔立ちの青年だったけどとても精悍になっていた。今後が楽しみ!
女子5000mも、正直まったく期待していなかったら(すみません無知で・・・)、尾西さんと鈴木さん、2人も決勝に残ってびっくりでした。前半で先頭に立ってレースを引っ張る(というのは他選手に先頭に立たれてペースの上げ下げをされるとついていけないためこうするしかないということ)のが日本選手の常道で、それでも後半、いったんケニア・エチオピアにペースを上げられたら置いて行かれる一方、そういう試合をたくさん見てきたけど、尾西さん粘った! 次の組の鈴木さんは、前半、先頭に立たず中盤あたりで潜伏したうえに6位に入った!
女子1500m、ゲンゼベ・ディババの完勝。予選・準決勝を見ていると、ハッサンやセヤウムも、キプイゴエンもとても好調そうで切れ味があって、これはどうなのかなと思ったけど、決勝ではロングスパートでスプリントの違いを見せつけた感じ。
そのディババが出るもう一種目は5000で、1500と5000を兼務する選手ってあまりいないように思うのだが、まぁなんたってディババ姉妹の妹だからなぁ、と思っていたら、こちらは最終日の決勝、同じエチオピアのアヤナが3200m過ぎから超ロングスパートを見せ、ディババから追う気力を根こそぎ奪い取って、大会新記録でゴールした。2位に15秒以上もの差をつけたんだから、今季世界ランク1位の実力を見せつける形だった。ディババはまぁ兼務での疲れもあっただろうし、やはり“心が折れた”部分もあったのか、最後の最後でやはり同じケニアのテフェリにかわされて銅メダル。
それにしても、TBSがフィーチャーするのもよくわかるゲンゼベさんです。2013モスクワではまだとにかく若くて華奢な選手という印象だったけど(成績は8位くらいだった)、すっかりレディになって、しかも華やかで、かつ気品もある。ディババ三姉妹の偉大さよ! 5000と10000の両方を制覇していた2女のティルネシュさんは、そろそろ引退なのかなーと思ったら、今、産休中で、リオで復帰予定とか。熱い!
5000決勝、鈴木さんは9位。あとほんのちょっとで入賞だった。死力を尽くしたゴールという感じで見ていて熱くなった。インタビューを聞くと、すごく賢い小動物という感じ。ファンになりました。
男子5,000と10,000、両方ともモハメド・ファラーが制覇。しかも連覇。2014ロンドン五輪まで含めるとビッグゲーム3連覇。5,000は2011テグからの4連覇。絶句。私はケネニサ・ベケレがトラック長距離に君臨し「皇帝」とまで言われていた時代をよく覚えているので、ファラーは「皇帝を負かした男」という位置づけだったのですが、今や彼にその称号が使われていないのは不思議なくらいだ。とりあえず、彼を「超人BIG8」なるものに選んでいたTBSはホッとしたことでしょう。
5,000の最後、もう疲れているかと思わせといて、最後の200mで先行していたディクをきっちりと抜き去り追う気もなくさせるぐらいに突き放した底力。「ラスト200まで、ディクは夢を見ましたよね…」と実況・解説もしんみり。息子5歳が「M」のポーズを覚えて、レース後、「やるよやるよ~、やったー!」と喜んで真似をしていた。とても眉宇の明るい選手ですよね。自分のポーズのあと、ボルトの稲妻ポーズを軽くやってたところもなんだか好きだw